たかひら元 長崎県議会議員 高比良 元(たかひら はじめ)オフィシャルサイト 
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たかひら元の県政リポートをご報告します。

平成26年6月定例月議会一般質問 (平成26年7月掲載)
 平成26年6月定例月議会の本会議一般質問です。
 是非ご覧いただき、ご意見等いただければ幸いです。



質問事項一覧
  1. 県民所得向上対策について
       @ 県内循環の仕組みづくり
       A 製造業の振興
       B 観光の振興
       C 実質賃金の向上

  2. 県庁舎跡地の活用対策について
       @ 世界遺産センターの新聞報道
       A 長崎市の公会堂の代替建設
       B 長崎市との連携による新たな選択肢

  3. 長崎駅前の振興について
       @ 基本認識
       A 新駅舎からのアクセスについて
       B 交通産業ビルの建て替え
       C 駅前商店街一体の無電柱化

  4. 長崎市内の主要道路の整備について
       @ 外環状線
       A 国道324号
       B 主要地方道 野母崎宿線
       C 主要地方道 神浦港長浦線
       D 県道 長崎漁港村松線



1.県民所得向上対策について

 知事は県民所得向上対策として、平成27年度の経済波及効果額を第一次波及効果分も含めて、製造業、農業、水産業、観光業等、合計900億円とする具体的な数値目標を掲げている。
 目標額が高いか低いかは別として、具体的な目標を立てた以上は必ずその達成が求められる。
 そのために当然、年次別の取り組み方針と施策や事業のパッケージが編成されることになるわけであります。
 26年度当初予算にもそのことが示されている。
 つぶさに見せていただいたが、その中で気になることを申し上げ知事に答弁を求めたいと思うのです。

@ 県内循環の仕組みづくり

 先ず第一に、生産から最終消費までの県内での経済循環システムを幅広くつくる、即ち、広い意味での地産地消を推進することが非常に大切だと私は思うのです。
 そのために今我々は関係条例の制定に向けて作業を進めているわけです。これが何故大切かというと、それは産出額に占める中間投入額が非常に大きいからなんです。農業や製造業では純生産額より中間投入額の方が大きいんです。この大きな中間投入額について県内への発注額を高め、その分を県内総生産額に加えていく。
 このことは、各生産者の生産額を伸ばすというより即効性と安定性があり、かなり大きな額になるわけです。
 したがって県内循環の仕組みを多角的につくっていく必要があると思うが、知事どうですか。

知事答弁
 非常に重要なことだと思う。積極的に取り組んでいく。
 

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A 製造業の振興

 次に産業別でみるときには、何としても製造業を伸ばして製造品出荷額を高めなければならない。
 工業統計では、本県の従業員4人以上の事業所や従業員数は、対前年比でマイナスが多く現在全国38位、製造品出荷額合計も全国で36位に甘んじているわけです。  このため知事は新たに「元気なものづくり企業成長応援事業」等を実施しているが、現在までの認定企業は11社のみ、県内受発注のマッチングは10件で実績は7,360万でしかない。また三菱重工長崎造船所のような県内大手事業所の県内発注率は45%から52%しかありません。
 全体的にみて、地場の製造業がいかに育ってないか、体力がないか、浮彫になっている。
 長崎の総力戦でこの育成に取り組んでいかないと、こうした状況は変わらないと思うがどうか。知事にお尋ねする。

