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たかひら元の活動状況をご報告します。
第14回の長崎元気塾を約50名の参加により開催しました  (平成24年4月掲載)
 今回は、中華人民共和国駐長崎総領事の李文亮氏に『長崎と中国の新たな戦略的互恵関係』について講話いただくとともに、塾生で長崎ウエスレアン大学講師の加藤久雄氏に中国・韓国からの留学生が中心になって作成した島原半島の観光マップを素材としながら両国との交流促進について語ってもらいました。

 李総領事は長崎の総領事館に赴任して1年9ヶ月でしかありませんが、長崎県政の動きや長崎の実情について詳しいだけでなく、中国と日本の利点や問題点等を中立的・客観的な立場に立ってコメントする信頼できる人物です。

  ※ 右上の写真は李総領事の、右下の写真は加藤久雄氏の講話の様子です。

 李総領事の講話の概略を以下に記します。

1. 日本の貿易収支は世界的にはマイナスだが、中国との貿易高は震災前と比べて15%アップで日本にとって中国が貿易相手国として第1位になっている。
将来的には経済の相互補完関係はもっと密接なものになる。
今年、日本・中国・韓国の間で投資協定が事実上調整されたが10年前には考えられなかったこと。

2. 長崎はこれまで中国・韓国との交流はあるが、それ程経済の実績はなかった。
しかしこれからは増大することが期待される。
鮮魚がブランド化して輸出されているが、取り組みのスピードが早く、今後さらにマーケットが拡大していくだろう。

3. 中国経済の第2次中期5ヵ年計画を立てたが、これまでの成長率重視から質を追求する方針に転換しており、環境保全や省エネ等がキーワードになってくる。この分野で中国では50兆円の市場がある。
これは日本が先進国でビジネスチャンスがより広がることになると思うが、長崎にも優れた技術をもった企業が多い。
中国の沿海地方の市の緑化事業を長崎の企業が落札したが、その成果が素晴らしいために当該市では他の緑化事業も含めて、その企業に委託することになった。
また、福州市の上水を改善する取り組みも行われているが、水質改善の技術を長崎の企業が提供している。

4. 上海航路が就航するようになったことは喜ばしいことだが、中国の旅行者の大半は同航路を利用したくても利用できない状況にある。
なぜなら、日本が中国に旅行する場合はノービザだが、中国人が日本に旅行する場合はビザが要る。
韓国、台湾人はノービザ。
しかも中国で日本へのアウトバウンドの指定された旅行社は一社だけになっている。
ビザをとるには銀行預金の残高証明や1人当たり5万元の保証金の納付が必要であり、こうした障害を取り除かなければ中国人の日本への旅行は増えない。
日本の法務省や警察は10年前と同じ目線で中国のことを見ていることが最大の問題。
中国人のこの間の大きな変化は思想解放であり、日本政府の思考を変えないと真の戦略的互恵関係はない。

 以上のようなことを熱っぽく語り、大変示唆に富む講話をしていただきました。

 また、加藤氏は、韓国語・中国語の両マップを作成するにあたって、それぞれの留学生に着目点が違うことが興味深かったことや、マップの活用、今後の取り組みの拡充、さらには長崎県の国際化戦略等について、こちらも熱っぽくお話していただきました。

 次回の第15回長崎元気塾は5月下旬の開催予定です。
 多くの方々の参加をお待ちしています。

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