予算決算委員会での予算総括質疑の実施の有無に関する議案について、賛成する立場で私が次のように討論しました。
賛成討論
予算総括質疑の実施に賛成の立場から討論致します。
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まず、予算決算委員会運営要領の第6においては、
「予算議案の審査は、委員会での概要説明、総括質疑、分科会での部局別審査、委員会での分科会長報告、採決を基本とする。ただし、補正予算については、概要説明は実施しない。」
と規定しており、総括質疑を行うことを基本・本則としているのであります。
加えて、第6の1には
「総括質疑においては、付託議案のほか、当該年度の計上予算全般を質疑の対象とする。」
と明確に規定しており、議会としては、これら自ら決定した規定に基づき運営をすることが、まさしく民主的な議会たるゆえんであります。
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これらの明確な規定があるにもかかわらず、これまでの理事会の議論において、当初予算については質疑の対象にならないといった間違った主張がなされてきたことや、説得力ある論拠もなく、会派で一旦決めたからといって、建設的な議論と調整を排除する一方的な姿勢は、議会のルールを無視する横暴極まりない姿勢と言わざるを得ません。
先の6月及び9月の定例月議会では、確かに予算総括質疑を見送ったわけでありますが、それは、補正予算の計上額が少ないということだけではなく、当初予算の執行が実質的に未だ十分進捗していないという状況において、全会派の一致により例外として見送ったわけであり、この例外的取扱いをもって、本定例月議会においても見送っても構わないという主張は、まさに論理の飛躍と陥没と言わざるを得ません。
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まず、第一に、今年度の第3四半期の後半になった現在、当初予算の多くが執行されていることから、執行上問題がないか、当初の狙いに資する効果の上がる取り組みがなされているか、とりわけ今年度、近年にない大型予算が組まれている公共事業予算が円滑に執行され、県内の景気対策等にどれだけ、どのように奉仕しているかを、執行の途中において検証することは、優れて重要なことであります。
また、第二に、来年度の当初予算はまだ骨格予算ではありますものの、政策的経費についても庁内で論議されている現状において、知事や我々が命題とする県民所得向上対策として、今年度から新たにはじまった、戦略的商品の創出による新市場開拓、新たな消費市場への戦略的展開、新たな市場開拓・拡大を支える産業拠点・基盤の整備、等にに係る主要事業の予算の執行状況や成果見通しについて、総合的・横断的に論議し、来年度予算編成に反映させることは、県の政策形成過程において議会も加わり、執行部と両輪となって、より県民にとって効果のあがる取り組みとするために努力するとした先の議会において決議したことからも、必要不可欠なことであります。
その時期は、この定例月議会をおいて他はないのであります。
さらに第三に、今回の補正はトータルとして減額予算になっているわけでありますが、それではこれまでの国の交付金により基金を積み立て実施してきた事業を終了せざるを得ないことで、今後の取り組みはどうするのかといったことも、予算としては議論の余地が十二分にあるわけであります。
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しかるに、県政を推進するために必要なこれら重要な予算に関する総括質疑を、表面的な議論だけで不要として排除したり、また、一般質問や常任委員会で一定質疑ができるとして総括質疑そのものを無意義とするかの如きは、まさに議会として、自らに負託された役割や責務を放棄するにも等しいものとして、県民からは批難されてしかるべきものと言わざるを得ないのであります。
自ら口をつぐんで、執行部と質疑する機会を放棄することは、どう弁明しようとも議員として、議会として、県民に対する説明責任を果たせるものではないのであります。
何としても総括質疑を行わなければなりません。
以上、予算総括質疑の必要性を訴え、議員各位の賢明な判断を求めるものあります。