私はこれまでの総務委員会から、土木部、環境部、県民生活部、交通局を所管する環境生活委員会に久しぶりに移籍しました。告部局の政策課題や事業内容はこれまでに十分承知していますので、最初から議案、議案外の審査を問わず、執行部との論戦を交わしました。
また、同じ土木部で国際観光クルーズ船の2バース化を目指すための計画づくりについても、、ロードマップを示すことや移転対象企業等の取り扱いについて、多々指摘をしました。
この他、環境部では、国立公園雲仙の振興策やCO2の削減策、県民生活部では女性の就業支援策や県とNPOとの協働事業のあり方、交通局では設営再建計画に関して、長崎市内バス路線の拡充策などについて、時間を割き執行部に質しました。
以下、 海砂採取問題について、議事録(一部字句を修正)を添付します。なお、松ヶ枝埠頭の2バース化については、“平成29年2月定例県議会・環境生活委員会での質疑A”をご覧ください。
【比良委員】 海砂の採取問題について、まとめて、いろいろ議論をしたいと思います。
いろいろあるので、20分くらいですかね、1回。多分終わらないと思うので、また2巡目でも続けてやらせていただければと思いますが。
まず、区域外採取の問題。区域内採取であることが順守をされているということについての確認についてです。
県の海砂採取事務取扱い要領によれば、採取業者は、採取実績報告書等とあわせて、ディフェレンシャルGPSの記録紙、それと採取ポンプ稼働記録紙、これを監理課に提出しなければならないというふうになっているよね。
この提出記録については、誰がどのようにして、どれだけの確認作業を行っているのかといったことから答えてください。
【監理課長】 GPS記録の確認に関してでございますが、監理課の職員におきまして、採取船の持参稼働記録、これは採取した時期、採取した日、それからそれ以外の時も全部含めてでございますが、全てを提出していただいておりまして、その分で確認をさせていただいております。
【比良委員】 どれだけ、どのように確認作業をやっているのかと、そういう問いをしたんだけれども、今の話は全然中身がわからんたいな。しかし、それを言ってもしようがないので。
じゃあ、そういう確認作業をしている結果、これまでに区域外採取の違反採取という事例はありませんか。
【監理課長】 違反採取という事例は、皆無ではございません。ここ数年はやっておりませんが、必要に応じまして注意、勧告等を行った事例はございます。
【比良委員】 それはいつごろの事例ですか。
【監理課長】 違反事例につきましては、認可区域外の採取というところで、一番直近の事例につきましては、平成13年度の事例でございまして、処分内容としましては採取行為の停止3カ月間ということが直近の事例でございます。
【比良委員】 名前はふせますけれども、○○企業の○○船、これはたびたび区域外採取を行っている。内部告発が私のところに寄せられているんだけど、そういった通報を受けたことはありませんか、最近。
【監理課長】 直近の事例で一つ、まだ処分まで至っていないものがございますけれども、その件に関しては現在まだ調査中でございますので、こちらも控えますけど、委員のおっしゃった事例がそれと一緒がどうかは、ちょっとはっきりわかりません。
【比良委員】 調査中ということだね。
どうもね、この問題もいつも、もやもや、もやもやしているんですが、採取業者は、採取予定日の前日に、採取許可をした地方機関に、予定内容を書面で提出をしなければならないとなっているね。そうであれば、内容の適正を確認するために、時々抜き打ちで、漁業取締船などを使って監視をすべきではないかというふうに思うんですよ。
佐賀県は、そういうことをやっているでしょう。既に実施をしていますが、そういう考えがないかどうか、いかがですか。
【監理課長】 違反事例が、先ほど申し上げましたとおり、直近で調査中の事例は1件ございますが、ここ数年はずっとしばらく、その前は平成14年から、問題となった事例はございませんでした。14年以前は、1年に1〜2件程度、ずっとあっておりまして、GPSでの義務付けを平成12年以降行っておりますが、それ以降は違反事例等も大幅に減ってきていると認識をいたしております。
今後また、この違反事例がどうなっていくのか。仮にこれがまた頻繁に出てくるような状況になってまいりましたら、またそこは検討いたしたいと考えております。
【比良委員】 ディフェレンシャルのGPS記録紙というのは佐賀県も提出を求めているんですよ。ポンプの稼働記録、それも同じように求めている。その上でなおかつ、さっき言った監視船というか、そういったものを運航しながら、採取区域外での採取がないかどうか、その順守が図られているかどうかということをなおかつ確認をするんです。
