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たかひら元の県政リポートをご報告します。

9月定例県議会での比良元の一般質問 (平成24年9月掲載)
 9月定例県議会の一般質問を多くの傍聴者が見守る中で行いました。
質問項目は次のとおりです。

@ 原発の代替エネルギーの確保対策について
A 心身障害者福祉医療につき精神障害者と75歳以上中度障害者を対象とすることについて
B 水産業振興のために離島本土間の輸送コストの縮減及び燃油高騰対策等について
C 住宅リフォームに対する補助制度の創設について
D 長崎市外海町神浦の沖砂採取と環境影響評価について
E 県立亜熱帯植物園の運営方法の抜本的見直しについて
F 長崎・高島間の運行フェリーの存続について

 いずれも知事他執行部と一問一答での論戦を交わしました。

 特にAの心身障害者福祉医療については、長年、精神障害者や75歳以上の中度障害者はいわばカヤの外に置かれていましたが、今回の措置を通じて、長崎県として新たな制度設計をし、来年度から助成対象に加えるとの答弁を引き出せました。これは、制度の大転換として画期的な内容だと思います。
 当事者団体の責任者の皆さんからは、涙が出たとのご連絡をいただきました。

 以下に質問・答弁の全体概要を掲載しておりますのでご参照下さい。



9月定例県議会での質問・答弁の全体概要


 先ず、「原発の代替エネルギーの確保状況」 についてお尋ねします。
  1.  先の東日本大震災による東京電力福島原子力発電所の放射能漏れ大事故を教訓として、政府においては新たなエネルギー政策の基本計画を策定するとしておりますが、その与件としてエネルギー・環境会議において、原子力発電によるエネルギー調達シェアーを、0%とするか15%とするか、あるいは現行に近い20〜25%にするか、いわゆる3つのシナリオを示し、いずれを国民的合意のもとに選択するかという作業を進めております。
     そこで、先ず、知事においては、この3つのシナリオについていずれを妥当と考えているか、認識をお尋ねいたします。

    答弁: いずれを選択すべきかの具体的な判断資料が明確になっていない現状では、お答えしづらい。


  2.  原子力発電のシェアーを削減するならば、代替エネルギーの確保・拡充が必要になる。
     そこで、現在再生可能エネルギーについて国民の間で関心が高く、本県でも民間による新たなメガソーラーの建設計画や洋上での風力発電の実証試験に向けた国の取り組み、さらにまた、今定例月議会での「海洋再生可能エネルギーの実証フィールドを本県に誘致するための構想策定費」2800万円の予算計上といったことがなされているわけであります。

     エネルギー調達のベストミックスを考えるときに、再生可能エネルギーのシェアをいずれにせよ現行より高めるということは必要だと私も考えるので、こうした取り組みは一定歓迎するところであります。
     先ず、そのことを前提にするところでありますが、しかし再生可能エネルギーのシェアーを高めれば高めるだけ発電コストは割高になり、GDP国民総生産を減らし、経済成長を止めることになるばかりか、発電量の変動による不安定な電力供給になると言われている。

     そこでドイツにおいては、原発を0にするかわりに、再生可能エネルギーのシェアーを高める一方で、新たに1000万kwから2000万kwの火力発電所を建設し、エネルギー調達コストの負担増加額は3.5セント/kwhにするという基本的な枠組みで新たなエネルギー政策を進めはじめている。

     火力発電は、安価で安定した供給ができるために、我が国の発電シェアーは現行で約63%、世界でもこれが標準となっている。
     しかし、新たな火力発電所の建設がなかなか進まないのは、温室効果ガスやノックスガス、ソックスガスの排出という環境への負荷が災いしているわけであります。
     そのために、この負荷を抑える高い技術の確立が求められてきた。
     本県の政府施策要望においても松浦火電の2号機や松島火電の建設促進と併せて環境性能の向上のための技術確立に向けた国の取り組みを求めているわけであります。

