平成20年の県議会本会議で私は障がい者に対する差別をなくし、障がいのある人が地域社会でその人らしくありのままに暮らしていけるために障害者差別禁止条例の制定に向けた取り組みを県として行うべきだとの質問をしました。
障がい者権利条約の推進と障がい者差別禁止法の制定並びにそうした国の取り組みを促進するための自前の同禁止条例の制定を求める障がい者団体のネットワ−クが本県においてもつくられかつ、先行事例として千葉県の条例があるからです。
これに対し、当時の金子知事は県民各層の幅広い意見を聞きながら、新たな障がい者基本計画の策定と併せて条例の必要性も含めて検討すると答えていました。
しかるに、新しい障がい者基本計画は策定されましたが、同計画の中では「本県としても今後国の動きを注視しつつ障がいのある人に対する差別のない社会づくりに向け引き続き努力していく必要があります」という表記、あるいは「障がいを理由とした差別がないよう啓発・広報に努めます」という表記のみで、差別禁止の実動性を担保するものは何もありません。 また、中村知事もこのことについて、現在、国において障がい者制度改革推進会議が設置され、差別禁止の法制化が検討されていることから、それに委ねたいという趣旨の発言をしています。
しかしその国の議論において下敷きになっているのは千葉県の条例であり、その条例制定までの取り組み過程が非常に参考になっています。 何故、本県ではそうした取り組みができないのか。
肝心なことは、障がい者の基本的人権の行使と自由の享受のための社会環境を長崎県として積極的につくっていこうという姿勢如何だと思います。
県は障がい者の皆さんの声を直接聞いてもらいたい。 そうすれば障がい者に対する差別の内容は個人の良心で個々に判断するのではなく、県民共通の物差しを公に示していくことが必要だと考えるようになると思います。
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