どれだけの作業をして実技報告書等を検証しているのかといったことについてはよく承知をせんけれども、ただ、そういう事例が過去にあったり、いろいろ何かもやもやした話がいろいろ出てくるというような状況に鑑みた時に、ここはやっぱり内容の適正を期すために、やっぱり監督権者であるわけですから、時々はそういった措置をするといったことは、やることはやぶさかではないというふうに思うんです。このことについては、ぜひ前向きに検討してもらいたい。このことは強く要望しておきたいと思います。
それで、次に総量規制の問題です。これは、さきの11月のこの委員会で、大久保委員からも質問があっています。その席で監理課長は何と言っているかというと、限度量の検討委員会で、現在は270万立米、平成29年度、平成30年度は250万立米が決定をしていると。来年度に検討委員会を開いて、平成30年度以降の限度量を定めることになると、そういうふうに答弁をしていますね。
質疑の論点は、執行部自らが認めている県外への搬出分が多すぎると、実際は6割近くにもなっている、これをもっと削減すべきではないかということですが、その前提として監理課長自らが、海砂の許可、採取量については、県内需要に見合った適正な採取量を確保するというのが基本的な考え方だと言っているわけです。そうであれば、県外搬出が6割もあるということを認めて、許可総量を決定をしていることは明らかに矛盾しているじゃないですか。
そもそも海砂採取の事務取扱い要領では、採取限度量の決定に当たっては、県内必要量を確認の上行うものとするとして、採取した海砂は県内供給を原則とすると、そして供給量を規制することを明確にうたっているじゃないですか。違うんですか。そのとおりでしょう。
なぜ、自ら定めた運用基準に反することを自らやるんですか。これは、行政行為として不適当だと言わざるを得ないと思うんだけど、その辺についていかがですか。
【監理課長】 委員おっしゃったとおり、現在は270万立米でございまして、平成29年度と平成30年度は250万立米まで減らすことになっております。
このことを決めましたのは平成25年度に開催いたしました限度量検討委員会でございまして、このメンバーにつきましては大学の教授、それから有識者、海砂を取っております市町の首長さんたちが入っておりますが、その中でもいろんな意見がございまして、一つは最終的には、基本的に委員ご指摘のとおり県内需要に見合った分というのは当然基本的な議論として、考え方でございますが、採取業者の経営上の激変緩和ということも当然考えないといけないといった事情もございまして、現在は250になっております。
そういった中でもまた、今後の県内需要ということに関しての議論もその中であっておりまして、今後は逆に、平成29年、平成30年と大型工事の影響等もございまして海砂の採取が増えてくるといったところもございますので、最終的に、現在6割近くが県外に出ておりますが、その割合は、270を250に落として県内需要が増えれば、6割という数字は基本的に上がってくると考えております。
また、最終的には県内需要に見合う分だけに、またさらに改善を進めないといけないと思いますけれども、その分はまた、次の限度量検討委員会できちんと議論はしてまいりたいと考えております。
【比良委員】 その限度量検討委員会で決定したと、そこの有識者等のフィルターを通して、だから適正だという議論、そういう議論はやめてくださいよ。
何となれば、あなたたち自体、要するに自身、知事部局として、この海砂採取の問題については県内供給量を原則とするというふうに明確にうたっているじゃないか。それでも、そううたいながら6割近くは県外に搬出されている。そのことを仮に、限度量検討委員会の中で、事務局をあなたたちが務める。その委員の先生たちは第三者が来ているのかもしれないけれども、説明の仕方ですよ。基準としてこうなっているんだから、基本的にその真中で一定のアロワンスは仮に認めたとしても、需要量の変化があるから認めたとしても、そんな6割も県外に搬出をされているという状況を認識した中で、自らつくった運用基準を破ってもいいなんて話はありませんよ、そんなことは。
佐賀県は、全く県内需要だけに限定をしたでしょう。瀬戸内海の隣県6県というのは、全部、全面採砂を禁止しているわけよ。
林地開発にしたって、これは、その許可を下す時には、流末処理をきちんとやりなさい、法面はしっかり保全しなさい、あるいは、その土地の形状を変更した時には、その安全確保対策をしなさいと、そういったことが許可条件として付されるわけですよ。
ところが、海の問題はどうなんですか。激変緩和、それは採取業者、一定の業者の利益を確保するための、そういう方便でしかないですよ。
その結果、海が荒らされる。海が死ぬ。漁業がなくなる。漁場が死ぬ。水産資源が大きく損なわれる。海区環境が大きく変化をする。漁業者の操業についても、まき網を切られて、実損が大きく出てくる。