     しかし、現在既に、従来形の火力発電所のNOXガス50ppmを5ppmにしSOXガスを同じく50ppmを8ppmにし、CO2を約20%削減する石炭ガス化複合発電の25万kw実証機の試験が既に完了しておりますし、さらには究極の発電効率である55%を実現し、NOXガス・SOXガスをさらに軽減するとともに、CO2を一般で30%、バイオマスの混焼により50%削減する石炭ガス化トリプル複合発電が、東大の生産技術研究所では技術がほぼ確定し、近年中の市場投入が予定されているわけである。

     したがって、こうした高効率発電技術が既に開発されているわけであるから、その認識をもって松浦や松島の火力発電所建設を促進するよう、これまで以上に国や電力事業者に働きかけることが私としては肝要だと思うのだが、知事の見解をお尋ねする。

    答弁: そのような認識をもって、強く働きかけていきたい。


  3.  併せて一般廃棄物を燃料とする火力発電所の建設についての認識をお尋ねしたい。
     これは既に、副知事や環境部にも打診されているところだが、佐世保市の住民から、以前から提起されていることに加え、今回、佐世保市がゴミ処理場の更新を計画していることからして、県の立ち方を明確にすべきだと考えるが、どうか。

    答弁: 佐世保市がごみを燃料とする発電を計画する場合は、県として可能な財政支援を行う。

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 次に、「心身障害者福祉医療につき、精神障害者と75才以上高齢者への対応」 についてお尋ねします。
  1.  現在の取り組みは、身体障害者について身障手帳1・2級者と75歳未 満の3級所持者、知的障害者について、療養手帳Aの所持者と75歳未満のB1所持者となっていて、精神障害者が全く適用外、そして、中度の身体・知的障害者の75歳以上の者が適用外となっている。

     この同じ障害者でありながら、精神が全くカヤの外に置かれていることと、中度の身体・知的の障害者がかえって疾病等への不安をより多く抱える75歳以上になって突如打ち切られるということについて、当事者のみなさんからは、大変に不満が多いし、制度的には、まさに不合理な状況にあるといわざるを得ない。
     加えて長崎市からは、精神障害者を福祉医療の対象に加えるよう強く要望されている。
     全国で精神障害者に福祉医療費を適用している県レベルの自治体は、内容は様々だが既に21道県あるわけであります。

     これまでこの問題は、償還払いや現物給付等の支払い方法と併せて、福祉医療制度検討協議会で長年検討されてきたが、いつまでたっても結論が出ない。いわばタナ上げ状態になってきた。
     それもそのはず、県として具体的にどうするか、シュミレーションに基づいた主導的役割を果たしてこなかったことが、一番の原因だといっても過言ではないと思っている。
     いま、我々議員の方で来年の4月1日の施行を目指して、障害者差別禁止条例を制定する作業がまさに佳境を迎えているわけだが、この条例が施行されれば、まさに県自体が施策として差別した取扱いをしていると非難されることになるでしょう。

     現在、県費での障害者福祉医療費が12億4800万円、今後高齢化によって一定増額することが見込まれる。だから、そのことを含みながら一定、財政的にも可能な新たな制度設計を今年度中に行うべきだと考えるが、どうか。

    答弁: 来年度から実施できるよう今年度中に積極的に検討する。


  2.  制度見直しにあたっては、75歳以上の中度と精神をセットで考え、いろんなバリュエーションの中で、どうすることが、最大公約数として最も対象者の理解を得ることができるか/現在の制度がつくられている行政目的に合致するか/財政運営上の負担として一定可能であるか/市町の共同歩調を引き出し得るか/さらには他の障害に対する現行施策とのバランス/といったことが検討のメルクマールになるものと考える。

     そこで、こうした与件に基づく提案ですが、先ず、身体・知的の中度障害に対しては、75歳以上も補助対象とする一方で、補助率を2/3から1/2にする。
     精神については、国の自立支援医療費の趣旨からも1・2級の通院を対象にし、2級については他の障害とのバランスにおいて1/2の補助率にする。

