民主党 たかひら元 長崎県議会議員 高比良 元(たかひら はじめ)オフィシャルサイト 
プロフィール マニフェスト 県政リポート 活動トピックス メッセージ お知らせ ご意見・ご依頼 リンク集 活動記録
HOME 県政リポート >> 9月定例長崎県議会総務委員会
たかひら元の県政リポートをご報告します。

9月定例長崎県議会総務委員会 (平成19年10月掲載)
(2)「中期財政見通しに基づく財政構造改革の取組み方」についての
   比良元の指摘等


 歳入歳出の差引きで毎年300億円のマイナスが見込まれるような状況であれば、当然に非常事態となる。このうち歳入が交付税・国庫支出金ともに減少していく中で、歳出に占める義務的経費のシェアーが変わらないということに大ナタを振るうことが肝要である。
その取り組みについて提案する。

『公債費について』
 近年、地方交付税の不足を臨時財政対策債で補填しているから、公債費の償還額が変わらない。また、償還債でつないでいるが、償還の一時期延ばしにしかならず、事態の改善にはならない。
そこでイギリスのコンソル公債のように、いわゆる永久公債を発行し、現在の償還分をこれに借り換える措置を講じてはどうか。
永久公債は、償還時期を明示しないものであるが、利息は当然支払う。市場性を有するから債権者は元金を回収したければ売買すればいいので損はしない。また、償還を長いスパンで行うので、償還財源を確保するために他の所要経費を圧縮する必要がなく、行政サービスの水準を落とすことがない。つまり誰も損はしない。公債費が全体で1兆1,000億円になる現在、こうした措置がとれるよう制度改善を行うことが不可欠である。

『人件費の圧縮について』
 これまで退職者不補充や給与表の見直し等により改革を進め、今後も130億円の削減を目指そうとすることは評価する。
しかし、人口1万人あたりの職員数でみると、本県は31.2人で岡山県の23.6人などと比較するとまだまだ改革の余地が多く残されているのではないか。民力度や財政力は、全国で最下位グループ、人口減少率では全国でトップグループといった実体の中では更なる圧縮が求められている。職員定数の決め方を下からの積み上げ方式でやると中々削減は進まない。本当に財政が危機的状況にあれば、人件費を歳出の一定枠に抑える枠組み先行の方式をやるしかないのではないか。もし、それが難しいというのであれば財政対策の観点におけるワークシェアリング的発想が必然になる。いずれかが不可欠である。

『普通建設事業の取り組みについて』
先ず、公共事業について
 これまで国庫支出金が減少していく中、中期財政見通しの与件では平成19年度と同額としているが、その中には住民ニーズの高いものと必ずしもそうでないものが混在していると思う。たとえば、各省庁が予算を確保せんがために、本県に予算消化・事業実施を求めてくるものがないか。受益者一人当たりの投資額をみた場合、他の事業のそれと比較し余りに均衡を失するものがないか。B/Cを財政的視点と当該政策分野におけるその事業の寄与度、位置づけからみて、投資額が大きすぎるものがありはしないか。そうした観点からみる限りにおいて、これから一定期間例えば漁港整備をはじめとする沿岸漁業構造改善事業や漁港整備事業、基盤整備事業、特に県営土地改良事業、広域農道や広域基幹林道建設事業等については見送ることが必要ではないか。
また、道路予算の場合、本県の場合、離島振興の一括計上予算での道路整備が優先され、かつ、本土の道路整備費との間に中敷きがあり融通性がないために受益者やニーズの高い本土の幹線道路の整備が中々進まないという現状がある。一方で、離島の生活関連事業の中での道路整備のウェイトは年々下がってきている。従って、少ない予算をうまく使うという観点からこうした従来からの制度を今こそ撤廃するよう国に求めることも肝要である。

単独事業について
 県の役割の特長を市町村のそれと比較して端的に表せば『専門』、『総合』、『広域』、『補完』である。単独事業予算の少ない今こそ一定期間それに徹することが必要である。例えば、普及・啓発事業は、基本的に市町村の事業であり、県が旗振り役をやっても実際住民には届かず事業効果の面でも薄い。市町村の後方支援をすることが大切である。一方、産業政策のように、県がイニシアティブをもたなければ成果が上がってこないようなことに県事業は特化する。そうした住み分けを明確にする中で、事業評価し単独経費を大胆に見直していくことが必要である。
人を配置すれば、人件費や物件費の他に事業を持たせその経費がセットになってくる。これまでそうした積み上げによって人件費がふくらみ、一方で事業予算も拡大してきた。事業として実施していく枠組みを明確にしていくことが何より肝要である。
また、これから加速する人口減少社会を見据えた施策のあり方、事業のあり方を考えていかなければならない。経済規模が縮小することで歳入は当然減少するわけであるから、フローについては縮小せざるを得ない。
個人が金のかからない生き方をしていかなければならないのと同様、自治体の公共サービス提供のシステムも金のかからないシステムに転換せざるを得ない。例えば、高齢者福祉を財政のシステムの中に組み入れている現在の制度は早晩根本から見直さざるを得ない。都市整備についての手法も見直さざるを得ない。そうしたことを念頭に置いた事業の整理、組み立てが求められる。

               ※ 長崎県中期財政見直し〔平成20年〜24年度〕        (単位:億円、%)

表


県政リポートトップへ戻る
たかひら元政務調査事務所
〒851-0402 長崎市晴海台町2-9 TEL/FAX 095-892-1825
Copyright © 2006-2012 TAKAHIRA HAJIME OFFICE All rights reserved.