こういったことをやりっぱなしして、かけがえない海、水産資源、これを壊してしまうということについて、どういう認識を持っているんですか。
やるなとは言いませんよ。骨材が必要ですから。そこは、自ら定めた運用基準に基づいたところで適正な運用を図るべきじゃないですか。
今、監理課長は、需要が伸びるかもしれないが、6割というところのシェアは減るかもしれない。それは屁理屈だよ。需要が伸びるんだったら、そこのところを代替骨材の開発も含めたところで、どこまでの限度量をするかと。あくまでも県内需要が原則だと。そこに立った中で、なぜ、議論をしないんですか。
激変緩和?、こんな屁理屈はないよ。
だって、県自らが認めてつくっているんですから、枠組みを。そこをないがしろにして、今言ったようないろんな、県民にとって本当に大切なものが棄損されてしまう。一方では大きな不利益が生じてきている。ここに目を伏せたままに、今までこうだったからというやり方を、それが続けられるという正当性の根拠は何なのか。おかしいですよ、他県の取り組みから見ても。ずっと積み残しているじゃないか、このことは。
少なくとも、この4月から新たに限度量検討委員会を設置する、そこで議論するというんだったら、今、指摘をしたようなことにしっかり立脚をした上で、限度量を定めてください。
委員長、これはお願いしておきますが、その検討委員会の作業が始まりますから、そこでの作業内容、いろんな意見、出たことについては、必ずこの委員会に報告をするといったことで、そういう措置をとるようにお願いをしたいと思います。(「異議なし」と呼ぶ者あり)
それを踏まえた上で、継続して質問していきます。
3点目、今度は過積載の問題ですよ。要するに個別規制の問題です。これは最高裁で争われた裁判事例が近年あっていますよね。
海砂の採取、さっき言った事務取扱い要領、これに基づく確認方法、これについて、そういった裁判例を参考にしながら、採取時の写真を貼付をして、採取量を積算をするという方法が新たに導入をされました。それはそれでいいです。
しかし、そもそもの問題として、プッシャ―バージ船で、満載の喫水線の定めのないものについては、海砂採取船の登録規定に関する内規で、ホールド数量をもって登録積載量と長崎県はしていますよね。そういう取扱いをやっているよね。そして、そのホールド容積の算定については、海事検定協会等の鑑定書によるものとするとしているわけです。
そこで、まず、内航海運業法で定められた内航総連合に届け出た重量トン数、すなわち営業登録トン数が積載限度量であるべきだというふうに思うんですが、県のホールド数量は、それをいずれも大きく超えています。超えている。それは、罰則規定まである内航海運業法にふたをしていることになるのではないか。
この内航海運業法との整合性について、まずお尋ねをします。
【監理課長】 申し訳ないんですけれども、内航海運業法等の整合性の関係につきましては、十分承知をいたしておりません。
【比良委員】 これは全くおかしか話さ。内航海運業法では、さっき言った内航総連合に届け出た重量トン数、すなわちこれは営業登録トン数として積載限度量ということに明確にうたわれているんですよ。法律だよ。
国が所管をしてやっている。監督官庁はそっちだからということで、そこは知らぬ存ぜぬ。自分たちとして、海砂採取の事務取扱い要領というか、そういったことを独自に定めて、そこは全然違うことだと。こんなことが許されるものですか、行政として。そういうことをやっているから、いつもいろんな問題が出てくるんじゃないですか、過積載の問題について。
それと、今、監理課長は知らないと、よく承知していないと言ったけど、平成12年以前は、営業登録トン数の届出書をわざわざ提出させているんですよ。それを平成13年に変更して、要らないと言った。自分たちだけ独自にやりますと言ったんだ。
どう考えたっておかしい。法律で決められた枠組みがあるにもかかわらず、そのことは、それは法的手続きを省略して、ふたをしている、私に言わせるとね。そして、自分たちだけ独自にやると。
その結果、通常認められないような量まで積載ができる。たくさんの砂を取られてしまう。それを認めている。おかしいじゃないですか。
そしてね、佐賀県の例ですけど、佐賀県では、荷揚げをした時に、外郭団体が積載量を確認をするということまでやっているんですよ。報告書を取るだけではなくて、わざわざ第三者が、過積載がないかどうかということについても確認をするという仕組みを導入してやっているんですよ。そこまで厳しくやっている。
こういうこともやっていないでしょう。過積載の問題について、どう考えているんですか。
【監理課長】 過積載の問題は、基本的にあってはならない事態だと考えております。
