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第1号 (平成19年6月発行)

六月議会本会議一般質問
 県議会議員就任後、早速の登壇となりますが、長崎県をもっと元気なまち・人にしていくために、私なりにとりわけ必要だと考えることの一端について質問いたしました。

「新しい自治体運営の制度基盤づくり」について

【高比良元質問】
(1)国は地方分権型社会づくりを進めるという大義名分のもとに、国と地方の事務事業や権限の見直し、なかんずく三位一体の改革を進めている。現在の取組みが更に進められれば担税力や財政力の違いによって自治体間で提供できる公共サービスの水準に大きな開きが出てくるのは明白である。また、現行の自治体運営の制度・枠組みを踏襲する限りは、財政上、自治体運営が成り立っていかないと言わざるを得ない。こうした実態を十分認識したうえで、本県が生き延び生き残っていくには、これまでの制度や枠組みを、いわば根っこから見直し、新しい時代にふさわしい自治体運営の仕組みを構築していくことが不可欠である。
 知事は、自立発展する自治体運営のあり方についてどのような認識をもっておられるのか、そしてまた、住民、団体、事業者等の自治能力を高めるための取組みや公共サービスの担い手の多様化を促進することについて、どのように考えておられるのか。

【知事答弁】
 新しい時代において、これまでの制度・枠組みでは県の将来を切り拓けないと考え、多様な分野において民間的発想のもとに行政改革のあり方として、住民との協働を基本とした行政運営の仕組みも示してきた。農協や漁協などの公共団体がその活動を公共サービスに拡大していくための行政と民間の新たな関係による自治体運営の仕組みを構築していきたいと考えている。
【高比良元再質問】
 住民参画活動の先にあるのは、真の意味での住民による自治である。そのための行政のいわば規制緩和を問うている。

【知事答弁】
 目指すべき将来像については一致している。ただ、時間をかけながら取り組んでいかなければ職員の身分保障の問題がある。

産業振興と雇用の拡大について

【高比良元質問】
(1)本県は県民所得が低く、働く場も少ない。その原因は既に解っている。そこで、県では、産業振興財団や企業振興・物産流通・観光振興の3つの推進本部も設置をされた。しかし、いくら行政で支援体制を充実させたとしても、そもそも地場企業がより伸びていくことにチャレンジする意欲が低ければ何にもならない。事業者の経営革新意欲をより高めていくことが肝要かと思うが、その取り組みをどのようにされているのか。
(2)「3推進本部等の人的体制等の拡充」について。
 3推進本部等がその分野において本県の拠点機関として、いわば長崎県の総力をあげた陣容が整えられないか。さらに、関係者や一般県民等から、多くの知恵や事業提案、アイデアが結集するような仕組みができないか。
(3)「新規学卒者の県内定着の促進」について。
 高卒、大卒の県内企業への就職率は、全国でも最下位のクラスにある。その最大の要因は賃金格差と福利厚生の水準の低さにある。そこで県内企業において、賃金が少々低くても、福利厚生面、特に独身寮や社宅、あるいは結婚後低家賃での公営住宅の優先確保等を一定の支援策をもって促進することができないか。

【知事答弁】
(1)企業の経営革新意欲の醸成ということについては、多くの企業を訪問し、経営者と必要な支援等について意見交換を行ってきた。 その中で、種々の方策を講じながら地域の中核となる企業を育成しその成功例を先導役として地域への波及効果が生まれるように取り組んでいる。
(2)3推進本部の人的体制の拡充等については、民間ならではの人脈を活かし、スピード感をもって仕事ができるよう体制を組んでいる。最終的には、各地域や関係団体の主体的な活動が展開できるよう成果を還元したい。
(3)新規学卒者の県内定着については、企業等の意向調査を行い、どのような施策が有用か検討していきたい。

【高比良元再質問】
 新規学卒者の県内定着を図るための課題は既に分かっている。費用対効果を考えつつも今こそ、大胆な取り組みが必要であり、危機意識を持って施策を講じられたい。

「被爆体験者医療給付制度の改善」について

【高比良元質問】
(1)この医療給付制度は17年の運用改正により被爆体験による精神疾患に帰因する特定身体疾患という枠組によって、被爆体験当時、乳幼児であった者は、大半がスクリーニング検査で落とされるという結果になっている。今般、長崎市においては、被爆当時乳幼児であった者もPTSDの存在を示すに足る科学的、客観的なデータをそろえるための「被爆体験者再検査解析事業」を予算化し、スクリーニング検査の国の認定基準を改めるよう求めることにしている。県としても、今年度補正予算を組んででも、長崎市の取り組みと相まって、同様の対応を取るべきではないか。

【知事答弁】
 被爆体験者については、適切な医療給付が受けられるよう、国に対して強く要望していく。
 長崎市の被爆体験者再検査解析事業については、市と協力して取り組んでいるところであるが、事業の推進を見て、必要な予算の確保については積極的に検討していく。

【高比良元再質問】
 いつまでにどういった成果物を出し、それを基に国に対しどのように訴えていくか、行動スケジュールを示すべきである。被爆体験者の立場に立って制度改善を必ず実現するよう強く求めたい。

「長崎市南部地域の主要幹線道路の整備促進」について

【高比良元質問】
(1)国道499号について、竿の浦工区の終点である平山台入口から旧三和町の栄上交差点までの仮称栄上工区の4車線化を国の補助事業として、竿の浦工区の竣工に引き続いて実施するため、来年度調査調整費を計上し、補助採択に向けての準備を行う考えがないか。また、旧三和町の岳路から旧野母崎町の黒浜までの約2キロメートルの未改良区間について、将来の補助事業での実施をにらみながら、その間、県単事業で局部改良を順次実施していくことができないか。
(2)「主要地方道野母崎宿線の茂木〜千々間の改良」について。
 茂木〜千々間は大半が未改良区間で、いつ事故がおきても不思議ではない状況にある。今後一定期間、できるところから順次少しずつでも継続して計画的に改良事業が進められないか。
(3)「県道深堀三和線の深堀工区の改良」について。
 この深堀工区700メートルについては、地元の意見集約ができずに休止状況に陥り、現在に至っている。ルートを見直し、再度改良事業を進め、早期に全体の竣工を図ることができないか。

【知事答弁】
(1)国道499号の平山台入口から栄上間については、4車線化が必要と考えており、本年度、事業化に向けて調査を実施する。
※平山台入口から栄上までの1.2Kmの4車線化への取り組みを県として初めて正式に公表しました。
 岳路・黒浜間については、地元の人の意見を聞きながら整備方針の検討を行う。
(2)野母崎宿線については、現地の状況を精査し地元の意見を聞きながら事業箇所を抽出していく。
(3)深堀三和線深堀工区については、ルート整備に関する地元の合意形成につとめていきたい。

【高比良元再質問】
 国道499号の栄上までの4車線化への取り組みについては、心から歓迎する。
 しかし、岳路・黒浜間については、整備方針を検討するという悠長なことではなく、具体的な改良事業をできる所から実施していくということでなければ地元の理解は得られない。

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