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長崎元気塾(第1回)での講話

私の「これからの自治体運営のあり方」についての意見

1 本県の財政構造と行財政改革の現状について

・平成21年度予算での歳入状況は、ト−タル7,300億円のうち、県税収入は1,020億円で全体の約14%、 使用料・手数料等も含めた自主財源の総額は2,515億円で全体の約35%、残りの65%は地方交付税や国庫支出金、県債などの依存財源。
歳出状況は、人件費1,900億円で全体の28%、これに扶助費や公債費等を併せた義務的経費は3,650億円で全体の50%、公共事業費などの投資的経費は1,450億円で全体の約22%、残りは介護保険等の補助費などで全体の約28%。
経費一般財源に占める経常経費に充当する一般財源の割合である経常収支比率は100%で、つまり県民の税金は毎年決まって支払われる人件費や公債費に充てられるばかりで、投資的経費の財源とはなり得ていない。

・行財政改革として、給与構造改革として給与水準の4.8%引き下げを実施した他、行財政改革プランの実践で約155億円の歳出削減、収支構造改革で約165億円の収支改善効果を出しているものの、基本的に財政調整基金の枯渇をまぬかれることを目的としていることから、現在のような財政運営を続ける限りは行財政改革への取り組みがいつまでも必要。

2 市町村合併の成果

・究極の行財政改革である市町村合併は、地方交付税の総額を減らすことをねらいとする国の財政運営上の観点から国主導で行われた。
スケ−ルメリットを活かし、財政基盤を広げるとともに、共通経費を削減し、市町村の体力をつけるといううたい文句で行われたものの実際、削減できたものは特別職や議員の報酬ぐらいで目立ったものはなく、それぞれの財政需要への支出の必要性から財政状況は何ら好転していない。

・加えて交付税の算定替えにより、交付税が減額されないとの市町村側の誤解にかかわらず、国の三位一体の改革によって平成16年〜18年の3ヶ年で全国で総額5兆1千億円(本県で360億円)が縮減され、合併市町の財政運営を困難なものにしてしまった。

・また住民も合併によって公共投資の拡大や行政サ−ビス水準の向上を期待したものの、実際は旧町時代に比べ、受益は減り負担は増えるという地区が多いというのが現状。
問題は、地域の内発力を高める取り組みが行われているか、合併がそのこととどう関係しているかである。

3 これまでの地方分権改革と新たな地域主権型国づくり

・地方分権一括推進法とこれに続く地方への税財源の移譲に関する国の取り組みは、権限の一部を地方に移管したものの、事務の義務化、補助金による国の主導力は維持されたままで、裁量権を行使するために実質的に必要な財源は手当てされず、遂に、三位一体の改革にみられるように交付税の大幅な縮減により地方の財政を圧迫している。
所得税と住民税の負担割合の変更や地方消費税等いわば小出しの措置にとどまっていた。

・政権交代により鳩山内閣は、補助金の一括交付金化や地方六団体との政策協議の場の設置、国の地方機関の縮小化等により地域主権型国づくりを進めるとして制度設計に取り組む姿勢は、従来の自公政権時より強いものがある。

・しかしながら地方自治法や地方財政法の現行枠内での手法の改善は、本当の意味での地方の自立と活力の増大につながるか私としては疑問である。

4 協働型社会づくりへの取り組み

・行政対住民、サ−ビスの提供者対受益者という関係から住民と行政が役割分担と連携によって地域の課題解決に共に取り組む協働型社会くりを総合計画の理念に揚げ、そのための担当所管課を設置する自治体が多い。
しかしながら、ボランティア団体の育成、NPO法人の認証、行政の仕事のいわば隙間を埋める共同事業といった、行政が考える行政主導に よるボランティアの活用という色彩が強い。

・鳩山首相の提唱する協働型社会づくりの一環として社会貢献事業が実施されることになり、リ−ダ−研修の助成金や社会的事業の起業化について奨励金が支給されることになったイギリスのような市民による社会貢献産業の育成を目指している。

  ・問題は協働方社会づくりとして目指すものは何か、住民の地域運営に対する参加か、参画か、住民自身による自治か、そのことを明確にする必要がある。

5 私の提言
  〜地域社会を構成する各主体が担い手となる真の意味での自治社会の創造に向けて〜

・第一に、行政がひとり公共サ−ビスを担うという現状のあり方を根本から変革し、公益的団体や協同組合等に役割と権限を持たせ、自弁自収による事業展開方式も折り混ぜながら、公共サ−ビスの一端を担う分担型の提供の仕組みをつくる欧米型の都市で行われているCouncilやAgencyゃTrust、Sectorの仕組みによる自治体運営の仕組みをつくる中で、行政もチ−プガバメントにしていくことである。

・第二に、住民の自治能力を高めるための大胆な制度設計を行うことである。
重要な政策立案、政策決定に直接参画する権限と責任を住民に負わせることや、住民による自主事業・自主運営の機会を多角的に創り出すこと、更には議会の論議をより活発化し、その内容を住民に広くアピ−ルするということ等を通じて住民自治の原動力を高めていくことである。

・第三に、少子高齢社会にふさわしい各ライフステ−ジに応じた社会経済の構造改革を進めることである。
産業構造や賃金体系、住宅政策、社会保障制度の抜本的な改革を行う。
付加価値を高める高齢者には、金のかからない生活を可能にする、共助の仕組みを広げる等をキ−ワ−ドとして、財政出動によらない公共サ−ビスの提供を可能にするとともに、経済政策や産業政策を働くものの側から進めていくことである。

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