過去には、例えば、そういったことで処分をした事例もあったかと思いますけれども、委員おっしゃったとおり、前委員会で報告いたしました裁判のケースもございましたので、そこをできるだけ正確に把握するようにというところで、実際に登録積載量をベースとしまして、計算書の提出、写真の提出等、そういったところの提出基準を厳しくいたしているところでございます。
【比良委員】 まず、その確認については、他県がやっているように、そういう書類の提出をさせて、それを検証するというだけではなくて、荷揚げの時に外郭団体が積載量を確認をするという方法までとっていると。だから、そういったことまでしっかり取り組んだらどうかといったことを言っているんですよ。要らないと言っているわけか。
どうもね、さっきの総量規制の問題にしても、この問題にしても、既存の在り方というか、もっと言えば、既存の採取業者の権益を守らんがために立っているような、そういう気がしてならんのよ。
だって、総量規制は全くおかしいでしょう。この過積載の問題にしたって、内航海運業法では明らかに営業可能登録トン数というのが定められているにもかかわらず、それを上回るものを認めているというやり方はおかしいじゃないか。だから、さっき言ったような、そういう認識に立ってしまうわけですよ。
それと、さらに言うんだったらば、内航海運業法、これでは自家用船では営業行為を行うことができないとなっている。
また、あなたたち自体が定めた海砂採取の事務取扱い要領、これでは、採取資格者は自己の責任と負担のもとに、採取から販売まで一貫して行うものでなければならないと、そうしていますよね。一貫して行うものでなければならないと。
これらの要件の具備性について、違反事例として県に通報があったと、そういうことはありませんか。
【監理課長】 こちらで把握している事例につきましては、認可区域外の採取以外の事例はございません。
【比良委員】 認可区域外での採取はないと、そういう話ではなくて、今言ったように、採取資格者は自己の責任と負担のもとに採取から販売まで一貫して行うものでなければならないという規定を定めているけれども、そうじゃなくて、採取者が中間販売業者に海上で売り渡しをしているとか、そういうことがままあっていると、ここに違反しているじゃないかというような通報事例がないかと聞いているんですよ。
【監理課長】 一応、そのような通報事例につきましては、把握をいたしておりません。
【比良委員】 たくさんきていますよ、自家用船でやっているって。このことについても、よければ、次回また資料を提出しながら議論をしますよ、そこまで言うんだったらば。
監理課は、あなたが知らないかもしれない、課長は知らないかもしれないけど、担当の班の中で、担当の職員としてどうなのか、その辺をよく調査をしてみてください。
とりあえず、時間がきたから、また2巡目でやります。
【比良委員】 それでは、午前中に引き続いて、海砂の問題について質疑を行いたいと思います。
まず、3メートルルールの問題。これについてもさきの委員会でも同じく議論になっています。採取方法として、海砂採取事務取扱要領によれば、掘削深は3メートルを超えてはならないというふうになっているわけです。それで、さきの委員会で、監理課長の答弁だけれども、昨年度から今年にかけて、特に、壱岐の海域等についてモニタリング調査をやったと。そして、その検証のために有識者会議をこの年度末までに3回開催し、検証結果を報告してもらう。そういったことを含めて、土木部として、水産資源の問題、海区環境の問題について、常にずっと関心を持ってチェックを続けてまいりたい、そういうふうに答弁している。間違いないですね。
それでは、有識者会議の前回の委員会のアップの進捗はどうなっているのか、まずそのことからお尋ねをします。
【監理課長】 3回目の委員会につきまして、今週3月10日に開催予定でございまして、その段階で委員の皆さんの合意がとられましたら、最終的な県に対する提言として取りまとめられることになる予定でございます。
【比良委員】 さきの委員会の中ではまだ1回しか開いていなかったけれどもということで、今回は1回開いているわけですね。さらに2回目を。そして、来週、3回目があるという話ですね。
委員長、これは開催内容についての資料を委員会に出してもらうように、そのお取り計らいをお願いしたいというふうに思います。
そこで、委員長にお許しをいただいて、パネルを提示したいと思うんですけれども、監理課長は見たことがあるかもしれないけれども、これがFBS福岡で放映された時の画像の一部です。まず、海砂採取をしていない区域の底質というのは、こういうふうなきれいな状態です。それで、とったところというのは、こういうふうなでこぼこになっている。これは一目瞭然です。そして、実際の採取した区域の海底の状況はどうなっているのか。これはソーナー探知機でずっと調べている水深43.6メートルあるところを撮った画像です。こういうふうにでこぼこになっている。これを拡大すると、もっとこういう状況になっている。これは計測をすると、今言った3メートルどころの比じゃないわけです。あるところによっては10メートル以上の掘削深になっているという状況が如実にあらわれてきている。これはどういうもので撮ったかというと、音波探知機で計測をしているわけです。このことがFBSでも放映をされている。