知事答弁
 県内地場の中堅の企業と中小零細の企業とのジョイントづくりをはじめ、総力を上げて取り組む。

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B 観光の振興

 次に観光の振興も県民所得向上対策の柱のひとつとなっているので、基本的なことについてお尋ねする。
 いま、長崎市長の提言するMICE(※1)施設に関する話題ばかりが取り上げられているが、その是非は今回とりあえず置くとして、仮にMICEがつくられたとしても、その活用のためには、アフターコンベンションやアフターエキビジションがセットになった売込みがなければ、全国から人を集めるのはなかなか難しいわけであります。
 また、MICEの中だけで来崎目的が完結するのであれば、観光消費額も伸びないのであります。
 IR(※2)施設はカジノだけではなく複合型のリゾート施設、即ち顧客に多様なサービスを複合的に提供する集合体を一体的につくろうということだから、行ってみたいと思わせる訴求力があるわけだし、観光消費額の増加も期待されるわけであります。
 したがって、MICE施設の有無に関わらず、やはり肝心なことは長崎が観光の目的地(デイスティネーション)となり得る素材をもっとアピールする、あるいは磨きをかけることが、人を呼んで栄えるまち長崎を標榜する限り不可欠なわけです。
 その意味で世界遺産の登録を目指すことは結構なことだが、従来から人が訪ねてくれるところのブラッシュアップをもっと行う必要があると思うんです。それが私としては他県・他都市と比べて長崎の取り組みは手ぬるいと思っている。
 併せて観光消費額をもっと増やすための工夫も足りない。例えば宿泊をもっと増やすために夜のエンターティメントをこしらえる。泊まったからこそ翌朝に楽しみを得られる。そうした仕掛けづくりが足りない。
 したがって、観光という切り口でそれを中心としてまちづくりを行っていくことこそが、新幹線の開業効果をより高めるためにもとりわけ大切だと思うんです。そのためには、地元の市町とも連携した具体的な個別の観光振興戦略をつくって、県としても積極的な一定の投資をしていく必要があると思うが、こうした基本認識について知事の所見を伺いたい。

文化振興局長答弁
 魅力ある観光地づくりを基本として取り組む。

 次にMICEに関する議論の中で、長崎市内の財界や大学が利用者の確保に自らも取り組むということが報じられているわけですが、そもそも観光客を増やすためには他都市のエージェントやキャリアに商品企画をつくってもらうという他力本願ではなくて、地元において自ら仕入れ部門をしっかりつくって商品企画や滞在プログラムをつくって売り出す。営業活動をするということが不可欠なわけでありますが、残念ながら現実はそうなっていない。だから折角の上海航路もビザ取得の問題も含めて失敗してしまった。
 東京や大阪の大都市でいくら観光宣伝をしても、そのために大手の広告代理店に高い金で業務を委託しても、砂漠にバケツで水をまくようなものなんですよ。
 その一方でわが国の大手旅行会社は、本県出身の福山雅治さんを使って台湾でビジットジャパンのセールスを展開している。その中に長崎は入っていないんですよ。
 何とも本県としての取り組みがアジア国際戦略を展開するとしながら歯がゆい思いをしているわけであるが、本県の観光振興のために受け地主導型の推進体制を思い切ってしっかり作っていくという考え方がないかお尋ねする。

文化振興局長答弁
 地元のエージェント等でインセンティブをつけた商品企画を沢山つくっていくよう促進したい。

※1 MICEとは、企業等の会議(Meeting)、企業等の行う報奨・研修旅行(インセンティブ旅行)(Incentive Travel)、国際機関・団体、学会等が行う国際会議(Convention)、展示会・見本市、イベント(Exhibition/Event)の頭文字のことであり、多くの集客交流が見込まれるビジネスイベントなどの総称です。

※2 IRとは、統合型リゾート(英称: Integrated Resort)の略称で、国際会議場・展示施設などのMICE施設、ホテル、商業施設(ショッピングモール)、レストラン、劇場・映画館、アミューズメントパーク、スポーツ施設、温浴施設などにカジノを含んで一体となった複合観光集客施設のこと。

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C 実質賃金の向上

 次に雇用者所得の実質賃金をいかに高めるかということについてであります。
賃金構造基本統計調査によると、常用労働者の所定内給与は平成25年で全国平均295,700円に対し、本県は243,600円と月52,100円も低い。
 新規就業者が県外に多く流れてしまう大きな原因の一つは、まさにここにあるわけです。
 加えて、4月から消費税は上がる、円安で消費者物価は上がる傾向にある、その一方でアベノミクスによって政府は企業収益は徐々に増加していると言ってるわけだが、こうした状況を踏まえて実質賃金の向上のために、知事としてどう取り組むのか。
 また、最低賃金についても全国平均764円に対し本県は664円で全国最下位という汚名を着せられており、その改善も急務なわけでありますが、これについての取り組み方も含め、併せてお尋ねする。

