これまで改革21会派として県の予算や施策について要望書を提出していませんでしたが、日頃の政策活動づくり活動の集大成として今回から提出することにしました。
内容については たかひら元 が責任者としてとりまとめていますが、ご一読いただきご意見等お寄せいただければ幸いです。
なお、同じ内容を
PDFデータでも参照できます。
■
基本的な政策及び政治姿勢
1.県民の立場に立った優先度の高い政策の選択について
2.産業振興と雇用機会の拡充について
3.道路特定財源の一般財源化に伴う財源の柔軟な運用について
4.原油価格高騰対策の拡充について
5.離島振興対策の拡充について
6.九州新幹線西九州ルートの建設を契機とするまちづくりの推進について
7.県庁舎建設問題及び地方機関の再編統合問題への慎重な対応について
8.道州制の導入に対する取り組みの促進について
9.公平・公正な県政運営の確保について
■
知事公室関係
1.長崎県長期総合計画後期5カ年計画の推進と見直しについて
2.国際交流の拡充等による国際平和の推進について
3.米国艦船の長崎港入港回避等について
4.世界遺産登録に向けた積極的な取り組みついて
■
観光振興推進本部・企業振興・立地推進本部関係
1.ベンチャー創出関連事業の見直しを通じた実効ある事業の推進について
2.外国人観光客の誘致促進について
3.雲仙をはじめとする島原半島地域の観光振興への総合的な取り組みの促進について
■
防災危機管理監関係
1. 長崎県地震等防災対策アクションプランの充実・強化について
■
こども政策局関係>
1.長崎県子育て条例の制定に伴う、子育て支援の実施に関する事業の拡充について
2.放課後児童クラブの円滑な推進のための県の支援策の充実について
■
総務部関係
1.収支構造改革の一層の推進について
2.「県と市町の連携・役割分担に係る検討会議(仮称)」の設置について
3.政策評価制度の改善について
4.私学助成の充実強化について
■
地域振興部関係
1.市町村合併後の検証について
2.離島・半島地域等における交流人口等の拡大について
3.新たな過疎法の成立に向けた率先した取り組みについて
4.ORCの経営再建に係る多角的な検討と実効ある取り組みについて
5.離島航路の維持存続と運賃負担の軽減について
6.地方公共交通の維持拡充について
■
文化・スポーツ振興部関係
1.国体開催に係る経費の効率化について
■
県民生活部関係
1.消費者行政の推進のための組織機構等の見直しについて
2.原油高騰対策本部の機能強化について
3.食の安全・安心の確保のための取り組みの拡充について
■
環境部関係
1.地球温暖化防止対策の推進について
2.産業廃棄物の適正処理の確保について
3.閉鎖性内湾等の環境保全対策の推進について
■
福祉保健部関係
1.医師をはじめとする医療資源の確保対策について
2.休日・夜間等の第2次救急医療体制の充実について
3.療養病床転換計画への柔軟な対応について
4.つくも苑の施設建て替え問題への慎重な対応について
5.原爆被爆者援護対策の拡充及び迅速な取り組みについて
6.障がい者の雇用対策及び差別禁止のための取り組みの促進について
7.介護サービス事業所における介護職員の確保について
■
産業労働部関係
1.新卒者や若年層の県内雇用の拡大及び雇用格差の解消について
2.地場中小企業の育成支援対策の拡充強化について
3.障がい者雇用対策の実効ある取り組みについて
4.まちなか活性化の促進について
5.新エネルギー産業等の振興について
6.新たな工業団地の開発と既存工業団地の活用の促進について
■
農林部・水産部関係
1.食料自給率の向上と地産地消の推進について
2.食の安全・安心に資する食材の生産・加工について
3.県産品のブランド化の促進について
4.農林水産業におけるバイオマス等新エネルギーの生産による付加価値化の
5.鳥獣被害防止対策について
6.離島地域における養殖業の展開に係る隘路の改善について
7.有明海沿岸漁業の再生に向けた各種対策の拡充について
■
土木部関係
1.公共建設工事の発注方式の改善について
