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障害者差別禁止法(条例)の制定に向けて

  1.  障がい者の人たちがJDAネットワーク組織をつくり、障害者差別禁止法や同条例の制定を求める動きがいま活発化しています。本県においても今年の2月JDA長崎が設立されるとともに、長崎市での第1回シンポジウムに引き続き、去る11月16日(日)大村市で第2回のシンポジウムが開催されました。
     私は、第1回のシンポジウムでパネラーをつとめるとともに、先の県議会本会議で同条例の制定に向けた県の取り組みについて一般質問を行いました。県議会の中で、この問題が取り上げられたのは初めてのことしたが、知事は「今年度見直し作業を行う障害者基本計画の施策の中で条例化の必要性を含めて積極的に検討する」と答弁し、JDA長崎の皆さんも条例制定に向けた作業が進められることを大いに期待しているところです。

  2.  国連においては、障害者権利条約が採択され、既に40数ヶ国において条約への批准とそれに基づく国内法の整備がなされていますが、わが国においては、未だこの条約の批准もなく、具体的な国内法も整備されていません。国会においては超党派の議員でこの問題に積極的に対応していこうとする動きもあり、民主党はマニフェストで障害者差別禁止法の制定を明確に掲げていますが、現在の政府与党においては遅々とした対応に終わっています。
     一方、日本弁護士連合会では、人権尊重の観点から障害者差別禁止法のサンプルを独自に策定し、法制化を促進する取り組みを行っており、また、地方自治団体においては千葉県が障害者差別禁止条例を独自に制定するといった先例が示されております。こうした現状を踏まえJDAのネットワーク組織がつくられ、その訴えが継続されています。

  3.  わが国おいては、障害者基本法が制定され、その中で、障がいを理由として差別をしてはならないこと、及び不利益な取り扱いをしてはならないことが明文化されていますが、この規定は抽象的で裁判規範性になり得ていないこと。即ち、何が差別であり、何が差別でないのか、具体的な基準が示されていないことから、障がい者が差別を受けたことを挙証する責任を負わされ、かつ、差別を受けながらも現実問題としてこれを甘受することを余儀なくされたり、あるいは逆に、実行者が差別であるという認識のないまま差別をする、さらには結果的に差別していることが放置されたりするといった社会的問題がそのままにされてしまっていることに裁判規範性をもった法律や条例を求める理由があります。加えて言えば、

    1. 障がい者に対する差別をなくす、権利・利益の侵害をなくすことについての国民の具体的な行動規範を明確にし、そのことを通じて、特に、合理的配慮に基づく措置の欠如(一定の配慮がないことで結果として社会から排除されてしまうこと)、即ち、不作為による結果差別が生じないよう国や自治体の施策や取り組みを助長させようという意義。

    2. 例えば、障害者自立支援法や障害年金制度のように、障害者権利条例に抵触するおそれのある法律や制度を改善しょうという意義。

    3. 障がい者の社会に対する能動的な取り組みや活動を助長し、障がいのある人もない人と同じようにその人らしくありのままに暮らすことができるバリアーのない社会づくりの大きな契機にしょうとういう意義。

      こうした意義をもって法律や条例の制定の促進が図られています。

  4.  そもそも障がい者が一人の人間として地域で生活していけるためには、福祉サービスを単に充実させるというだけでは不十分で、障害や障がい者に対する一般住民の理解を醸成し、誤解や偏見を解消するといった住民意識への働きかけが必要であり、また、そうした取り組みを住民運動的な普段の活動として展開していくことが求められますが、そのためには、障がい者への共通理解や差別禁止のためのルールづくりが不可欠です。
     また、これまでの事例からみると、悪意で差別している事例は少なく、多くは障がいに対する知識や理解がなく偏見が原因であること、何らかの支援や配慮がないことで、結果として社会から排除されるケースが多いこと。障がいがない人が考える差別と障がいのある人が感じる差別には大きなギャップがあり、そのギャップを埋めなければ障がいのある人が地域社会で暮らしていくことは難しいこと。何が差別であるのかが解らないと意図しなくても差別したと言われるのではないかという恐怖感や差別問題に対する拒絶反応が生じ、障がいのある人と障がいのない人での感情的対立が生じてくるといったことがり、こうしたことからも障がいのある人に対する差別は個人の良心に委ねられるのではなく県民共通の物差しである法律や条例で規定すべきであり、即ち、障害者差別禁止法や条例が必要だと言えます。

  5.  このため、何が差別か定義を明確にし、各行動類型・生活類型(福祉サービス、医療、雇用、教育、商品サービス、交通、建物、情報、不動産取引等)毎に、障がいを理由とした不利益取扱いと合理的配慮に基づく措置の欠如の禁止を明文化した障害者差別禁止法、同条例の制定に向けて、私としても努力をしたいと思います。
     ただし、その法律や条例の中には、差別をなくしていくための仕組みづくりを盛り込むとともに、差別をする側とされる側という対立構図を克服し、全ての人が暮らしやすい社会をつくるということを目的として、それに沿った内容にすることが大切だと考えます。

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