知事答弁
 経済界の皆さんと積極的に協議していきたい。

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2.県庁舎跡地の活用対策

@ 世界遺産センターの新聞報道

 次に県庁舎跡地の活用対策についてでありますが、実はこれから質問することとは別に、そもそも論として質疑したいと予定していたわけですが、そうした矢先まず、今月11日の新聞の一面トップに世界遺産センターをつくるということがいきなり報じられました。私どもには全くの寝耳に水であったので驚きをもって受け止めた次第です。
 それまで懇話会の議論や提言については丁寧に報告されてきたわけですが、肝心の具体策になったら議会にも何ら説明することなく、いきなり外部に発表する。
 いかに大統領制の地方自治であっても、こんな大事なことを独断で決めるのは二元代表制である議会との議論を閉ざすものではないですか。
 新聞報道後、所管課から決定ではないというような意味不明なFAXが送付されたが、決定ではないとするなら、何故こうした記事が報じられるのか。
 先ずは率直に答えていただきたい。

知事答弁
 世界遺産センターを県庁舎跡地につくると県の方で発表したことはない。

 県庁舎の跡地に世界遺産センターをつくると決定したわけではないと。
 世界遺産についてはセンターの必要性を踏まえ、7月以降に検討委員会を立ち上げ、施設規模、費用、場所等についての議論を行い、本年度中に基本構想を決定したいと、こういうわけですね。
 つまりあの長崎新聞の記事は誤報だということですね。

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A 長崎市の公会堂の代替建設

 それでは、それを前提に議論をしたいと思います。
 長崎市議会は公会堂の廃止案を可決しましたが、市は公会堂跡地に新庁舎を建設するとともに、市庁舎跡地に新ホールをつくるこれまでの方針を撤回し、県庁舎跡地に公会堂機能を代替する新しいホールを県と一緒に建設したいとして、県と協議していると市議会で説明している。 加えて、県に強くお願いし、県庁舎跡地でのホール完成を2020年度中にする見通しだとまで述べている。
 私は戦後復興のシンボルとして大変なエネルギーをかけてつくってきた公会堂を毀すことが、本当に長崎市民の理解を得られているか疑問なしとしないのでありますが、その公会堂の代替施設を県庁舎跡地に県も金を出して県市共同してつくるということが、これまた、我々議会を全くカヤの外に置いて執行部だけで独断的に決定したんですか。
 県庁舎跡地活用検討懇談会でも、会長自らがそういう話は一切無かったと語っているわけですが、一体どうなっているのか。
 市の言うようなことが本当であれば、余りにデュープロセス(正当な法の手続き)を無視した乱暴な話だと思うが、知事、長崎市とのこれまでの間のことを正確に述べていただきたい。

