障害のある人もない人も、共に暮らしやすい社会づくりを推進する条例(障がい者差別禁止条例)の制定に向けた障がい者の皆さんとのタウンミーティングを10月15日に開催しました。
条例の制定に向け、先ずは差別にあたると思われる事例、そしてその時、健常者からあるいは社会からどういう配慮が欲しかったかを率直に語ってもらい、そうした事例をなくすために必要な措置を条例の中に規定しようという趣旨です。
参加者は約50名。肢体障害、知的障害、精神障害、それぞれに障害の内容は違いますが、ご自身が受けた痛い思い、許してはならない行為が率直に語られ、健常者が考える差別と障がい者が感じる差別が随分と違うこと、虐待的な措置がかつては行われ胸を打ち砕かれるような思いをさせられたこと、悪意による差別というよりは合理的な配慮に基づく措置が欠如していることによる結果的差別がなされていたこと等、沢山のことを改めて知ることができました。
障がい者基本法などでは、障害を理由とする差別をしてはならないとしています。
しかし何が差別にあたるか、その行為規範が明確にされなければ、差別は決してなくなりません。
即ち、差別ということが個人の良識に委ねられている限りは、差別はなくならないのです。
むしろ差別をする側と差別をされる側での対立も生まれます。
ですから、個人の良識に委ねるのではなく、何が差別にあたるのかということについて、県民共通の物差しを作ることが大切です。
日常生活を通じて、行為類型毎による客観的な行為規範をつくる。
そのことが、障がい者が能動的に社会に参加、あるがままにその人らしく暮らしていける社会づくりにつながっていくと考えます。
この条例が制定できるまでにはまだまだ多くのハードルがありますが、障害のある人もない人も共に暮らしやすい社会づくりのために、全力で邁進する決意です。