1月11日に茂木地区で開催された成人式で来賓の一人として挨拶しました。その原稿を以下に紹介します。
新成人ばかりでなく、多くの方々が夢を持ち、自分自身をそしてこの国を変革していく気概を持っていただければ幸いです。
新成人の皆さん、ご成人おめでとうございます。
人生、いまや90年になりなんとする中で、皆さんの未来は洋々と開かれています。
どうか自分を大切にし、未来に向かって堂々と歩みだされることを心から願っています。
ただ、これまで皆さんは幸運なことに平和なうちに暮らし続けることができました。
また、国全体としては一定の強い経済力を持ち、国際社会の中では高い経済水準のもとで暮らしてきました。
しかし、そうした社会基盤が黙っていては続かない。そして、これまで経験したことがないような時代が確実に迫っています。
テロや民族間・宗教間の紛争、あるいは武力により外交力を誇示しようとする動きは、局地的な戦争にとどまらず、世界規模の戦争にたちまち拡散する恐れが迫っています。
平和なうちに安全で安心できる暮らしを確保するには、国民一人ひとり、とりわけ若い人たちが覚悟をもって声を上げていかなければなりません。
時代が大きく転換する要因のもうひとつは、急激な人口減少社会の到来です。
仮に、これから子供を増やすことができたとしても、これまで長年のつけによってこれから50年間は確実にそして大幅に我が国の人口は減少していきます。
そのことで何が変わるか、また何が起きるか。
大きく見て、ひとつは我が国の経済をけん引してきた大企業の大量生産が立ちいかなくなり、産業構造を大きく転換していかなければなりません。
二つには、年金や医療保険をはじめ、社会保障制度が音を立てて崩れ落ちることが予見されることです。金のかからない共助の仕組みや社会を構築していかなければなりません。
こうした非常に難しい時代に入っていくわけであります。
しかし、皆さん。私たちの先達はいつの時も知恵を出し、協力し合って難局を乗り越えてきました。みんなが力を出し合い、頑張ることでわが国は新しい時代の確かな幕開けをすることができると思います。そのためには、特に若い皆さんが夢を持つことが大切です。
吉田松陰の教えに、
「夢なくば理想なし、理想なくば計画なし、計画なくば実践なし、実践なくば成果なし、故に夢なくば成果なし」
という言葉があります。
この言葉をどうか頭の片隅にでも置いていただければ有り難いと思います。
皆さんの未来が幸多かれと願い、挨拶に代えさせていただきます。