知事答弁
 長崎市からはこれまでそういった話は聞いていない。

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B 長崎市との連携による新たな選択肢

 3月になされた県庁舎跡地活用検討懇話会からの提言は、跡地施設の主要機能は多目的広場機能、歴史・情報発信機能・ホール機能を挙げていることから文化施設をイメージしているわけですが、その一方で、長崎市で検討されている新たな文化施設や駅周辺のMICE施設等、周辺施設との機能分担について十分配慮のうえ、都市再生中央エリアの中心を担う場所としてふさわしい活用となるように検討すること、ということが付記されているわけであります。
 また、県庁舎跡地活用検討懇話会の議論の出発点においては、市のMICE建設計画というのは無かったはずであります。つまり現実の与件が随分変わってきているんです。
 そのMICEについてですが、長崎市長はこれを土地の取得費も含めて270億円程度かけて建設すると言っている。
 これについて市議会の皆さんは、長崎市にはそんな財源は無いから県の財政支援を求めろと言っている、これについても知事には既に要請があっているかどうか知りませんが、仮に県としてこれも分かった、県庁舎跡地のホール施設も分かったとして、財政投資するなら長崎市内の文化施設にばかり県として大型の財政投資をすることになる。
 文化施設が悪いとは決して言いませんが、仮にMICEをつくるとしてその中には当然コンベンションホールが設けられる。これは大会だけでなく演劇やコンサートのホールとしても活用ができるようにつくれるはずなんです。いやそうしなければ勿体ない。
 そうすると、県庁舎跡地にもホール施設ができ長崎駅周辺にもホール施設ができる。
 巨額の税金を使ってですね。
 長崎市がやろうとすることにこの公の場で口をはさむことは内政干渉になるでしょうから、いいとか悪いとかいうことは差し控えますが、しかし、これに県が関わる、あるいは、県の資産を活用するということになるのであれば、我々としても黙っているわけにはいかない。
 すくなくとも長崎市がホール機能を持ったMICEをつくるというのであれば、この県庁舎跡地に同様の機能を持った施設を県も財政出動して、市と共同してつくる、あるいは、長崎市につくらせるというのは、県都長崎市の中心部の都市再整備のあり方として多面的な機能の高度化を図っていかなければならない中にあって、本当に県民・市民の理解を得られるのか、また行政としての賢明な判断であるのか、私として疑問なしとしないのであります。
 そして仮にMICEには県は関わらないとした場合でも、県庁舎の跡地にMICEが担う機能の一部と類似する施設を少なくとも県が用地を提供してつくらせるというやり方が、同じく県の都市計画のあり方として適切かということなんです。
 ここは県として慎重に考えるべきだと思うが、知事どう考えますか。

知事答弁
 県庁舎跡地問題検討協議会からの提言を尊重しつつ、多々の要素も加味して慎重に考慮したい。

 そこで私の私見を述べたいと思うが、私としては、県庁舎が移転する以上、この県庁舎の跡地には長崎市の新庁舎を建設するのが一番いいと思うんです。
 長崎市のまちの成り立ちと、この地がこれまでに果たしてきた役割、市中心部の人たちが県庁舎の移転に今でも反対する理由、そして県庁が魚市跡地に移転した場合に空き家になるのは本館だけでなく別館や日生ビルや県警の庁舎や新別館や様々に広範囲であること、そして何より県として新たな箱もの整備のために巨額の財政投資をしなくても良いこと、これらを総合的に考えるときは長崎市が予定している新庁舎を建設してもらうのが一番良いと思うんです。
 長崎市も玉突きのように、あるいは大型の箱ものをあれもこれもとやるのではなくて、ここは自らの財政能力において主体的にじっくりと考えてもらえばいい。
 今さら、そんなことを言ってもと言われるかもしれないが、まだ具体的には決まってないというのであれば、このことを検討の選択肢として俎上にあげることはできると思うんですが、この新たな選択肢について県・市で検討していくということについて知事の考え方をお尋ねしたい。

知事答弁
 これまで長崎市から、そういった申し出がない。
 今後、県・市で新たに協議機関を設置し、多角的に議論していきたい。

 以下の長崎新聞の記事(6月28日)もご覧ください。

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3.長崎駅前の振興

 次に県庁舎跡地の活用問題と併せて長崎都心部の都市再整備に関して、長崎駅前の振興にかかる具体的な取り組み方についてお尋ねしたい。
 長崎駅前といってもJRの新駅舎が建設される土地区画整理事業の区域ではなくて、長崎駅前商店街を中心とする区域の振興についてであります。

