諫早湾干拓事業における入植者選定に関する調査特別委員会の廃止を求める決議に対し、反対する立場で私が次のように討論をしました。
諫早湾干拓事業における入植者選定に関する調査特別委員会の廃止を求める決議(案) (PDF)
百条委員会の廃止を求める決議に反対する立場から討論を行います。
諫早湾干拓事業における入植者選定に関する調査特別委員会は、谷川・金子両国会議員に対する批判を含む本県議会の決議としての中間報告をはじめ、谷川喜一元TGF代表取締役の偽証罪による告発、並びに同氏や谷川・金子両国会議員の委員会不出頭に対する刑事罰を求める告発等を行ってまいりました。
しかしながら、県当局においては本県議会の決議に反しTGFの再入植を遺憾ながら認めたため、執行部に対しその措置の不当性をいちいち法的論拠を示しながら質したにもかかわらず、今後、偽証罪の確定など司法の立場において新たな展開が生じた場合は再入植を認めたことを見直すという条件のもとに、処分への理解を求めてきたものであります。
このため、百条委員会としては司法の判断を待つべく休会という措置をとり、新たな事実が発覚したときは直ちに委員会を再開できるように対応したのであります。
しかるに、本県議会の告発にもかかわらず検察当局は偽証罪のみならず、正当な理由なく委員会の出頭要請を拒否した谷川・金子両氏を含む関係者をいずれも嫌疑不十分として不起訴としたことはご案内のとおりであります。
しかし、偽証罪はまだしも、正当な理由もなく委員会の出頭要請を自己都合の主張により拒否した者を嫌疑不十分として不起訴としたことについては到底納得しがたいものであります。
けだし、明らかに不出頭という構成要件に該当しているからに他ならないからであります。
顧みるに、出頭要請を拒否した者(しゃ)の理由は委員会が公正に運営されていないという一方的なものではありますが、検察が嫌疑不十分として不起訴にしたのは、その主張が一定正当な理由ともなり得ると判断したとも推測されなくもありません。
一方、現在、私と小林副委員長並びに本県に対し、委員会において証言を求めたある者(しゃ)から委員会運営の不都合な結果、精神的苦痛を受けたとして民事の損害賠償請求事件が係争中であります。
当該事案は被告人尋問等も終了し、近く判決がなされる予定であると聞いておりますが、仮に私と小林副委員長並びに本県が勝訴すれば、委員会運営は何ら不都合もなく適正に行われたことが司法の判断として立証されたことになるわけであります。
かかる決定は、嫌疑不十分とした検察の判断を突き崩すものとして十分な説得材料となることから、それをもって検察当局に対する申し出、さらには検察審査会に対して不起訴に対する不服申し立てを当然行うべき大きな契機となるのであります。
その結果、起訴がなされ、司法の場で有罪ともなれば、改めて当事者に対して委員会として出頭要請をし、真相解明をする途が開かれることにつながることが大いに期待されるのであり、県民の期待に応える委員会として、真相の解明についてその方途がこれまでにも増して開かれることになるわけであります。
よって、このような方途が未だ残されているからこそ、真相究明の大義のもとに環境条件の推移を見守るため休会の措置を講じてきたのであります。
こうした配慮を無にし、真相解明の途に敢えてフタをし、疑惑の渦中にある権力者を守らんがための県民不在の委員会廃止を求める決議は、県民の代表たる議会の名において断固反対するものであり、県民目線に立つ良識ある議員としては決してなすべきものではないのであります。
委員会で論議の結果、一定とりまとめのうえ負託事項についての成果を示して当該委員会を終了させるというのが議会の当たり前のルールであるにもかかわらず、途中で一方的かつ唐突に動議を出すという、非民主的なやり方は決して許されるものではないのであります。
自民党会派は、またしても議会運営を私物化するという暴挙を繰り返そうとしています。
断固として反対しなければなりません。
以上、 反対討論といたします。