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フィリピン(マニラ)視察報告 (平成29年8月掲載)
フィリピン(マニラ)視察報告

 フィリピンでの本県企業が起業するにあたっての投資環境や経済規制、並びにフィリピンからの技能実習生の受入れ条件等を調査するため、フィリピンのマニラを8月3日から8月8日迄の6日間訪れました。

 先のインドネシアやベトナムに引き続き、長崎県が掲げるアジア国際戦略において、具体的な海外展開の仕組みをつくるための独自の先行調査です。

 具体的なヒアリング内容について以下に記します。


訪問先一覧

 ・ JETORO(ジェトロ)マニラ事務所 ⇒調査の概要
 ・ JICA(ジャイカ)フィリピン事務所 ⇒調査の概要
 ・ 駐フィリピン日本大使館 ⇒調査の概要
 ・ みずほ銀行マニラ支店 ⇒調査の概要
 ・ IDC(イサハヤ電子)フィリピン工場 ⇒調査の概要
 ・ 人材送り出し機関 AL-ALAMIA international Manpower Services ⇒調査の概要
  等


JETROマニラ事務所

<対応> 石原 孝忠所長、中島 紳行次長
<概要>
○ アジアの中で展開先が一番有望なのがフィリピン。
 ベトナムに展開しようとしている企業は本当にベトナムを理解しているのか?
 ベトナムに展開したのはいいが、オペレーションでかなり苦しんでいる。
 中国も人件費が高騰し、オペレーションができていない。中国は国内市場を相手にしないとやっていけない状況になっている。
 ベトナム人は中国人そのもので似たもの同士の喧嘩をしている。
○ フィリピンは英語ができる、平均年齢が若い、識字率が高い、学校教育もなされている。
 英語が公用語になっており、契約書や公的文書、法律文などは全て英語。
○ 人口の約9割はキリスト教(カソリックが主で、プロテスタントはほとんどいない)となっている。
○ 大統領は一期6年、再選禁止。
○ 約7千の島がありインフラ整備されていないといわれるが、マニラ地域だけをとってみると他国と劣っていない。
○ マニラ首都圏には1,288万人、その周辺をあわせてマニラ地域では3,000万人の人口がある。
○ きれいな人口ピラミッドを形成しており、平均年齢も23才といわれており、アジア各国と比べても一番将来に亘って人口ボーナスが続く国である。
○ 経済規模は2004年からの10年間で約3倍になっており、今後の予測では更に伸びるとされている。
 2020年にはタイと同規模の経済規模になると予測されている。
○ マニラ首都圏(1,288万人)の1人当たりのGDPは8千ドルを超えている。
 マニラ周辺地域(1,700万人)の1人当たりのGDPは3千ドルを超えている。
 あわせてマニラ地域(3,000万人)の1人当たりのGDPは5,000ドルを超えることになり、消費地としての魅力も兼ね備えている。
○ 1,500を越える日系企業が進出しており、そのうち1,000社を超える企業は輸出産業。
 外資は4年間(条件が整えば6年間)の法人税免除があり、その後、30%の法人税が半分の15%に減免される。
 原材料、製品、製造機械などの物の出入りは関税がかからない。
 ここ2、3年で消費地としてのマーケットに変わってくると考えられる。
○ アジアの他の国に比べ賃金の上昇率が高くない。最低賃金は比較的安定している。
○ 自動車の販売台数は今年は40万台を超える予定であり、あと2年でマレーシアに追いつくといわれている。
 2輪車の販売台数は100万台ちょいであるが、昨年は25%増、今年は40%増の伸びを示しており、2輪車市場は活況である。ヤマハはスクーターを市場に投入してバカ売れしたため、ホンダも今年に入って市場に投入した。
○ 輸出の5割が半導体(エレクトロニクス)製品。食品加工業も多い。
○ コールセンターでは世界No.1。オフショアでのソフトウェア開発も多い。アメリカのバックオフィスとして活用されている。
○ ジェトロでは年2回展示会を開催している(食品、農産品関連と省エネ技術関連(販売代理店・エンドユーザー向け))。展示会とあわせ、ビジネスマッチングのアレンジも行っている。
○ インドネシアのような過激な労働組合はほとんどなく、労使関係は良い。
○ フィリピン人は意外に真面目、親日である。
○ 最近はサービス関連の相談がかなり増えている。
 