     こうすることが出発点として、いろんな意味での合理性をもつのではないかと私は考えている。
     この場合、影響額を推計すると、県補助金で約4850万円、したがって市町も同額の負担増となるわけだが、一番負担の大きい長崎市で約1370万円。
     負担増にはなるが、現状の不都合・不合理を解消するために、十分検討の俎上にのぼる試案だと思うが、こうした選択肢も含めて、具体的に検討し来年度からでも実施するということについて、どうなのか再度お尋ねする。

    答弁: 選択肢に入れて十分検討したい。

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 次に、「水産業の振興に関して、離島・本土間の輸送運賃コストの軽減策」 についてお尋ねする。
  1.  水産物に限った話しではないが、離島・本土間の輸送コストが離島振興を図るうえでおおきなハンディとなっている。
     フェリー運賃がトラック1台分で、長崎五島間で65000円、福岡対馬間で79000円、高速道路料金の10倍という現状にあることは承知のとおりです。
     これを何とかしなければとの認識は、共有していると思うが、これまで具体の対策が講じられないままになっている。
     この現状において、本年6月改正離島振興法が成立し、離島活性化交付金が創設されることになったわけで、まさに、これを活用して横持運賃の軽減を図るということが頼みの綱だと考えている。
     そのためには、国がこの活性化交付金の使途として、この運賃コストの軽減財源となることをメニューの中に盛り込んでもらわなければならないわけで、したがって県として積極的にこのことを国に働きかけてもらいたいと思うがどうか。

    答弁: 積極的に国に働きかける。


  2.  次に、「燃油高騰対策の一環として漁港・港湾の漁協の占用料を軽減する」 ことを提案したいと思います。

     現在、漁港・港湾の使用料について漁協の占用料については40%の減額をしているが、それでも1単協あたり、年間650万も300万もあるいは200万も支払っている。水揚げが減る、組合員数が減る中で非常に厳しい、さらには例えば長崎市は市管理漁港について無料にしているということもあって漁協からは、更なる減額要望がなされているというのが現状です。

     ただ、これを、そのまま認めると大口である航路運行業者の占用料の取扱いや、漁港・港湾の管理費への影響といったことが出てくるので、一定の政策目的がなければ、なかなか難しいんでしょう。
     そこで提案ですが現行の漁協と漁連への占用料を燃油の高騰が続き、漁にも出られないといった現状において3年間更に10%軽減する。その額を試算すると約1340万。これを現在漁連が行っている燃油対策特別支援事業年間約3500万に、オンする形で燃油高騰支援とする。

     つまり、各単協や漁連が燃油高騰対策に取り組むことを条件として漁港・港湾の占用料を一部減額するという考え方。
     支援費の額は小さいが、直接補助費や別途支援費の計上がなかなか難しいといった現状、かといって独自に何も手が出せないということへの漁業者からの不満の声ということを考えたときは、検討の俎上にあげるべきではないかと思うんです。

     航路事業者も占用料の減免を望んでいるが、これについては、それこそ多額の欠損補助を行っており、ダブルカウントの支援はなかなか理屈としてはたてづらい/一方で個人経営である漁業者の燃油高騰対策は、特段何らかの手を打っていく必要がある/ということから、事業としての公益性はあると考えるし、維持管理費については3年間、何とかうまくやり繰りすることで可能ではないか/と思うが、執行部の考え方をお尋ねする。

    答弁: これ以上の減税は維持管理費の財源確保の点から難しい。


  3.  次に、漁協の信用事業を信漁連に移管統合しようとする動きの中で、先般、我々と信漁連との政調会での議論の中で、JFマリンバンクである信漁連に対し、県公金の積極的な預け入れや縁故債の積極的な借り入れを行って欲しいという要望がなされた。

