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平成29年2月定例県議会・環境生活委員会での質疑A (松ヶ枝埠頭の2バース化)  (平成29年4月掲載)
 松ヶ枝埠頭の2バース化について以下に議事録(一部字句を修正)を添付します。
 

 
【比良委員】 いろいろありますけど、絞ってやります。2点だけ。
 1点目は、さっきもちょっと質疑があっていたみたいですけれども、松ヶ枝地区の再開発構想の検討事務費の1,620万円。
 先ほどもちょっと質疑がありましたけれども、そもそも、まちづくりのコンセプト、あるいは導入機能、施設機能、配置等を検討するというふうになっているけれども、具体的にどこからどこまでのエリアを対象としているのか、その位置と面積をお知らせいただきたいと思います。
 
【建設企画課長】 エリアについても検討の対象になろうかと思いますが、今想定しておりますのは、松ヶ枝の現在のターミナル付近から古河町の交差点よりももうちょっと北側というようなイメージでありまして、面積については計算していません。申し訳ございません。
 
【ごう分科会長】 地図か何かありますか。
 
【建設企画課長】 あります。
 
【ごう分科会長】 じゃあ、それをコピーしていただいたらわかりやすいと思います。
 
【比良委員】 そういう資料を出してくれ。どこをやるかというのが明確でないのに、今から1,620万円もかけてやりますなんて、こんなばかな話はないですよ。
 先ほどの課長の答弁では、例えば民間式の導入等もどうやって図られるかと、そういったことも視野に入れながら検討するという話だけれども、そもそも港湾整備においては、港湾法上、土地利用については港湾機能の拡幅という観点から、一定の土地利用の制限があるんじゃないですか。民間事業者の参入を促すというようなことで法的手続きを省略してやれるのかどうか、その点についてお答えいただきたいと思います。
 
【建設企画課長】 今、委員がおっしゃったように、埋め立ての目的に応じた土地利用というのは確かにあろうかと思います。そのエリアについてはもちろん港湾機能に特化した利用になろうかと思いますが、埋め立てた土地と国道との間、現在は何がありますかね。長崎バスとか税務署、それからいろんな商業施設、工場等が並んでいます。この辺も併せて再開発したらどうかというような考えを持っておりまして、そこの背後地の利用、臨港地区も併せてですが、それがどういうものになるかということを検討してみたいという内容でございます。
 
【比良委員】 そうすると、そこは港湾区域ではないわけだ。港湾区域ではない。通常の都市計画の用途地域が何か知らないけれども、そういうところまで含んだ、港湾区域の背後地も含んだ、あそこの一定のエリアについて、全体的な土地利用構想というか、都市再整備の構想というか、そういったものをつくろうと、それを建設企画課でやると、そういう意味ですか。エリアがわからないから、こういう議論になってしまうんです。答えてください。
 
【建設企画課長】 委員がおっしゃいますように、港湾区域、埋め立ててできる土地と併せまして、現在ある土地も含めた形でですね。先ほど面積を答えられなかったのは、場合によっては国道も含む、もしくは国道から山手側、南山手の下の土地、あの辺も含めてやったらどうかとか、そういったことがまだ定まっておりませんので、エリアについてはっきり今は申し上げられないところがございます。
 ただし、平成24年度だったと思いますが、そういうことに関して軽い検討をした部分がありますので、そういうことも念頭に置きながら今後進めていくことになるんですが、建設企画課でなぜやっているのかというようなニュアンスを感じたんですが、港湾の話と都市計画の話、はたまた、先ほど深堀委員からご質問があった、どこまでメンバーを入れるのかと、ちょっと多岐にわたるものですから、建設企画課で所管するということにしています。
 
【比良委員】 いや、建設企画課で所管するのがまずいと言ったわけではないです。相当大きな土地再整備の構想だねと、そういうふうなウイングになっているから、これは非常に大変な話だなと思ってお尋ねしているんです。
 今ある既存の施設の中で、いずれにしたって引っかかってくるのが長崎造船をはじめとする中小造船だと思うんです。これは総括質疑の中でもちょっと出ていたみたいですけど、基本的にこういう計画をつくっていきますよと。もっと言えば2バース化を進めていきますよというようなことについて、そういった今挙げた関係企業においては、基本的な理解というか、同意とまではいかんかもしれないけれども、協力をしていきましょうというような姿勢、コンセンサスとは言わないけれども、そこら辺はどうなっているのか、答えられますか。
 
