
カトリックの修道女キアラ・ル−ビック女史がキリスト教の教えを背景とした「共有の経済」という論理を提唱し、労働や福祉はもとより、まちの運営自体を住民の協力による自治社会として実践しているイタリアの地方都市にマリアポリ(マリアの住む所)という場所があります。
このマリアポリを視察し、まちのなりわいやそこに暮らす人たちの価値観や生きざまに共鳴した人たちがその思想の普及をねらいとしつつ、家族的な交流を行う集いが年に一度世界中で開催されています。

わが国では、広島以西のエリアの人たちを対象にした長崎市内での開催と、広島以東を対象にした東京都内での開催がなされています。
長崎には毎年約200人程度が参加し、3泊4日の日程で班別のミ−ティングやワ−クショップや交流会やミサやその他いろいろな行事が組まれる中、寝食を共にする形で行われています。今年は佐世保市の青少年の天地で開催されました。
私は1日だけの参加でしたが、それでも他の参加者の人たちと自然に溶け合うことができました。キリスト教の信者だけでなく、他宗教の人、私のように特に宗教を持たない人、高齢者から子どもたちまで、また健常者も障害のある人もいろんな人たちの自由参加です。
美しい自然の中で黙想し、散策し、共に語らい、テ−マについてそれぞれが思うことを自由に発表し、また楽しみながら共同作業をする。 世代・職業・宗教を異にする人たちが一つの家族になるようなアットホ−ムの交わりのひとときを過ごす。何の違和感もなく、何か心が癒されるような充足感を覚える出来事でした。