しかも、なおかつ、こういうふうな状況もあるんです。砂を採取した後、いろいろ不要物、それを捨てるという形で、こういうふうに海上投棄をやっている。こういうことは本来許されない。これはどの船かというと、ちゃんとわかっている人に言わせると、すぐにでも判明する、そういう船です。こういう状況にあるわけです。
そうすると、モニタリング調査やった、有識者会議も開いているという話であるが、まさに今出したような状況であれば、午前中も言ったけれども、例えば、まき網とかそういう漁船が操業をやろうとしたら、一刀両断に網なんかひっかかって損傷してしまう、漁はできないという状況は明らかだと思うんですが、この3メートルルールの運用のあり方に関して、ある漁業関係者の申し立てと、それに対する監理課の担当職員のメールが出されている。そのコピーが私の手元にありますが、そのメールによると、3メートルルールは一回の許可を行う場合の規制として取り扱っているので、海域管理条例違反を問うためには、一回の許可で3メートル以上掘削されたことを立証する必要がある、そういう趣旨が書かれています。
そこで、まずそのメールの発信は個人の見解なのか、長崎県の見解なのか。もし県の見解というなら、担当者がメールで答えるというやりかたは、文書発信のやり方として間違っていると思うんです。何となれば、文書管理規定があるわけですが、そのことも踏まえて、個人の見解か、長崎県の見解か、このことも含めて答弁をしてください。
【監理課長】 メールで申請人のほうにそういった連絡が行ったということでございますが、3メートルルールは一回の許可でという考え方は、これは県の基本的な考え方としてございまして、それは担当者の意見ではございません。
それで、メールでしたということに関しましては、それは必ずしも適切ではなかったかというふうなご議論もあろうかと思いますが、恐らく、担当者としましては、例えば、電話でお伝えしますと、いろいろ言ったことが正しく伝わらなかったりして誤解を招いたりするかもしれないと、そういった意味で、県のルールをきちんと正しくお伝えをするために、メールという手法を通じてしたのではないかと考えております。
【比良委員】 文書管理規定というのはメールの場合でも活かされているんですよ。わかっているだろうが。それは対外的にきちんと行政判断をした時に、それを伝達する、そこの発信者というのは誰かというと、そこのセクションの長がするんですよ。基本的に。そういうやり方で放置しておくから、そういうやり方に準拠しているから、さっき言ったいろいろな通報事例だとか、あるいはいろんな問題について、きちんと上まで上がっていかない。もやもや、もやもやした状況がいつまで続いている。この辺はやっぱり組織として仕事をするわけですから、きちんと見做していないで改めるべきは改めるというふうにしたらどうなんですか。
そのことをとやかくここで言うのが本旨じゃないから、それは指摘だけにとどめますけれども、それじゃ、3メートルルールは一回の許可条件である、これは何の法律に基づいて、そういうふうな運用基準を設けているのですか。何の法律に準拠してやっているんですか。
【監理課長】 本県の場合は、一回の採取の許可について3メートルということでルールを決めておりますが、これは県の海砂採取事務取扱要領で定めをいたしております。ただ、法的な規制がきちんと全国共通であるわけではございませんで、この3メートルルールに関しましても、例えば、九州各県それぞれ取扱いの内容も違うところです。
【比良委員】 内航海運法に準拠しているわけではなくて、言ってみれば、県が裁量の中でそういうふうな規定を自ら設けているというだけの話ですよということですね。
そうすると、3メートルルールは一回の許可条件であって、同一の場所で次回の許可をまた得れば、さらに掘削深度を下げることができるというのであれば、まさに3メートル規制の根拠としてこの間も述べられた、部分的な掘削による急激な海底地形変化が海域環境に悪影響を及ぼすおそれがあるため、これを防止するために運用している、そういうふうに前回の委員会で監理課長は述べていますね。まさに、それは自ら定めたことですが、取扱いのやり方全体からみれば、まさにそういった根拠を示しながら、その言っている根拠に反するようなことをやっていると言われても仕方がない状況じゃないですか。要するに、規制を設けた趣旨あるいは根拠と運用が全く矛盾をしているんじゃないですか。だから、さっき言った、こういうふうな大変な状況というのがつくり出されているんじゃないか。言っている意味、わかるよね。