     現在、公金の預け入れとして、県外の金融機関も取り扱っているわけだが、建設・土木に限らず県の発注は県内企業を原則とするという枠組みで行うとしていることからは、公金の預け入れも原則県内企業とするということでないとおかしい。
     そうした意味で、今後積極的な活用を図るという見地から、JFマリンバンクと協議してもらいたいと思うが、どうか。

    答弁: JFマリンバンクからの具体的な申入れがあれば協議したい。

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 次に、「住宅リフォームに対する補助制度の創設」 についてお尋ねする。
  1.  現在リフォーム関係の助成については、耐震改修工事関係で国庫を入れて3200万円、バリアフリー関係で保険給付費を入れて支給するという枠組みにおいて、県費で1300万円を入れて対応しているが、対象件数が非常に限られていて事業効果としてどうなのか。この際、思いきって見直し新たな制度設計を行うべきではないかということについての質疑を行いたいと思います。

     この件については、これまで本会議の一般質問でも過去、取り上げられてきましたが、実現するにいたっていない。
     それは、執行部の考え方として一番大きな抗弁は、黙っておいても住宅リフォームが一定なされる中で財政投資をすることが、更に拡大することにつながらない。つまり新規拡充のインセンティブにならないということ/そして個人に対して財政投資をすることより、公共財の維持補修にかけることの方が公益性がある/更に不況対策としても住宅リフォームの場合は特定業種に偏る、あるいは県内への波及効果が薄い、といったことではなかったかと思います。

     例えば、秋田県では年間18億8000万、住宅リフォームの助成費として執行しているが、統計上の推計値として年間13000件のリフォーム工事が見込まれる中で13,300件の予算件数となっている。/佐賀県は同様に年間7億の予算を計上しているが、年間約8700件の工事見込みに対して2500件の予算件数となっている。/長崎市においては2億円を予算計上しているが、年間約5300件の工事見込みに対して2000件の予算件数となっている。といった執行部の試算である限りにおいては、投資効果がどうかという議論になるかもしれない。

     しかし、佐賀県のアンケート調査では助成事業がなくてもリフォームする予定だったというのは18%であるのに対し、リフォームを検討していたが助成事業を知って時期を早めたというのが59%、リフォームは考えていなかったが助成事業を知ってリフォームをしたというのが11%で計70%ある。
     そして助成が利用できることでリフォームの工事額を増やしたというのが40%あるんです。
     また、長崎市のアンケート調査でも約70%の利用者が補助制度がリフォームを行うきっかけになったと答えているし、約62%の業者がリフォーム工事の受注額が前年度から増加した。また94%の業者がリフォーム補助金は工事受注に役立っていると回答している。
     こうしたことからすると、これまで執行部が言ってきたリフォーム助成が従来の件数より需要がどれだけ伸びるのか/従来の工事費よりどれだけ工事費が増えるのか、といった、やらないがための理屈がそもそも疑わしいと、やりたくないがための、ためにする理屈でしかなかったのではないかと言わざるを得ない。

     加えて県内では既に8市1町がリフォーム助成事業を実施しているが、H23年度の公共投資合計3億7400万に対し、事業費全体は56億5530万円、これだけの金が市中に回っている。
     これは紛れもない実態なわけです。投資効果は15、1倍。
     よくリフォームに助成するよりは、現在行っている小規模改修事業費10億円の方が投資効果が零細企業の下支えになっているといわれるわけですが、市中に回る金はまさに公共投資の10億に限定されるわけです。

     隣の佐賀県でも既に景気対策として相当な額を投資してやっている。県内でも既に8市1町が主体的に取組んでいる。
     これに県が一定規模で取り組めば、相当な需要誘発効果が出てくることは火を見るよりは明らかであるが、それでも知らぬ存ぜぬとするのかお尋ねしたい。

