県議会文教厚生委員会での議論
―新たな県立図書館の整備―
現行の県立図書館は、建築後100年が経ち、老朽化に加えて除籍図書等の収蔵スペースがパンク寸前であることから、改築することがここ数年来検討されてきました。
今般、県教育委員会は、県立図書館としては大村市に移転新築し、長崎市の現在地には郷土資料センターを建設するとの基本方針を発表しました。
この問題については大村市と長崎市の間で誘致合戦が行われるとともに、本会議や文教厚生委員会では大村、長崎双方の議員から、それぞれに立地を求める質疑が繰り返されてきたことはご案内のとおりです。
また、先のホームページ(※)に私自身の提案内容も含めてコメントを載せさせていただいていますので重複を避けたいと思います。
さて、今回の県教委の決定の大きな根拠は、つまるところ金と土地に集約され、県立図書館としての役割や機能と、県民の利用の観点からの設置の意義といった、本来の尺度が二の次になっていると言わざるを得ないと思います。
県教委の検討作業の具体的な俎上に上がったのは、建設候補地として、大村市の警察署跡の公有地と他の一ヶ所、そして長崎市の出島・常磐地区です。
前者は大村市が敷地を無償で県に貸与するという申し入れに対して、長崎市の出島・常盤地区は県有地ではありますが企業会計で造成した土地ですから、図書館建設のためには一般会計で買い戻しをしなければならず、これに要する経費が約50億円。
加えて大村市は市立図書館との合築により、県立図書館の建設費や運営費が軽減されることを提案。
ある意味、誘致合戦はこの時点で勝負あったとも言えるのではないかと思います。
長崎市として、「長崎市にあるのが当たり前」といった思いから、具体的なメリットを示して提案出来なかったこと、そして県立図書館と市町立図書館の新たな役割分担と連携による県立図書館像についての、私の具体的な提案について県教委で十分に協議されなかったことが、今回の結論に至ったものと忸怩(じくじ)たる思いがしています。
郷土資料センターの蔵書のあり方について十分議論し、その存在意義を十分に示せるよう頑張る決意です。
※
県立図書館問題について (平成24年1月掲載)
新たな県立図書館の整備について (平成25年3月掲載)