したがって、この際、掘削深度3メートルは第1回の許可時の海底を基準とするというふうに明確に改めたらどうですか。考え方を問いたいと思います。
【監理課長】 まず、許可の期間についてでございますが、12カ月以内で、最低でも2月以上ということでございまして、一般的には、半年ぐらいを許可期間とするのが通常でございます。
その許可に関しまして、採取を認めている以上は、その3メートルルールが、一回許可すると、その後も、それを超えてはいけないということに関して、適当かどうかということに関しては、そこは慎重に考えなければいけない部分かなと思います。
【比良委員】 あなた自ら言っているんだよ。部分的な掘削による急激な海底地形変化は海区環境に悪影響を及ぼすおそれがあるため、これを防止するために、その3メートルルールを運用している、そう言っているでしょう。そうしたら、第2回、その半年後とって、第3回、また翌年とって、その半年後またとっている。同じところを幾らでも掘れるわけです。海底地形の変化というのは、こういったものを防止するために、水産資源を保護しましょう、海区環境を保全しましょうということで一定設けたのでしょう。やっていることが違うじゃないか。もし、それを変えないというのだったら、県民に対して、海底の砂を3メートルずつ繰り返して幾ら掘っても水産資源や漁業や環境に何か影響はないんだということの立証責任がある。できるのですか。説明責任を果たす必要があると思いますよ。どうなんですか。
【監理課長】 そういったご意見もあろうかと思います。そういったことを踏まえまして、掘削深3メートルを超えないと本県は決めておりますが、そこのあり方がどうかということに関しては、これは他県の状況等を踏まえて、そこは今、改めて見直すべきかどうなのかという点も含めて検討しているところでございます。
【比良委員】 来週開くという話だけれども、この委員会で強く、そういったことが議会のほうから、委員会の中から、議員から強い指摘があったと、そのことは十分踏まえた中で、その有識者会議、メンバーもよく知らないけれども、十分に県民のほうを向いて議論してもらう、そういう役割を監理課として果たす、そういったことを強く望みたいと思います。
それから次に、独占禁止法違反問題。これは平成28年4月5日付けで公共審第81号で通知があっています。その公正取引委員会からの通知に関して質問します。
内容は、独占禁止法違反につながるおそれがある行為が見られたので、独占禁止法違反の未然防止を図る観点から関係人に注意したといったことが文書で述べられている、公取委から出されています。その公取委への申請書には、違反の疑いがある行為者として、一般社団法人長崎県砂利協会、その会長さんと、あわせて長崎県知事が挙げられている。
そうすると、まず長崎県知事も公取委から注意を受けた、その名宛人になっている理解していいのですか。
【監理課長】 もう一度、質問をお願いしたいのですが。
【比良委員】 平成28年4月5日付け公共審第81号の通知があっている。それは独禁法違反の未然防止を図る観点から関係人に注意をしましたと、そういう文書です。それで、そういった措置を求めた申請書には、違反の疑いがある行為者として、一般社団法人長崎県砂利協会の会長、それとあわせて長崎県知事が挙げられている。したがって、この公取委の文書の名宛人に長崎県知事もなっているのかどうかということを確認したい、そう言っているんです。
【監理課長】 名宛人になっているかどうかの把握はできておりませんが、要は、その内容につきましては、砂利協会の中での砂利採取業者ごとの配分数量、そこを業者の中でそれぞれ話し合って決めているということに関しまして問題の指摘がございまして、そこは許可権者である県のほうで指導して配分すべきだといったふうな指摘だったと理解しております。
【比良委員】 全く違う。ここにこの文書がある。これを見たことないの。長崎県知事と、明らかに訴えられているんですよ。それをあなた、知らないと言うのか。しかも、その中身は、今言ったような認識の話じゃないですよ。それは長崎県海砂採取事務取扱要領の4の(2)、すなわち採取資格者は社団法人長崎県砂利協会の正会員であって、過去3年以内に長崎県内で海砂採取の実績を有する者として長崎県が規定をしている。公取委に対して、その撤廃を求めて申請をされたものです。こういう規定の縛りであれば、まさに事実上、本県における海砂採取の新規参入の道はない。しかも、本県の実態から見れば、特定の海砂採取企業の参加グループだけが業を独占する、利益を独占するという構図を認めているということになる。だから、公取委に対して調査の指摘がなされたんです。その結果として、独禁法に違反する。だから、まず注意をする、そういう流れになっている。したがって、これは公取委は独占禁止法違反の未然防止を図る観点から注意勧告しているわけですから、県として、この規定は撤廃する必要がある、当然そういうふうに考えますけれども、この公取委の通知をどのように対応しているのか、まず答えてください。