    答弁: 潜在需要以上の新規着工を具現化できるか見通せないため財政投資は難しいと考える。
     耐震改修等、政策目的に沿った財政支援をしていきたい。


  2.  小規模改修事業と比較して経済効果ということを考えてみましょう。
     昨年度の実績で、小規模改修事業の場合は10億の予算の中で発注件数は、土木一式、建築一式、電気、管、ほ装、その他工事、修繕で合計762件。
    最大契約金額は1835万4000円で最小は9000円、平均で一件130万4000円となっている。
     これに対してリフォームの場合は8市合計の3億7400万円の予算の中で、発注件数は3665件、助成費は1件10万円から20万円となっているわけです。
     それで受注対象者はどうかというと、小規模改修事業の場合は大半が、建築土木のDランクの約1750社、これに対してリフォームの場合は建設長崎の組合員数だけで7000人即ち7000経営体、これに組合員以外の経営体や工務店、即ち建築Dランクの登録業者も入る。
     要するに、県内経済対策ということからはリフォームに対して投資することの方が事業費全体が格段に大きく、かつ広く薄くより多くの受益者を生み、所得の下支えとともに地域内経済循環の誘発に寄与する。
     即ち財政の所得再配分機能がより有効に作用するということがいえるわけであります。

     これでもなお、かたくなにリフォーム助成をためらうんですか。
     隣の佐賀県が古川知事の英断のもとに県民から歓迎されていることを否定し、また県内でも景気の下支えとして有効だとして、主体的にやっている8市1町の主体的な取り組みを否定して、自分たちの了見が正しいというのですか。
     この際、百歩譲っても財政が厳しいというなら、10億もかけている小規模改修事業の半分約5億を社会実験として3年間でもやって成果を検証してみてはどうですか。
     知事、データーと理屈をもって考えてもらいたい。どうですか。

    答弁: 小規模改修事業費については、地場零細事業所の下支えとして、効果があると考えている。

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 次に、「海砂採取問題について、外海の神浦沖海砂採取と環境影響評価」 についてお尋ねする。

 予め議長の許可を得てパネルを用意しました。これを見てください。
 合併した長崎市外海町神浦の大野浜海浜公園の様子です。
 かつて海浜公園として東屋等を整備した当時白砂青松だった当時の状況を写したものがこれですが、現在はこのように何とも荒廃して寒々とした状況になってしまっています。
 この原因が、県がこれまでずっと許可を与え海岸から至近距離で海砂を500万立方メートル近く取り続けさせてきたことが原因だと地元の人から指摘されている。

 確たる証拠はない。潮のみち引きが強く砂が洗い流されたのかも知れない。
 しかし、地元の人は海砂の採取、それを認めてきた県の姿勢が原因だといって県の対応への不信感を募らせています。

 そうであれば、この大野浜海浜公園がこんな見るも無残な状況になったのは何故か一定調査をしてみてはどうか。
 そのことが、現在の海砂採取の許可基準の妥当性を検証することにもなる。
 即ち神浦沖採取許可に限ったことではないという意味からも、是非一定の調査をするよう強く求めたい。

答弁: 原因を特定するのは難しいが、どういう方法で調査できるか考えたい。

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 次に、「野母崎の亜熱帯植物園の運営方法の見直し」 についてであります。

 亜熱帯植物園は、平成10年にリニュアルオープンした効果で、過去最高の12万人の入場者があったが、その後右肩下がりの一方で現在は、ピーク時の3分の1、約4万人にまで減少している。
 また、県外からの来園者は入園者全体の約2割にとどまっているわけです。

 収支はどうかというと平成18年度から22年度の5年間で単年度収入は2800万円から3800万円、支出は8100万円から9000万円、したがって毎年度県の負担金として5200万円前後の支出を余儀なくされている。

