県議会文教厚生委員会での議論
―長崎県病院企業団の取扱い―
長崎県病院企業団への県からの助成費として計20億9783万円が予算計上されています。
この予算内容はともかく、予算審査にあたっての前提条件や予算執行及び病院企業団の各種意思決定に関する県議会の関わり方等について大いに異論があります。
即ち、県は病院企業団の構成メンバーであることはもとより最大の財政支出を負担し、病院本部の運営に携わる職員も県から出向させ、いわば県主導で病院企業団を運営しています。ところが、県議会としては限られた資料だけで県負担分についての当初予算の審査と決算審査を行なうだけであり、各病院の再編整備についての計画決定など、重要案件について審査する権限を有していないことです。
先の、いづはら病院と中対馬病院を再編し、新たないづはら病院を新築する問題で、病院企業団での入札執行方法に不備があったために不落となり、大きな混乱が生じました(※)。こうした事態について、県議会として事前には審査できず、事後に参考人として招致して審査し、意見を述べることしかできません。
私としてこの件に対して多々意見を述べてきたのですが、病院企業団としては自らの企業団議会で決定することだからとして、十分聞き入れてはきませんでした。こうした場合に、県議会としてこれを是正する方途を持ち得ていないのです。
県以外の病院企業団構成市町においては、自らの財政負担や企業団議会の議決案件に対する自らの立ち方について、事前にそれぞれの議会で審査しています。
その一方で、ひとり県のみが、病院企業団を地方自治法上の一部事務組合として認めている以上関与を控えるべきだ、との主張はそのまま容認することは出来ません。
こうしたことから、私の提案により文教厚生委員会として執行部に対し、次のような申し入れを行うことにしました。
長崎県病院企業団に関する申し入れ
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病院企業団への県費の支出に際しては、通常の予算説明書等の他に病院企業団の全体予算及び事業計画書等を添付資料として提出すること。
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毎定例月議会の文教厚生委員会において、病院企業団の業務執行等の内容・進捗等について、別途項目をとって詳しく報告すること。
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文教厚生委員会の審査における意見は、病院企業団の構成員である県としての立場において十分尊重するとともに、文教厚生委員会の意見の多数と病院企業団の考え方が異なる場合は、乖離を極力埋めるよう努めること。
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これらを掌管するため、病院企業団と県との併任職員の配置を積極的に検討すること。
※ 本件については以下を参照ください:
対馬新病院建設に係る県病院企業団の対応のまずさ (平成25年2月掲載)