【監理課長】 公正取引委員会のほうから議員ご指摘のような文書につきましては、県は受け取っていないという状況でございます。
【比良委員】 受け取っていないと。受け取っていないから、全くこのことについては承知をしていないと、そう言うのか。だけど、ここで言っているのは、あなたたちが定めた海砂採取事務取扱要領の4の(2)、見てくれよ。さっき私が指摘をしたとおり、そういった取り決めになっていることが独禁法違反を生じさせている、そういう論拠なんですよ。換言すれば、県が定めている規定が、要するに、独禁法に抵触するおそれがあると言っているんですよ。あなた、今、知らないとかそういう話をしたけれども、かつて、こういうことを言っているんじゃないの。海砂採取は総量規制の問題があり、採取業者を限定する必要もあって、県砂利協会の意向に沿って運営されていると。また、採取海域における環境保全問題も取り沙汰されていることから、採取資格取得についての条件付きは問題がない、そういう発言をしてもらえないですか。
【監理課長】 すみません、それは私の前任の時の話だと思います。私はそういう答弁をしておりません。
【比良委員】 そうすると、前任の監理課長さんは、この公取委の問題について承知をしているわけよ。だからこそ、こういう抗弁を出しているわけよ。ね、条件付きで出すことは問題はないと。
それは、担当者が代わったって、県として当然一貫性のある話ですから、引き継がれている話でしょう。そういうスタンスでおるということだよ、土木部としては。公取委からの指摘がありながらもね。
そういうやり方というのはさ、解釈の仕方として、まったくね、もう県として都合のいい考え方というふうに指摘せざるを得ないと思いますよ。何となれば総量規制とか、個別規制とか、3メートルルール、今議論をしてきたけれども、これはね、一定、改善をしっかりやってもらわなきゃいかんという、そのことを指摘をしましたけれども、総量規制等の問題について、いつから、襟ば正さなきゃいけない、そういうことに反してね、今言った独禁法の問題については、エクスキューズするような言い方をする。全く筋が通らないじゃないですか、やっていることが。やっていること、全く筋が通らない。
もしね、もっと言えば、海砂採取業者の、先ほど言ったようなことで、前任者が言ったと紹介しましたが、前任者が言ったということらしいんだけど、僕が紹介したようなこと。もし、そういうふうなことをもって限定をする、その必要があるとすれば、砂利業界に一任をするというのではなくて、第三者による業者選定委員会を公式に立ち上げて、委員会による業者選定後に県で承認をする、そういったやり方の方がより公正で透明性が高いじゃないですか。なんで、既存の砂利採取業者だけに任せるというか、それでよしとして、何も問題ないというような、そういう立ち方をするんですか。全く筋が通らない、おかしいと思うんだけれども、どうですか。
【土木部次長】 ただいま委員のご指摘にございました独禁法との関係につきましては、事実関係をしっかりと、改めてしっかりと精査をさせていただいて、その上で適切な対応をしたいと思います。
それから、海域保全の環境の問題がございました。ご指摘がございました。それにつきましては今、有識者会議で、海砂採取による海域への影響がどの程度あるのか、砂というのはまた、自然のものですから、戻ることも、川からの流れこみによって戻ることもございますので、その辺の平坦化の状況があるのか、ないのか等について、今、有識者会議の委員の中でもしっかりと議論して、考えていただいているところでございますので、そういった第3回の会議で、そこら辺もしっかりと検討していただいた上で、一定の方向性を出したいと思っております。
それから最後に、一方で海砂の総量の抑制という方法もございますので、そことの調整もしっかりと図っていく必要がありますので、そこら辺も含めたところで、委員のご指摘を念頭に置きながら、しっかりと適切に検討、対応していきたいと思います。
【比良委員】 この3メートルルールについては、有識者会議の中で確かにおっしゃるように、掘削をしても、その後、言ってみれば自然の力によって原状回復すると、要するに治癒されると、そういう可能性もあります。だから、実際の水産資源の保全の問題について、どこまでが本当にできないことであって、あるいは一定アロワンスが認められるかということについて結論は出ていない。先ほど言ったような話もある。今言ったようなことも確かにある。
ところが、一方では、こんな海域の状況になった時には、これはやっぱり漁業操業の問題からしても、あるいは産卵場所という適性の問題からしても、これはやっぱり捨て置けない非常に大きな問題だと指摘する専門家の声もある。