【港湾課長】 委員がおっしゃった、松ヶ枝の2バース化に当たって支障となるであろう大きな造船所が2つございますけれども、この造船所につきましては、平成25年度に1回、港湾計画の改定をするということで、そういった造船所の方々に理解を当然得なくてはいけないと。実際、その計画に位置付けたところが地元が反対というふうなことでは困りますので、一応、計画に位置付けることに関しては造船所の方にはお話を差し上げて、事前には、協力をいただくというふうなことで、同意じゃないですけれども、ご理解をいただいた上で位置づけをしています。
 
【比良委員】 事前に話をして、一定、内々の基本的な理解が得られるだろうと、そういうふうな状況にあると考えていいということだね。
 そうすると、総括質疑の中でもあったけれども、中小の造船所にとってみれば、設備投資をやって、事業拡張をやりたいとか、そういうふうな意向もあるというふうな話だけれども、じゃあ、一方で県がやろうとすることについては内々、理解できないこともないというふうな話になっていると。
 どうもよくわからないけれども、じゃあ、今ある中小造船をどこに移転をしようと、そういう候補地を示した上で一定の理解が得られているんですか。場所はどこなんですか。
 
【港湾課長】 支障となる造船所の移転先地につきましては、当然かかわる造船所については今のままですと事業ができませんので、いずれかの場所において再建と申しますか、やっていかなくちゃいけないという中で、まだ事業化がなされていない中ではその交渉はできませんので、具体的な話は進めておりません。意向とすれば長崎港の近辺ということになっています。従業員の方々の通勤とかを考えると、やはりよそには行けないということがございますので、そこについて、いろいろ可能性のある候補地を提示しながら、地元といいますか、かかっている造船所の方々とは、事業化はまだまだ、いつになるかわかりませんというか、事業化のめどは今のところ、来年度なのか、再来年なのか、はっきりわかりませんけれども、引き続き情報提供を行いながら話をさせていただいている状況でございます。
 
【比良委員】 具体的な場所は現時点においては言えないと、ただし、県として、移転に当たっての受け皿はつくっていきますよといったことは条件で示しているわけだな。そういう認識でいいですか。
 
【港湾課長】 受け皿というのが適切かどうかわかりませんけれども、こういった候補地がありますと、そこだったら何とか再建できそうですねというふうな話はできています。
 
【比良委員】 そうすると、2バース化の進行の天井時期をいつというふうに見込んだ中で、現時点において、したがって、起業地内の支障物件の移転時期をいつごろだというふうに見込んで、この検討作業を進めようとしているのか。立ち方の話ですけど、これはどうですか。
 
【港湾課長】 今、我々が最速でお願いしているのは、平成31年ぐらいか、再来年ぐらいには事業化をしたいというふうにお願いしたいと思っているんですけれども、それから実際に事業に入って工事が完了するまでには10年近くかかると考えています。なんでこんなにかかるのかというのは、造船所の関係がございまして、新しく造船所を移転していただいて、事業を再建できた形で今の造船所を取り壊すという流れになってまいりますので、かなり時間がかかると思っています。それを踏まえながら、今回の再開発構想を検討していきたいというふうに思っています。
 
【比良委員】 できれば平成31年ぐらいには着工したいと、事業化というか。
 事業化という意味を、もう少しブレイクダウンして具体的なことを述べて。事業化という意味は何なのかということを具体的に噛み砕いて説明をしなさいと。
 
【港湾課長】 はっきり何年というふうには言えないんですけど、我々の希望でございます。直轄事業として、今現在、いつからできるというふうなめどは立っていませんけれども、クルーズ船が急増する中で、松ヶ枝だけでは容量が不足しますから、出島の岸壁もクルーズ船に対応したいと考えていまして、今、出島岸壁に泊まっている官公庁船を早く動かしたいというふうに思っています。それを動かすのに2年ぐらいかかりますので、それを見越した形で出島の方にクルーズ船を誘致し、なおかつ、パンクする状況も出てきますので、そのタイミングで何とか事業化できないかということをですね。
 
【比良委員】 そういうことを聞いているんじゃないんですよ。あなたはさっき、平成31年度ぐらいには事業化を目指したいと。その後、移転とか、そういう一環については10年ぐらいのスパンというか、インターバルの中で事業として進捗をさせたいという話があったから、平成31年を一応、現時点での目途かもしれないけれども、その時に事業化を図りたいと言われた。具体的に事業化というのはどういうことを指しているのかということを説明しなさいと言ったんです。
 
