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全国被爆体験者協議会総会でのスピ−チ

第5回の全国被爆体験者協議会の総会が約320人の出席により三和公民館で開催されましたが、その折の私のスピ−チを記します。
総会には来賓として川越孝洋衆議院議員も出席しておりましたが、民主党の国会議員には耳の痛い話になったと思います。

 「この地で、この協議会が発足して7年になる。
7年も経って被爆体験者の問題が解決しないことに誠に腹立たしい思いだが、協議会の皆さんはこの間 いろいろありながらも着実な活動を展開されていることに敬意を表したい。

 当初、被爆体験者医療受給制度の不合理を突く取り組みであったが、いまや被爆体験者は被爆者であるというより本質的な問題解決へと活動が進化している。

 皆さんの活動によって、これまで県内居住要件の撤廃や、スクリ−ニング検査の改善を勝ち取ってきたように現在の取り組みにおいても必ず目的とする成果をつくり出さなければならない。

 そのためには、長年運動が続くなか、内部でいろいろなことがあっても、小異を捨てて大同について互いに支え合い一致団結して、前に進んでいかなければならない。
それは私たちに与えられた、ある意味、試練かもしれない。
しかし、裁判を含め私たちの取り組みを選択したのは私たち自身であるから、常に初心を持って進んでいこう。

 ところでこの被爆体験者を被爆者と差別する不合理な制度の廃止は、政治が大きく関与している。
かつての被爆地域の拡大要求に対する、ある意味、政治の妥協の産物といっても過言ではない。

 政治のはしくれに在る者として忸怩たる思いを禁じ得ないが、政治が創り出したものである以上、政治の力で解決しなければならない。
人を殺すのも政治なら人を救うのも政治であると誰かが言った言葉はその通りだと思う。

 そうした意味で数日前、それぞれに私費を投じて35人の仲間が国会や厚労省への要請活動のため上京した。
東京の雑踏の中を歩くのには骨が折れる人が多い。

 苦労して35人もの人が上京したのに、その際の民主党の国会議員の対応は疑問なしとしない。
なかんずく、本県選出の国会議員は犬塚氏が少し同席したぐらいで連絡していたにもかかわらず、あとは誰一人として出席しなかったことは何としたことか。
本人はもとより秘書すら来ない。

 政治は価値選択の行動であり、政策議題の中からの優先順位付けの作業である。
本県にとってこの問題は優先度の高い問題であるにもかかわらず、肝心なときに殆どの人が顔を出さないというのは、この問題を軽々に扱っていると思われても仕方がない。

 出席した他県の議員から笑われる。
率先した取り組みを信頼し期待しているだけに、もっとしっかりとした対応をお願いしたい。

 ともあれ、裁判に勝利することに腐心することはもとよりだが、今回のように裁判で自らの社会主義を世論に訴えていく取り組みはことさら重要である。

 問題解決へと導くのは、私たちの相対する当事者の心証を動かす世論に他ならない。
民主主義国家において、不合理な取り扱いを受けている人が、自らその解決のために必至で頑張らなければならないというのはまさに辛いことだが、現実には自分たちで解決するしかない。

 街頭でのアピ−ルや署名活動や国会等への反履した要請行動や、できることから一歩ずつ進めていこう。
これまでの皆さんの努力に心から敬意を表すとともに、今後更にこれまでにも増して皆さんのエネルギ−が2倍・3倍となっていくことを祈念する。」

以上、全国被爆体験者協議会顧問として、私のスピ−チです。
なお、今年度の活動方針として、新たな提訴を行う原告団を更に拡充することを確認しました。

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