@ 基本認識

 先ず、基本的な認識についてであります。
 長崎駅周辺土地区画整理事業の施工地区を基本とする長崎市の長崎駅周辺まちづくり基本計画には、国道202号北側の大黒町・西坂町地区については、西坂・諏訪の森方面への回遊ルートの創出と商店街の活性化という文言があるだけで、具体的な整備計画は一切記述されていない。これに対して、国道から南の駅舎寄りの地区については、交流と賑わいの都市拠点を形成するとして、多目的広場の整備や新たな商業施設の立地等が想定されている。
 つまり、長崎の地場の資本でつくられた商店街を中心とする現在の表玄関の地区の活性化が、具体的な検討の俎上に上がっていないのであります。
 これでは長崎駅舎側の土地利用の高質化ばかりが図られ、仮にそこに県外の資本による新たな囲い込み型の大型商業施設等が立地されれば、長崎の地元の人たちの手によってつくられたまちは完全に疲弊してしまうのは目に見えているわけで、新幹線開業による地元経済のストロー現象(大都市と地方都市間の交通網が整備され便利になると、地方の人口や資本が大都市に吸い寄せられること)が端的に表れることになる。
 何のための新幹線開業かということになるわけであります。
 したがって、新幹線開業に合わせた長崎都心部、とりわけ国道202号に面する現在の長崎駅前地区の再整備による活性化ということについて、行政として当然に手を打っていかなければならないわけであります。
 ここは先ず、長崎市が主体的に考えていかなければならないわけでありますが、県としてもかかる観点から市の取り組みを後押しする、また、自らが直接権利者、管理者となっている事柄には、同様の観点をもって取り組むということが必要であると考えますが、先ずは基本的認識についてお尋ねする。

副知事答弁
 一体的に整備することが必要だと考える。

 以下の長崎新聞の記事(6月28日)もご覧ください。

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A 新駅舎からのアクセスについて

 それでは具体的に主要な問題についてであります。
 先ず1点目として、現在の位置から南側に約150mあるいはそれ以上移転する新駅舎から、駅前商店街に至るメイン導線は国道横断のあり方も含めて、現時点においてどのように考えているのか。
 地元大黒町のまちづくり協議会の皆さんは、一定の幅員を確保したうえで距離が長いので歩行に負担がかからないよう動く歩道の整備や、その空間自体の賑わいの創出を図りながら、駅前商店街に直結するよう整備をして欲しいと要望されているわけですがどうですか。
 国道は平面横断とするのかどうかも含めてお尋ねする。
 また、併せて駅東側地区、現在のアミュプラザ付近からの国道横断はどのような方法によるのかについても答弁を求めたい。

副知事答弁
 今後、県・市・JR等で詰めていく。

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B 交通産業ビルの建て替え

 次に、先の3月定例月議会の一般質問でもお尋ねしたが、交通産業ビルの建て替えについてであります。
 現在の駅前商店街を中心とするエリアの活性化のためのコアになるのは、築50年以上経ち、かつ新幹線開業時に合わせて交通ターミナルを全部移転させることに伴い、実質的に空洞化する交通産業ビルを建て替え長崎駅前の顔にすることをおいて他にはないと私は考えている。
 だから、この交通産業ビルの建て替えを検討するための県・市・交通局と関係者による協議の場を早急に立ち上げるべきだと主張した。
 これに対して交通局長は解りましたと答弁したわけだが、現実にはまだなされていないようでありますので、ここは行政としてきちんと真摯に対応していただきたいと思うんです。
 そして、その協議は交通局としての財産活用をどうするかということももとよりではありますが、建て替えようとする場合の目的は、長崎の中心部の都市再整備によるまちの活性化にあるわけでありますので、庁内部局で言えばまちづくり推進室が事務を所管すべきだと思うんですが。
 先ずはこれらについて石塚副知事に答弁を求めます。