【港湾課長】 松ヶ枝の2バース化については、既存の岸壁の延伸と新たな岸壁、7万トン級に対応する、水深10メートル、320メートルの岸壁を南側に新設しようとしていますけれども、その新たな岸壁の新設工事について、国に対して事業化していただきたいというふうに考えております。
 
【比良委員】 だから、事業化というのはいろいろあるわけよね。計画をつくるところから始めて、そういったところも事業化と呼んだりするんだけれども、あるいは、実質的に具体的な、何といいますか、計画に定めた具体的な物理的工事が始まる前の準備段階としていろいろやるといったことも、ある意味事業化という話をするわけよね。だから、浚渫工事に入るというような、その工事に入れるような予算措置をするということでの事業化を国に求めると、そういった話じゃなかったかなと思うんだけれども。
 だから、目に見える形で何かをするということを仮に事業化というのであれば、それは何をやろうとしているのかと。要するに2バース化に向けての建設、始まったねというような形として事業化というのであれば、そこは具体的に何を指そうとしているのかといったことを尋ねているわけです。意味はわかるかな。私の質問の仕方が悪いか。
 
【港湾課長】 いわゆる事業化ということになりますと、予算がついて、それから調査、設計、補償額の算定とかやって、補償交渉からスタートするということを考えています。
 
【比良委員】 そうすると、国の予算化を図りたいといったところを目指したいという話だね。わかりました。
 そうすると、そう先の話じゃないよね。そこの計画をつくるというのもね。しかしながら、フィールドというか、かなり大きなウイングを持つような区域になると思うんだけれども、これは相当ねじを巻いてやっていかないと、なかかな大変じゃないかなというふうに思うんです。相手もたくさんいるしね。これは土木部の総力を挙げて取り組んでもらいたいと思っているんですが。
 そこで、さっき、実戦部隊として県、市、内部の話に、場合によってはコンサルというような話もあったんだけれども、じゃあ、そういう実戦部隊において、具体的な計画のデュープロセスというものをどういうふうにしようとしているのか、これを説明してもらいたい。
 
【建設企画課長】 今回、構想の検討に着手しまして、その後、どういう道をたどるのかというご質問かと思いますが、まず、構想ということですので、どういう土地利用が望ましいかということを検討していくことになろうかと思います。
 先ほど港湾課長が申し上げました2バース化の事業とは、ちょっと流れが少しゆっくり、時間があるわけです。事業化して、港湾の事業が進みつつ、どういう土地ができるかというのが明らかになってきますので、その時間を活用しながら詰めていくということになりますので、イメージとして平成31年に開発計画が確定するというようなことまでは想定しておりませんで、まずは平成29年、平成30年ぐらいで構想を固めていって、どういうコンセプトになるかとか、そういうものをしっかり固めていきたいというふうに考えています。
 
【比良委員】 ちょっと待ってね。何のためにやるかという話に、そもそもまた返っていくんだけれども、今の話をストレートに受け取ると、国際観光クルーズ船が着岸できる、着岸岸壁をつくることが2バース化であって、その背後地にある今の土地利用について、せっかく2バースかというか、そういうふうなものができるから、長崎にない都市機能であるとか、そういったクルーズ船の寄港地として、ゲートウエーとして、その土地利用を今の状況からさらに高度化していって、長崎の都市再整備につなげていこうと、そういう目的を持っているんですよという意味で、この計画をつくろうとしているのか。2バース化を図ると、そこはそこでやっていきますよと。だから、中小造船などの移転の問題についても基本的にそこの枠組みの中でやっていきますよということで、言ってみれば両輪建てというか、そういう形でやろうとしているのか。
 最初見た時には、ここを、こういうふうな計画をつくって土地利用の高度化を図っていくから、したがって港湾機能も充実させなきゃいかん。そこの狙いは2バース化にあるんだけれども、そういう形をもって本省というか、霞が関の方に訴えていこうとしているのかというふうな受け止め方をしたわけよ。
 今の話はちょっと違うね。違うね、やろうとしていることが。そこはどう整合性があるのか。
 