 この亜熱帯植物園は現在、県の観光施設として位置づけて入場料収入で運営を賄うという基本的な枠組みでやられているわけだが、現状は只今述べたとおりです。

 このため昨年度、亜熱帯植物園のあり方に関する調査検討委員会において、現状を多角的に分析しているが、その中で観光施設としての役割については、果たしていないと明確に断じているし、県民へのアンケート調査でも同様の結果が出されている。
 一方、県民の憩いの場所としての役割はどうかというと、一定果たしているという評価を得ている。
 その通りだと思うんです。

 このことをベースとしてこの際、運営のあり方を先送りせず、抜本的に見直すことを私として提言をいたしております。

 第一に、園の性格を観光施設ということではなく県民の憩いの場とする。
 第二に、多様な貴重な植物が売りなわけであるから、単に憩いの場ではなく生涯学習の場としての性格を持たせる。
 第三に、入場料の徴収をやめ、園内で収入をあげる仕組みに変える。例えば地元産品を販売する/市民農園・果樹園として貸し出す/花苗の生産をして販売する/キャンプやバーベキューやイベント広場として貸し出す〜色々考えられると思う。
 第四に、生涯学習施設とするときは、近くの廃校になった脇岬小学校を宿舎として活用し園との一体的な運営を行う、等々であります。

 先般、既に、観光課長や生涯学習課長、指定管理者である長崎市の野母崎振興公社の理事長、地元住民代表などと一緒に現地の確認もしてきました。

 是非、この際、時を置かず、只今申し上げたことも視野に入れて関係部署や地元などと積極的に協議し、年度末までには結論を出すというぐらいのことで取組むことを求めたい。時間がないので要望にとどめる。

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 最後に、「長崎・高島間の運行フェリーの存続について」 お尋ねする。

 伊王島大橋の完成によって、それまで長崎から伊王島・高島に機材や生活物資を積んだ車輌を輸送していた富川兄弟商会が運行しているフェリーが大変な経営危機に陥入っています。

 伊王島への輸送は陸上輸送となったことから廃止、高島へはかって公共事業の材料運搬車が多かったものの、現在殆ど事業がないため積荷が大幅に減少している。

 架橋前の年間売上高は、4700万円から6700万円あったものが架橋後の昨年度は3000万円、今年度は8月末で860万しかない。しかも架橋後高島への運搬費をそれまでの2倍にしての実態です。
 だから従来の料金で換算すると昨年度の売り上げは1500万円即ち架橋前の1/4から1/3になっているといった状況なわけです。
 このままでは倒産することが目に見えてますから、会社はやむなく運行休止し解散することも考えている。

 しかし、私が何故このフェリーにこだわるかというと、この船が唯一高島の人たちの生活インフラであるプロパンを運搬し、島の基幹産業といってもいいヒラメなどの陸上養殖の水産物を出荷するための不可欠な輸送船なわけです。これまで一般廃棄物・産業廃棄物のトラック輸送もしてきたし、小さくても公共事業等があれば、ダンプやトラックや資材を運ぶ唯一の輸送船なわけです。

 他に食料品や雑貨などを運ぶ木造船がありますが、これでは今言ったようなものは運べない。
つまりこのフェリーの運航が途絶えてしまうと高島の人たちの生活にたちまち深刻な影響が出てしまう。

 このため伊王島架橋後、直ちに船会社の人と私は県・市に窮状を訴え、事態改善のための協議を何度となく行ってきましたが、内航海運の物流への補助制度がないということで、また、一定推移を見ようということでいわば棚上げの状態で今日に至りました。

 挙句、会社は廃業を目前に迫られている。このまま放置しておくならば、県も市も伊王島の人たちに便益を与える一方で、高島の人たちを見殺しにすると言われてもいたしかたない。
 県も市も、地域が良くなるといって合併をすすめてきた。しかしそれは完全に誤りであった。
 少なくとも高島の人たちは、合併によって首をしめられたということになるでしょう。
 尻に火がついている。
 早急に改善策を講じるべきだと思いますがいかがですか。

答弁: 長崎市からの申し出があれば、市と積極的に協議する。

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