副知事答弁
 交通産業ビルの活用は非常に重要だと考える。

 そこで、今後、具体的に検討していくにあたって、私としては、次のような視点をもってもらいたいと思うんです。
 先ず、現在の交通産業ビルは県・市・交通局・民間の区分所有になっており、底地は交通局と民間のお一人が所有しているわけですが、既に決定しているとこととして、交通局のターミナルは新幹線開業までに全て移転する。
 そして、県・市の事務所は新県庁舎や新市庁舎の建設によって当然そちらに移転することであろうし、県の区分所有のうち公共的に活用しているスペースも、新県庁舎の建設によって既存の代替建物への移転が当然に検討されることなる。
 そうすると、県・市は空きスペースが出来るものの、他の大型施設の建設に係る財政負担が巨額であることから、新たに建て替えるための財源を捻出することは到底無理でしょう。また、交通局も経営環境が厳しい中で、建て替えに何十億も負担するということは到底考えられない。
 また、実際、民間の人たちが権利をもって入居されておられるわけで、この方たちの全員の同意が得られなければ建て替えするにも建て替えはできない。
 そして更に言えば、何故建て替えるのかその原点に立ち返ったとき、それは駅前商店街を中心とする一体の活性化、まちづくりのコアにするというわけで、そのためには事務所機能は移転しても県・市として賑わいの創出等の観点から、新たな魅力ある公共スペースを創りだす役割がある。
 したがって民間に売却して後は知らない、というわけにはいかない。
 こうしたことを総合的に考えるとき、私としては、この建て替えにあたっての事業方式として、長崎の資金力ある民間や地元まちづくり協議会の参画を得て、共同ビル方式、即ち、組合所有方式としながら、民間の主体的な活力を活用することによる事業の推進が最も現実的であると思うんです。
 そして現在の敷地面積だけではなくて、道路によって区画された全体のエリアを対象として、権利者の参画を得て一体的な土地利用を行う。
 こうした枠組みでやれば、必ずそれぞれが納得する新たな施設整備が可能だと考えている。
 したがって、こうした考え方も視野に入れて関係者の協議を進めていって欲しいと思うんですが、再度副知事にお尋ねをいたします。

副知事答弁
 ご指摘のことを踏まえて積極的に協議していきたい。

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C 駅前商店街一体の無電柱化

 3点目ですが、まちづくり協議会の皆さんは今般、市に駅前商店街一体の無電柱化を要望されておられます。多くの人に来てもらうための景観対策を実施していく必要があるからであります。
 共同溝による電線類の埋設が一番望まれるんですが、空間の制約があって他の方法も組み合わせながらやっていくことになると思いますが、これも、先ずは、長崎市が主体になっていくわけでありますが、県としても後押しすべきは後押しをして欲しいと思います。
 ファサード(道路に面した建物の面、外観)の整備や案内板類の整備等もあろうかと思いますが、今、言いました意味において今回は要望としておきます。

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4.長崎市内の主要道路の整備

 次に、これまでも申し上げてきた長崎市内の主要道路の整備についてお尋ねをいたします。

@ 外環状線

 先ず、第1点目に、戸町から柳田までの既に都市計画決定をされている外環状線の整備についてであります。朝夕の国道499号の戸町・柳田間で車が動かないといった状況が常態化していることについては、既にご案内の通りである。
 にもかかわらず、最も車両通行の多い三菱重工において日立と一緒に香焼で新たな製造業を拡充することが進められております。また長崎港の新たな港湾整備により浪の平の中小造船は市南部への移転が想定されるわけです。加えて野母崎をはじめ市南部方面の振興を図っていくには、何としても交通アクセスの充実が前提になる。こうしたことから外環状線の整備は必要性が高いわけですが、事業費が大変かさむということでなかなか前に進まない。
 そこで、現在、どういうことが検討されいつ頃までにどうしたいという見通しをもっているのかお尋ねする。

土木部長答弁
 財源の確保について県・市の間で積極的に検討している。

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A 国道324号

 次に国道324号の田上から茂木までの間の改良についてです。
 ご案内のように、南商業高校跡地を長崎市が工業団地として整備し、早速、自動車部品関連メーカーが立地しており、今後事業拡大が予定されているわけであります。
 加えて天草との交流も含め茂木を中心とする東部地区の振興については、現在の古い規格でつくられた国道324号の狭隘でカーブが連続する現道の改良が不可欠であるわけです。
 このため、昨年、道路建設課長や長崎振興局の担当部局と地元自治会等の人たちが一緒に現道を踏査し今後の改良に向けての話し合いも持たれたところであります。
 縦断勾配がきついために、新たにどういう中心線をとるかから検討し、地元と協議するといった手はずになっていたと思うが、その後、どういう状況か具体的な進捗状況についてお尋ねする。