そこのところで結論は出ていないけれども、しかし、基本的にやっぱり採取を認めるという許可権者というか、その立場においては、午前中にも言ったけど、例えば山の林地開発の場合には、一定その保全のために必要な措置が、必ず条件で付けられるわけですよ。ところが、海の場合は、こういうふうな状況になっても何ら措置がされていない。したがって、いろんな問題が発生しているということに鑑みた中で、本当に、水産資源の保護というか、あるいは海域環境の保全というか、そういった観点から必要最小限なものとして運用をしていくというのが本来の行政の立ち方ではないかと私は言っているんですよ。
限度量の検討委員会、有識者の会議、今からまだ続くという話だから、そのことはずっと追いかけながら、それをもとに議論をしていきたいと思いますが、今言っている公取委の問題についても、当然に承知をして、それに対する対応をとってしかるべきなんだよ。そのことが、自分のところには通じていない。そんなことじゃ、だめよ。正式に出されているわけだから。
多分、監理課長は知らなくても、担当の班のところでは、そういったことについては事実が通知されていると思いますよ。もっと組織的にきちんと、この問題についてはしっかり向き合う。
今、土木次長から答弁があったけれども、検証すると。
このことは、午前中からいろんなことを言いました。一貫して、取組が甘すぎる。おかしいと思うことが多々ある。それは、大義名分で言っている保全だとか、保護だとか言っているけれども、それよりは、まさに監理課長が言ったけれども、激変緩和だとか、今までやってきたことを、そこに準拠というか、どうも軸足を置いたようなやり方になってやっているから、弥縫策というか、取り組み方が全体を見た時に一貫性がないし、私が指摘するようなことについての配慮というのが足らない。その辺を十分に認識をして取り組んでもらいたいんだが。
最後に土木部長、総量規制の在り方、個別規制の在り方、それから採取区域順守の問題、そして内航海運業法との不整合の問題、それから今の掘削深3メートルルールの問題、独禁法の問題、そういったことを多々指摘をしてきたわけですよ。相当に県として、私は、業務を改善していかなければならない、待ったなしだというふうに思っているんですが。したがって次回も論議をしなきゃいかんというふうに思うけれども、まずは、今日の議論を聞いて、どういうふうに感じ取ったか、今の時点で結構ですから、部長の所信を述べてください。
【土木部長】 今、環境問題と法律に抵触しているんじゃないかという問題、2つありました。
少なくとも行政でやっているからには、法律をきちんと守ってやっていかなきゃいけないというのは当たり前のことなので、それはまず、きちんと中身をチェックさせて、今後どういう方向性があるのか検討させたいと思います。
それから、環境問題につきましては確かに、海域環境は非常に重要な問題で、長崎県の海域環境をどう守っていくかというのは、これは県の問題だと思いますので、そこも含めて、そういう問題をどう対処できるのか、今回、いろいろ検討することは課題がいっぱいあるので、検討する内容は時間がちょっとかかるかもしれませんが、そこはしっかりやらせていただきたいというふうに思います。
【監理課長】 先ほど、委員のご発言にありました中で、午前中に私が十分に答弁できなかった、内航海運業法に定める最大積載量との整合性の問題に関しまして、説明させていただきます。
これは、各採取船の内航海運業法に定める最大積載量は、これは重量ですが、重量ともそれぞれきちんと適正に把握をいたしております。その上で、それに対して海砂の比重を考慮しまして、最大重量トンから、最大積載量を割りかえして算出をいたしております。その上で各船舶の最大積載量を出しておりまして、整合はとれていると。その上で、登録積載量はその8割といたしているところでございます。
【比良委員】 あのね、全然認識が間違っている、それは。だからね、重量トン数と営業登録トン数というのは違うんだよ。そして、あなたが言うように1.6の比重で割ったところで、したがって、そのホールド容量で出していると、そういう言い方をしているわけよ。
そうじゃなくて、内航海運業法は基本的に、営業登録トン数でしか積載できないんだと、それ以上は過積載なんだ、罰則規定があるんだということを私は言っているんですよ。
そのことも含めて、もう少し検討するように。
【ごう委員長】 その件に関しては、また別の機会にもしっかりと議論していただきたいと思いますし、先ほど要請がありました、委員会の内容等についても、わかるように委員会にも提示していただきたいと思いますので、よろしく対応をお願いいたします。
では、ほかに質問もないようですので、これをもちまして、土木部関係の審査を終了いたします。