JICAフィリピン事務所

<対応> 伊藤 晋所長
<概要>
○ フィリピンは、以前は海外への出稼ぎ経済といわれたが、現在は投資が経済を牽引している。
○ ITBPO(インターネット、ビジネス、プロセス、アウトソース(インターネットを使ったビジネス))がアメリカ企業からのアウトソースを中心として急成長している。
○ 背景には国民の英語力の高さと人件費の安さ、加えて国民の平均年齢は23才で人口増加率が毎年2%(合計特殊出生率3.6)と若い人達の労働集約型産業を支えるバックボーンがある。国民性は明るく、コミュニケーションがとりやすい。
○ オフィスビルの建設ラッシュとなっており、これを囲むコンドミニアムのマンションやショッピングモールが相次いで建設され、ドゥテルテ大統領はビルト、ビルト、ビルトのかけ声をもとにインフラ整備に力を入れている。GDPは毎年7%成長。
○ 住宅投資部門で日本企業の進出が相次いでいる。
○ フィリピンの物流の基本は船。これまでは日本から中古の運搬船や漁船を購入していたが、技術を上げ、国内生産をする方針を打ち出し、日本からも常石造船(広島)などが既に立地している。
○ フィリピンは電力料金が高いため省エネ製品についての需要が高い。そのため電子・電気の製造メーカーの立地が進んでおり、従来他国からの部品を輸入し組み立てる方式のものから一貫生産体制の工場生産が主流になろうとしている。
○ 長崎からの投資を考える場合、中小造船の建設分野、電子部品の組み立て分野が狙い目である。
○ 中小企業の起業化について各種の段階に応じたJICAの支援制度があるので積極的に活用して欲しい。
 
駐フィリピン日本大使館

<対応> 安川 学書記官、寺田 憲治一等書記官、小林 篤三等書記官
<概要>
○ 3Aクラスの日本の高級牛に対する需要が高く、鹿児島県、宮崎県からの輸出が大きなシェアを占めている。
○ フィリピンへの牛肉の輸出のためにはフィリピン政府に対して「Accreditation Questionnaires」に基づく資材及び関係書類を添付して申請を行う必要があり、そのためには日本の国内法のと畜場法、食品衛生法等に基づく証明書を得る必要がある。
○ 農産物の輸入についてはリンゴ、ナシ、米の品目に限られており、残念ながらビワの輸入はできない。
○ 鮮魚についても輸入はできない。
○ 日本への技能実習生等の送り出し機関は多数有り、これまでの実績等についてはTITUKOの報告書を参考にされたい。
○ 介護分野についての技能実習生については日本の国内での受け入れができていないことから、フィリピンの労働省においても脱法行為が行われないよう、目を光らせている。
 
