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6月定例月議会本会議一般質問 その2:びわ及び鮮魚の生産者販売価格の改善策 (平成25年6月掲載)
 びわ及び鮮魚の生産者販売価格の改善策について、次のとおり質問しました。


 この間、地元を回っている時にショッキングな話しを聞いた。

 「びわの最盛期に、サイズが3Lの“夏たより”を16個入りの化粧箱で長崎中央卸売市場の元売に自分達で出荷したところ、1箱1.5kgの買い入れ価格が380円だった。泣くに泣けない」と訴えられた。

 それでいろいろ調べてみたところ、長崎中央卸売市場でのびわの青果市況が、5月23日から6月7日の2週間程度の中で、キロ当たり最高値が935円、最安値が187円。元売りの現場責任者からの聞き取り調査で、2Lがキロ当たり概ね1000円から450円、Mがキロ当たり550円から150円。

 そして、先程、例に出した1箱380円の買い入れ価格の場合、実際の農家手取りは、資材費(箱代)175円、市場手数料7%で27円、輸送費25円を差し引かれ、153円にしかならない。
 ちなみに夏たよりを共同選果体制で東京市場に出荷した場合、仮に、キロ1000円が元売の買い入れ価格であれば、平均で、輸送費84円、資材費195円、選果経費126円、それに手数料10%の100円で、農家の手取りは496円にしかならない。

 そうすると、露地びわの1戸当たり栽培面積の本年度の平均が45アール、反当たりの収量が災害がなければ、だいたい平均で338Kg(※1反≒10アール)。
 これからすれば、平均の露地びわ農家のびわ生産による収入は年間で、東京市場に出荷しキロ496円の手取りとして75万4416円(=496×338×4.5)。
 これから更に防除費や堆肥や袋掛けの経費や生産に要する経費を差し引くと所得は推計だが、50万円程度にしかならない。

 仮に、元売りの買取り価格が東京市場で1500円だとしても75万円程度。長崎市の中央卸売市場で、仮に元売りの買入価格がキロ1000円だとしても、農家手取りは730円、その場合平均的な年間所得は必要経費、精算経費を差引いて先程の計算をすると約86万円。
 経費等には幅があるので少なく見積もっても、露地びわの生産農家の年間所得は平均で100万円未満でしかない。

 その一方で、店頭小売価格は1.5Kgの化粧箱入りでだいたい2500円+αぐらいはしている。
 ところが生産農家には、丹精込めて年間栽培して生産したにもかかわらず、同じものが元売で380円しか値がつかなかったら153円、1000円の値がついても730円、東京市場の場合は496円しか入らないのが現実である。

 こういった現実であれば、農家経営はまさに成り立たない。いわれて久しい後継者も育たないし、ハウス等の設備投資も現状では難しい。
 即ち、農家経営は悪循環に陥っている。

 知事は、県民所得向上対策の重要な柱として農業の振興、即ち農家所得の向上を挙げているが、こういった現状ではとてもそうしたことは望めないと言わざるを得ない。

 高品質の物をつくる、生産コストを引き下げる、規模拡大を進める、複合経営を進める等々、いかに作るかということについては多額の予算を投じて、これまで振興策としてやってきたが、一方で、いかに売るかということについて余りに策がなさすぎると思うのである。

 これは具体的な数字は持ち合わせていないが、水産物の値決めについても同様のことが言えると思う。

 燃油価格が高騰してコストが膨れ上がる、その一方で、水揚げは減少しているにもかかわらず、値を決める主体は市場や量販店の買い入れ者で安く買いたたかれる。

 一次産業の振興、所得の向上ということにおいて、こうした現実を見過ごしていいのかということである。いかに売るかということについて、農林部、水産部ともに現状としてどう取り組んでいるのか。
 そしてまた、今後さらにどう取り組もうとしているのかお尋ねする。


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