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今回の定例県議会は、国において決定された経済危機対策に関連して、去る5月29日に成立した国の補正予算に対処する県の補正予算の審議を主な内容とするものです。
補正予算の総額は、一般会計で492億7,012万5千円の増で、歳入予算の内訳は、国庫支出金347億2,816万8千円、繰入金45億5,789万5千円、県債95億6,510万円となっています。
このうち、私が所属する農水経済委員会での理事者との質疑のうち主なものについてご報告します。
- 長崎を2倍楽しむキャンペーン推進事業 5億4,536万5千円
事業内容
@宿泊施設宿泊券、県特産品プレゼント (2億円)
ホテル・旅館宿泊券 1万泊、海外旅行及び県産品等
A離島モニターツアー等 (9,993万8千円)
モニターツアー6000泊 情報発信 PR資材等
B交通事業者媒体等活用広告 (5,800万円)
JR西日本、東日本、NEXCO西日本、JR九州、ANA、JAL販促連携など
Cエージェントタイアップ (5,400万円)
修学旅行誘致対策等
D情報発信・キャンペーン資材(6,435万円)
メディアミックスPR、PR資材、キャンペーンサイト制作
E実体験型イベント実施 (1,000万円)
【これについて私は】
・この事業のねらいはどこにあるのか、即ち、昨年秋から今日まで冷え込んでいる本県への観光客数を増加させるためのキャンペーンか、それとも経営難に陥っている旅館・ホテル等の観光の第一受益者への経済対策か、明確にすることが大切だと指摘しました。
何故なら、ホテル旅館宿泊券1万泊分とモニターツアー6000泊分の買い取りは、まさに旅館ホテルへの救済策であり、それならばこの事業の広報宣伝費としての1億2,200万円(上記BD)はその救済策としての分に追加すべきであって、PRそのものにこの事業のインセンティブをつける必要がないからです。
また、何も東京や大阪からの呼び込みではなくとも県民に広く利用してもらうことの方が効果が高いと考えられるからです。
・さらに、この事業は一万泊+6000泊+αの宿泊を確保しようとするもので、そのαを最大値にすることが成果に他ならないわけですが、その具体的な目標値が示されていないことも問題だと指摘しました。
・また、総論として、この事業を実施することは認めるものの、宿泊者の配分の方法や各ホテル・旅館への受益の平等性の確保の方策並びに広告宣伝の費用対効果等をさらに十分練る必要があることを申し添えました。
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長崎新聞=7月3日付 |
- 県産品「食べて、飲んで、贈って」 キャンペーン事業 1億6,122万8千円
事業内容
@期間内に対象店舗において県産品を購入した人の中から県産品を抽選でプレゼントする。
(@)食べてみんね! 期間9月〜2月
県産品を含む1,000円以上の買い上げ1,000円以上の買い上げ1回毎に
応募用ハガキにレジでスタンプを1個押印し、5個で応募
(A)飲んでみんね! 期間9月〜2月
1,000円以上の県産酒購入毎に配布するハガキで応募
(B)贈ってみんね! 期間11月〜12月
県産品歳暮ギフトを贈った方に、1,000円毎にスタンプ一個押印し、5個で応募
Aプレゼント内容
総額1億円 当選者総数 1万人以上
商品は郷土料理食事券、長崎和牛、平成長崎俵物等
【これについて私は】
・この事業は県産品の販売促進策であるが、それは言い換えれば個人消費の拡大策である。
しかるに、極端に言えば、1,000円の消費あるいは5,000円の消費に対して、税で10,000円を投資する図式になっており、税金のバラマキといわれても仕方がない。
公共事業の需要誘発係数は一般的に1.3と言われていることからも1億3,000万円以上の個人消費がなされたときに財政出動を行うべきであり、したがって抽選時期は慎重に行うとともにこの事業による県産品販売額の目標値を示す必要があると指摘しました。
Bふるさと雇用再生特別基金事業(9億3,000万円)及び緊急雇用創出事業(9億1,000万円)
ふるさと雇用再生特別基金事業は1年以上の雇用の受け皿を新たに創造するため民間事業所等に事業を委託するもので、緊急雇用創出事業は6ヶ月未満の雇用確保のために県や市町が事業を実施するものです。
ふるさと雇用では、水産加工品生産・販売体制強化事業、エコツアー・コーディネーター育成事業等が実施され、緊急雇用では道路環境整備事業や河川空間美化事業等が実施されることになっています。
【これについて私は】
・ふるさと雇用再生特別基金事業と緊急雇用創出事業とともに、個々のぶらさがる事業において1人の雇用創出のためにかかる経費が前者においては年249万円から年416万円と相当の開きがあり、後者においても月11万円から月44万円と開きがあることから被雇用者1人当たりの標準単価を設立し、バランスの取れた形で最小の経費で最大の効果(雇用創出)を生み出すよう事業構築の再検討を指摘しました。
C中小漁業緊急保証対策
事業内容
(@)事業対象者
漁獲高の減少、燃油等減量価格の上昇、利益率の低下が一定の要件を充たしている
中小漁業者及び水産加工業者
(A)融資枠
120億円 利率1.8% 保証料0.45%
(B)代位弁済等への助成
貸し倒れ時に元金分の100%を助成
貸し倒れ時に利子分を全額助成
【これについて私は】
・融資機関・保証機関ともに貸し倒れ時のリスクを100%取り除いているのであれば 融資機関・保証機関ともに借り受け者の立場に立って審査をし、借り受け者にこれまでの事業において負債があっても経営再建意欲が認められる者には積極的に融資をするよう各々の機関に県が積極的に指導すべきであることを申し述べました。
D水産部及び農林部関係繰越事業
平成20年度事業で今年度に繰越した事業が水産部関係で74億4415万6千円、農林部関係で47億7306万1千円となっています。
この原因は事業決定の遅れや計画・設計及び工法の変更、地元との調整に日時を要した等が述べられました。
【これについて私は】
・公共事業の採択においては事業計画が十分に審査され決定されるのであるから、事業の実施年度において計画等の変更があるのは事前の現場での調査や関係者との協議がなされていない証左であるし、また同じく事業の実施時において地元との調整に日時を要したなどというのは現場第一の計画・調整がなされていないことを露呈しているものであり、事業実施の手続過程において問題が大きい。
特に、経済危機対策として公共事業の前倒し発注が至上命題のようにいわれている時にこういう状況が毎年続くことは許されないことであり、事業実施のあり方を十分検証すべきであると指摘しました。
E大学等発ベンチャー創出事業に係る調査特別委員会(百条委員会)の設置を回避しようとした立石暁前副知事が長崎県信用保証協会の会長に就任していることの問題について
F第11大栄丸の沈没事故に対する県の対応について
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