みずほ銀行マニラ支店


<対応> 河野副支店長、山田日系営業課長
<概要>
○ 日系企業約1,500社の拠点があるが、最近は伸び悩んでいる。
 日系の製造業の有名どころはほぼ進出してきている。
○ 輸出型の国ではなく貿易赤字の国である。出稼ぎでの外貨収入でなんとか黒字を保っている状況。
○ 経済規模はゆっくりじわじわと右肩上がりである。
○ GDPの7割が消費であり、国内の消費(小売業)が注目されている。
○ 賃金上昇率が高くなく、10年前から比べると他の国は2.3倍の上昇であるが、50%程度の上昇である。
○ 設計やコールセンターなどアウトソーシングの場所として注目を集めている。
○ 人の財産を使った事業IT、小売、飲食、不動産関係が注目されており他のアジアと比べて若干経済状況が異なる。
○ 日本へはフィリピンの正確な情報が入っていかないので、日本でのイメージはあまり良くない。
 治安が悪いと言われるが、普通に暮らす分には危険な目にあうことはほぼない。
 極めて親日。日本は最大のODA国。
○ アメリカを真似した法律、食事などが比較的多い。
○ 英語でのコミュニケーションがとれるので、労働確保が比較的容易。
○ 法律面、規制面ではまだまだ後進国。
○ 首都があるルソン島でGDPの7割を占める。
○ 大統領の出身地のダバオがあるミンダナオ島は親日ではあるが、治安があまり良くない。
○ 10人に4人が10代で子供を産むといわれている。
○ フィリピンペソは他のアジア通貨対比で安定的である。理由としては、海外から出稼ぎ者が年間3兆円分のドルを稼いで送金してくるため。
 人口1億のうち1千万が海外に行ってGDPの10%を稼いでくる計算になる。
○ ワーカーの賃金水準は上昇率が5.6%であり低い水準である。
○ 人口構成がピラミッド型であり、「人口ボーナス」の恩恵を受けやすい国である。
○ 自動車販売台数は2015年まで4年連続で過去最高を更新、2015年は30万台を突破。日本車のシェアは8割、トヨタが4割、三菱が2割弱。
○ 大統領は経済に明るく、インフラ整備がスピーディ。来年1月頃には具体的な政策が見えてくると思われる。
○ みずほ銀行マニラ支店では進出検討から現地法人設立、進出後までサポート体制を作っている。
○ 財閥系の企業とのコネクションもあり、パートナー企業探しなどの対応も可能。
○ 視察後の企業の8〜9割はこの国は行けると手応えを感じるようである。
○ 島が繋がっていないので、物流の面では難しい点もあるが、地道にやれば右肩あがりでやっていけるポテンシャルを持っていると思われる。
 
IDC(イサハヤ電子)

<対応> 下釜社長
<概要>
○ 1996年に進出してきた。当時は日系企業は3社程度。現在は106社。
○ 人件費の上昇が比較的ゆるやかである。
○ アヤラ財閥グループのIMI社の協力により生産を行っている。
○ 具体的には、イサハヤ電子が設備、製造ノウハウを提供し、IMI社が自社の建屋、施設、人材を使って、製造する方式。
○ イサハヤ電子は、製造に従事する人件費や家賃などを支払うのではなく、製造された品物を購入するという仕組み。
○ 製造した部品は日本、香港、シンガポールに輸出している。
○ 保税区同士での取引は可能なため、将来的にはフィリピン国内での取引も検討している。
○ IMI社の従業員への製造ノウハウの指導等のためイサハヤ電子側で18人の従業員がいる。日本人が3人、フィリピン人が15人。
○ 宿舎、食事の提供はなし、ただし、シャトルバスで送迎は行っている。食事も食堂があり1食50〜60ペソ(100〜120円)で食べられる。
○ 事務は日曜日は休みの週休1日、土曜日は半日。工場は24時間、土日も稼動しているため、ワーカーは3交代制での勤務(6‐14時、14‐22時、22−6時の3交代制)。
○ 大型休暇としては、クリスマス休暇(2〜3日)と3月末〜4月中旬に2〜3日の休みの年2回。
○ 当社がやっているようなIMI社に100%正規雇用にしなさいという通知もでている。
 これまでは6ヶ月の有期雇用で5ヶ月目に次期計画を立てて、継続か雇い止めかを考えていた。
 さらに、新しく入った人から調査(雇い止め)をするようなルールもある。
○ フィリピン人通訳は、日本語を書いたり、読んだりは苦手であるため、語学の知識をある程度身に付けてからフィリピンでの展開を行った方が失敗が少ない。
○ フィリピン人の気質として、人に対して優しい、相手を喜ばせようと努力する。
○ そのため、話し合いはシャンシャンと終わるが、実際には違うということがある。
 
人材送り出し機関 AL-ALAMIA international Manpower Services

<対応> Lilli Anjanette L.Suarez
<概要>
○ 日本には農業分野、家事労働分野、水産分野への技能実習生を多数送り出している。
○ 農業分野では鹿児島県が最も多く、家事労働分野は首都圏が多い。
○ 日本の管理団体(受け入れ機関)と協定を結び、必要で最適な人材を送り出し日本での生活実態についても個々的に把握している。
○ 長崎県が今後、各種分野で技能実習生の受け入れの拡大を求めるならば十分協力できる。

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