中村新知事は「人が輝く長崎県」「産業が輝く長崎県」「地球が輝く長崎県」のキャッチコピ−を掲げ、新たな長崎県政の推進に意欲的です。
今回の6月補正では初の政策予算が計上されましたが、長年県政に携わってきた経験から、県民からこれまで求められてきた問題に対して、現時点でできる限りの対応をするなど、目配りのある姿勢を評価したいと思います。
その中村県政。今回の補正予算で措置された事業のひとつひとつについて論議する前に、掲げたキャッチコピ−を追求していくために、具体的にいかなる戦略・戦術をもって県政を推進していくのか、目標値も含めてその取り組み方の体系・基本的な枠組みを明確にしていかなければなりません。
その新たな県政推進の具現化のための作業が新たな長期総合計画の策定という形で示されることになります。
金子県政の出発にあたって策定された長期総合計画が、いみじくも本年度で終期を迎え、来年度から実施される新たな長期総合計画に中村カラ−をいかに盛り込むか、知事の洞察力と政策手腕が評価されるといっても過言ではありません。
県庁として各種事業は実施しているし、職員も仕事に頑張っています。
しかし人口の社会減についての対策、産業振興と雇用の拡充、県民所得の向上といった本県の命題についての成果はなかなか現れません。
そのためか県自身が実施した県民アンケ−トの調査結果では、県民の県政への満足度がこの10年間右肩下がりで、H12年度の満足計27.8%に対しH21年度は12.1%。同じくH12年度の不満計19.5%に対し、H21年度は29%。H12年度とH21年度では満足計と不満計が逆転してしまっています。
こうした評価を真摯に受け止め、今後の県政の推進にあたっては、力点の置きかたと実効ある施策や事業を十分練って定量的な成果を創り出すことがこれまで以上に求められています。
まさに中村知事の真骨張が試される部分です。
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