長崎駅前商店街の振興策と長崎交通産業ビルの取扱いについて、次のとおり質問しました。
- 長崎駅周辺土地再整備と長崎駅前商店街の振興との連動性
長崎市中央部・臨海地域の都市居住環境整備基本計画の一環として、長崎駅周辺エリアの整備計画が示されている。
それによると、社会資本整備総合交付金等を活用して実際の事業として進めるのは、国道206号の南側一帯において、駅前広場、多目的広場、都市計画街路等のみである。長崎駅前商店街はゾーニング(都市計画などで、各地域を用途別に区画すること)の中には位置づけられているものの、長崎駅から西坂・諏訪の森方面への歩行者動線の整備と駅前商店街の活性化という項目が挙げられているだけである。また、長崎駅前商店街組合と長崎市が策定した「長崎駅前商店街組合活性化計画」との連携を図るとなっているが、その活性化計画によれば、例えば最近始めた、“えきサイド祭り”などのソフト対策が主で、全体的な魅力アップのためのハード整備の計画は何ら示されていないのが現状である。
駅舎が現在より南に150メートル移転し、その前に駅前広場等の空間が整備されると、必ずJR等の大手資本によって新たな商業施設が整備され、陸上交通の玄関口である駅前商店街の賑わいが黙っていては大きく失われていくのは必定である。
もとより、各個店や商店街組合の自助努力で魅力度アップに取り組まなければならないことも当然だが、自分達がリスク負担しながらやるべきことと、公共がそれに関わって連携してやること、あるいは公共が専らその役割において実施することを、この際、地元としっかり議論して中身のある計画をつくることが大切だと思う。長崎市だけに任せるのではなくて、県も参画し役割分担することが必要だと思う。
黙っておれば、県外資本の1人勝ちになる。新幹線の建設によるストロー現象のひとつとして表れる。そのことを踏まえて答弁をお願いする。
- 県営バスターミナル機能の移設に伴う長崎交通産業ビルの取扱い
そこで、駅前商店街の振興や駅周辺市街地の活性化のためには、長崎交通産業ビルを新しく生まれ変わらせることが不可欠だと私は考える。
長崎交通産業ビルを新たにリフレッシュして、商店街や周辺市街地の活性化のコアにすることなくして活性化は図れないと考えている。
既に交通局において、県営バス等のターミナル機能を移転することが公表されたが、ターミナルの1日当たり利用人員は、本年4月現在で約4900人。つまり、移転によって1日5000人もの人の流れが全く無くなってしまう。
交通産業ビルは昭和38年11月に建てられ、築49年が経つ中で耐震化もなされていないし、維持補修をしなければならない所も多くある中で、かなり我慢して使っているという現状にある。
地下1階・地上6階の建物のうち、地下1階から中2階までは交通局の所有、2階から4階までは県の所有、5階は9団体が入る民間の所有、6階は長崎市の所有となっている。つまり、県と交通局が建物の維持のために切り売りをして何とかもたせてきたというのが実情である。それだけに、県・市が区分所有しているフロアーに入居している施設や事務所は、物産振興協会が県産品を販売しているコーナー等一部を除けば、何も長崎駅前という立地条件があればこそだという意味合いを持つものでもない。
もっと言えば、あの一等地は行政が使うというのではなくて、経済的に生産性のある土地利用をすることが地域振興の観点からは何より大事だと思う。
この古びた建物から魂を抜き取ったまま、これまでのように非生産的な利用をダラダラと続ける一方で、国道から南側の一帯だけを再開発し、しかも県外資本の独占場になるようなことにしてしまえば、まさに対照的な構図が生まれる中で長崎県民・市民から、県・市は一体何を考えているのかと批判されることは間違いない。
交通産業ビルの建て替えについては、まさに時期が到来したと言えると思う。
この際、事業内容や事業主体、事業手法等を検討する関係者による場を作ってオープンな論議を進めるべきだと考えるが、明確な答弁を求める。
※ 本件に関連した記事については以下をご覧ください。
長崎駅前商店街の振興 (平成25年6月掲載)