景気・雇用対策特別委員会で、秋田県の雇用促進策、TDKの事業展開、稲庭うどん共同組合の事業展開等について視察研修を実施しました。
秋田県の雇用情勢については、本県と比較し水準は高いもののそれ程大きな開きはありません。しかしながら、企業誘致に対する取り組み方として特長的なことは、工業団地の分譲にあたって30%、40%、50%の分譲価格の割引きを行っていることです。また、企業の初期投資低減のための使用貸借付分譲や事業用定期借地権の制度を設けていることです。
工業団地の分譲は一般的には、特別会計での借入金によって土地取得、造成後金利負担分を加味してそれらのトータル経費見合いで分譲価格を決めていますが、それでは中々企業のニーズに応えられず売れん残りが出てしまうケースが目立っています。本県のばあいは、長崎市の神ノ島の工業団地などが、その典型例ですが秋田県のようにここは後年度負担覚悟でまずは企業誘致を先行させるといった方策を講じることが本県にとっても現状においては必要であると考えます。
また、五島うどんや島原手延べそうめんのブランド化や販路拡大を図る参考にするため、秋田県稲庭うどん協同組合を訪れました。『稲庭うどん』は、稲川まちの稲庭で保存食として誕生してから300年以上の歴史を持ち、今では日本の三銘うどんの一つに数えられ、秋田県の代表的な特産品として歩んできました。そして、厳選された素材と手作りによるいくつかの作業過程の中で生まれる独特ののど越しと食感で、消費者からの支持が得られたこと。また、グルメブームにのって右肩上がりで売上を伸ばしてきました。
販路が拡大し、全国ブランドとして知名度が広がるにつれ新規参入者が増え、品質にばらつきガ出始めるなど、商品の質的低下が指摘されるような事態になってきました。このため、稲庭ブランドのイメージダウンに危機感を抱いた産地では、稲庭うどんの品質向上、さらには県内一円を区域とし、業界全体の連携の強化を図るため組織化に踏み切りました。
組合の主な事業の一つ目は、仕入れ原材料のコストダウンを図るための共同購買事業や稲庭うどんの販路拡大を図るための共同販売事業。二つ目は、稲庭うどんの本場の味を守り、自主的な検査体制の中での品質の向上を図るための共同検査事業です。
『稲庭うどん』の各確固たる産地ブランドとしての飛躍を目指す次の展開として、本年3月に任意団体で商標登録を受け認証マークを活用し、産地商品として、さらに販売の向上を図ることですが、そのためには、品質基準を明確にし、検査体制の確立を図ることによって産地商品としてのブランドの強化が求められます。
また、販路の面については、今後も引き続き業界が一致団結して強化を図ることとしており、従来から実施している千葉幕張メッセでの「ふるさとじまん市」や大都市のデパートを中心にして開催される物産展への出品によって、販路の拡大を図りたいとしています。
秋田県庁での質疑
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秋田県議会場前
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TDKでの事業説明
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稲庭うどん共同組合での説明
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