先頃、長崎県指定自動車学校協会から、県議会議長宛に、高校生の地元指定自動車学校への入校に関する陳情が行われました。
高校生のうち、普通自動車の取得可能年令に達し、卒業後の就職希望者や大学等進学が内定した者で本人が希望する場合は、指定自動車学校への入校とその入校許可時期を早めて欲しいというものです。
少子化により私立学校等と同様、指定自動車学校も入校生が減少し経営難にあえいでいますが、それは別として現在のような高等学校の対応では高校卒業迄に自動車免許をとりたくても、それがかなわない学生、つまり県内の指定自動車学校に入校しても、3月末迄に卒業出来ない学生が平成20年度で738名、平成21年度に1001名がいるというのです。
原因は各高校による自動車学校への入校許可が基本的に10月以降であり、入校者が年末以降に集中するため、履習機会のやり繰りができず、積み残してしまうということにあります。県指定自動車学校協会の皆さんは、この点の改善を求めているのです。
各高校は授業を優先し、高校課程の履習に支障があってはならないと考える。その一方で、子どもたちは就職においては自動車免許は不可欠で、また、就職の採用条件としても免許が必然と迫られている。この両立がならないか、要は子どもを真中において取り扱いを行うことです。
教育委員会とこの問題を議論した際、担当部局においては、高校生が自動車免許を取ることが良くないといったことが聞かれましたが、それこそ生徒指導の問題であって、高校側の現在の対応に論拠を与えるものではありません。就職目的ということや子どもの免許をとることが必要か否かに着目すればいいのです。
9月中旬から就活が始まるからそれ以前は教科の履習に専念させなければならないという県教委の理屈も必ずしも合理性のあるものとは思えません。なぜなら、9月中旬以降が許されるのなら、9月より前もって免許をとらせ、取得後に教科の履習に専念させればいいことで、そうした裁量を子どもにも与えてやることが必要ではないでしょうか。
個々の子どもに応じた教育指導というよりは、集団教育にこだわるから対応が消極的になるのではないかと思います。いずれにせよ学校現場と協議を重ね、許可の前倒しに取り組むよう改善を求めたいと思います。
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