【建設企画課長】 私の説明がまずくて申し訳ありませんが、ある意味では委員がおっしゃるように、2バース化することによって発生する土地をこんなふうに使いたいということが、2バース化の事業に向けての呼び水になるものというふうにも考えておりまして、それは計画ではなく、まだ構想の段階をきっちりまとめてアピールすることが重要かというふうに考えております。
 先ほど私がご説明したかったのは実際の整備に向けての計画、具体的にどういう事業者が入ってくるとか、どういう施設にきっちりまとめるとかといったところについては、もう少し時間をかけてじっくり検討したいと申し上げたかったということでございます。
 
【比良委員】 そうすると、国土交通省に持っていくというか、そこは2バース化の必要性とか、緊急性とか、そういった通常の事業計画というか、それをもって協議をしていきますよと。そこに併せて、実はその背後地のところもこういうふうにしようという構想づくりをやっているんだと。港湾の今回の整備をすることの価値というか、意義というか、そういったことを、B/Cとは言わないけれども、こういったものがさらに付加価値として出てくるんだと。だから優先順位を上げてやってくださいよというような狙いを持っているんだというふうに理解していいのか。もう一度確認だけれども。
 
【建設企画課長】 今、委員がおっしゃったとおりでございます。
 
【比良委員】 基本的なスタンスがわかりました。
 そうすると、この検討作業をやろうとすることについては、少し時間的な余裕が感じられるような感じもするんだけれども、かといって、これは港湾の方が主体になるかもしれないけれども、中小造船の移転の話だとか、あるいは、絵を描いていくということについては相手方があるというところまで踏み込んでやるという話だから、相当な、さっき法に基づく適正手続きの話もしたんだけれども、関係する権利者というか、あそこを使っている人たちというのは、かなり基本的な理解、同意を得られるような、上手な根回しをやりながら、パブリックコメントもかけながら、法に基づく適正手続きは相当に慎重にやっていかないと、なかなか思いだけではできないことがあるから、ここはやっぱり長崎県として腹をくくって、そうやって進めるんだと。一部局、一セクションだけでやるんじゃなくて、長崎県としての総力を挙げた取り組みでやりたい、やるんだといったことを市とうまく連携をしながら、そういう枠組みの中で推進をするといったことはとても大事だというふうに思っているので、この辺についてはそういう立ち方というか、推進体制をつくった中でぜひ積極的に進めてもらいたいと思っているんです。
 南山手だとか、そういったところについても土地利用の高度化を図っていきたいというか、もう少しまちに磨きをかける取組として、こういうふうな土地利用であるべきだというような民間の人たちも既にやっています。大学の先生たちも入ったり、地元もいろいろ入ったりしています。そういったところとも連携をしなきゃいかんでしょう。いろんな、テーブルについてもらうべき人たちというか、権利者というか、あると思うので、先ほどのような推進体制をしっかりとつくってやっていってもらいたいと思うんですが。
 2バースの方の話は置いておいても、この計画のオーソライズというか、この辺はどれぐらいを天井として見込んでやっていきたいと考えているのか、そのことも含めて、体制づくりと合わせて、土木部長、技監でもいいよ、総括して答弁して。
 
【土木部技監】 この構想は、先ほど来説明いたしておりますように、クルーズ船が着く場所が南山手のグラバー邸、世界遺産があるところに着くという、観光面からも非常に大きなポテンシャルを持っているところでございます。
 なおかつ、クルーズ船の背後地の再開発がもしできれば、委員もご指摘のとおり新たなゲートウエーとして長崎の魅力を発信する場所になるというふうに固く思っておりますけれども、委員ご指摘のように、この構想につきましては高いハードルがたくさんあるというふうにも認識いたしております。
 そういう意味で、長崎市と密な連携を図りながら、どういった事業を取り組んでいけるのか、また、どういうふうなシステムであれば民間の企業が参入してくれるのか、さまざまな観点から検討してまいりたいと思いますので、今後とも検討の過程につきましては、また委員会にもご報告をさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 
【比良委員】 いつとか、エリアとか、そういったものをわかる資料を出してくれという話があったけど、今の技監の話はよしとして、そうであれば、我々としても、どういう進捗でどう動いているのかというのは当然関心があるし、議論していかなきゃいけない。ただ、たびたびにこっちからお尋ねをしてお答えをいただくという話ではなくて、どういう進捗で検討作業が進んでいるかということを承知していないと、いつのタイミングでどう議論すべきかということがあるので、そういう意味からは、計画策定について、現時点でいいからロードマップを出してもらいたい。そのことを委員長、ぜひ、よろしく取り計らいをお願いしたいと思います。

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