土木部長答弁
 道路幅員の改良等により改善を図りたい。

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B 主要地方道 野母崎宿線

 次に主要地方道野母崎宿線についてであります。これについては4工区ある。
 1点目、宮摺・大崎間について。ここは具体的な改良計画が持たれていなかったことから、大崎・千々等を陸の孤島にしないために、将来の区間を通じた改良の前にできるところから一部ずつでもいいから局部改良を行い、県として先につなげる姿勢を示してもらいたいということで、これも昨年、関係部局と地元の人たちとの協議を行ったし、その際には長崎バスの自動車部からも来てもらい、バスと車の離合が全くかなわない箇所について具体的な指摘も受けている。
 こうしたことを通じて、執行部としては一定理解したと私は受け止めて今日に至っているわけであるが、現在の進捗状況についてお尋ねする。
 併せて2点目、千々工区と先日開通した飯香浦橋に続く工区についての取り組み状況及び今後の見通しについてお尋ねする。
 さらに併せて3点目、為石工区であるが、これについては従来の計画では永遠に用地取得ができないから、現道の拡幅改良の方針に変更するために関係地権者に全部通知して協議をし、総論としてそれで進めるべきだとの地元の了解を得た。計画を変えることで地権者の今後の同意が取れないといったことが生じないよう丁寧な作業をやって総意を取りつけたのであります。
 したがって、都市計画を変更して、その後直ちに着工して欲しいうことで現場協議が終わっているわけだが未だに動きが伝えられていない。
 一体どうなっているのか現在の取り組み状況と見通しについてお尋ねする。

土木部長答弁

1点目: できる箇所から局部改良に着手したい。

2点目: 整備計画を策定済みであり事業化を急ぎたい。
 

3点目: 事業化を急ぎたい。


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C 主要地方道 神浦港長浦線

 次に、同じく主要地方道の神浦港長浦線についてであります。これについては2つある。
 1点目は神浦港工区についてであります。
 これについては、現在、長崎市が国道202号のタッチから神浦橋までの区間について改良工事を行い来年度竣工の予定である。
 また、外海町の合併時、地元からの強い要望を受けて、本来県が管理者として実施すべきところを、長崎市が市道の路線をかぶせる形で改良事業に着手したわけで、来年度いよいよ完成する。
 しかし、その神浦橋から黒崎小学校までのわずかの区間が、同じように幅員が狭い未改良の区間であるために、ここも併せて整備しないと市がやった改良事業の成果が生まれない。
 だから、ここは道路管理者たる県で市の事業の進捗に合わせて計画を立て、引き続き改良事業を進めてもらいたいというのが地元の強い要望であり、私としてそのことを執行部には強く訴えてきたわけであります。
 一体どうなっているのか公式にお尋ねする。
 併せて、反対側の琴海地区についてですが、これはもうそもそも県道の体をなしていないといっても過言ではないのでありますが、交通量の関係、換言すれば費用対効果の観点から全線改良は難しい。
 かといって西彼杵半島の横軸として放っておけないので、先ずは可能な限り離合帯をつくっていこうということでいくらか整備をしてきた。琴海町の合併時における市町村計画でも強くうたわれ、県としても推進するとしてきたわけであるが、現在その認めた計画の箇所数の一部でしかないので、年次的に計画的な取り組みをお願いしたいとこれも訴えてきたわけであるが、これについても作業の状況と今後の見通しについて併せてお尋ねする。

土木部長答弁

 1点目: 事業化を進める。

 2点目: 逐次、局部改良を実施していく。


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D 県道 長崎漁港村松線

 次に琴海の村松から三重に至る県道長崎漁港村松線についてです。
 この路線は場所によって幅員の広狭があるわけだが、狭隘な所はバスと離合できない。したがって生活用道路としてそういった特に交通不便箇所の改良をお願いしたいとして、地元の連合自治会も強く訴えているわけであります。
 私からの提言を受けて長崎振興局の担当部署も現地調査を行っているわけですが、この路線について今後どのように取り組んでいくのか、現時点での考え方を示していただきたい。

土木部長答弁
 今後検討したい。

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