2.公契約条例の制定について
3.アスベスト対策の推進について
4.公共工事の実施における環境保全対策の推進について
5.緊急不況対策小規模改修事業の拡充について
6.建設不況打開のための緊急対策の実施について
7.生活圏内の国道・県道の整備の推進について
■
教育庁関係
1.県立高校の教育改革について
2学校の耐震化事業の拡充について
3.障がい者特別支援教育の拡充について
4.教員の採用及び昇任について
5.図書等の拡充による学校教育の推進について
■
病院局関係
1長崎県病院企業団を構成する病院の今後の再編整備について
1. 県民の立場に立った優先度の高い政策の選択について
要旨
県政の運営にあたっては、これまでの事業や施策を検証しつつ、医療・福祉・教育・消費者対策等、県民のくらし、県民の立場に立った施策を第一義として、一層の推進を図られたい。
理由
本県においては、県政の課題が山積する一方で益々厳しい財政運営が強いられており、今般の中期財政見直しにおいても県政のあり方としてさらなる改革の必要性が明示されている。こうした状況においては、これまでの手法や枠組みにとどまることなく新たな視点や発想を取り入れた施策を推進するとともに、常に県民のくらしを守ることを最優先とする予算の配分が大切である。
2. 産業振興と雇用機会の拡充について
要旨
本県の長年の懸案であり喫緊の課題でもある産業の振興と雇用機会の拡充について、県の総力をあげて、より実効ある施策を講じられたい。
理由
有効求人倍率が県内で0.25から0.70(本年9月末現在)と全国でも低クラスに甘んじている雇用情勢が人口の社会減を生み自然減とも相まって本県の人口減と活力の低下の最大の要因となっている。このため、地場企業の育成支援や企業誘致の推進、一次産業の振興等にこれまでにも増した思い切った実効ある施策を実施していく必要がある。また、建設業等地場の中小零細の事業所の新事業展開についてのより積極的な支援策が求められている。
3. 道路特定財源の一般財源化に伴う財源の柔軟な運用について
要旨
来年度から施行予定の道路特定財源の一般財源化にあたっては、国に対し、当該財源を地方自治体に交付税としての交付を求め、本県の優先課題に対応する財源として柔軟な運用を図られたい。
理由
道路特定財源の一般財源化は、国主導の道路行政から、地方自治体の裁量による道路行政へと転換するとともに、道路予算総枠についての弾力的運用を図ることに、本来的な意義がある。したがって、財源運営にあたっては、真に必要な道路整備のための財源を確保することと併せて、他の必要な政策分野の充当財源としての活用も十分に配慮していく必要がある。
4. 原油価格高騰対策の拡充について
要旨
農業、漁業、運輸業、製造業等 原油価格高騰により厳しい経営を余儀なくされている事業者に対する緊急の支援策の拡充を図ること。
理由
原油価格高騰対策については、平成20年度9月補正予算で総額7億1400万円が計上されたところであるが、事業の採択要件が厳しいため需要者にとって活用ができないものや、事業費枠が小さいために需要量に応えられないもの、あるいは、新たな需要に対して事業メニューが整備されていない等、本県の産業振興や県民生活の安定を図るうえから実態に即した対策の拡充をなお必要としており、国への制度要望と併せて県としての積極的な取り組みが求められる。
5. 離島振興対策の拡充について
要旨
産業の低迷・若年者の島外流出・高齢化の進展・生活コストの増大等深刻な社会経済状況にある離島地域の住民の暮らしを守るための実効ある施策の拡充を図られたい。
理由
これまでの離島振興対策は本土とは異なる離島特有の社会環境条件に利する政策が欠落し、経済の根幹をなす税制や経済特区的な位置づけによる施策のあり方の検討がなされてこなかった。地方分権の推進の中で離島の地勢や人口規模に応じた制度設計に本格的に取り組む必要がある。
6. 九州新幹線西九州ルートの建設を契機とするまちづくりの推進について
要旨
九州新幹線西九州ルートの建設を契機として、大村市、諌早市、長崎市等の都市再生に向けた都市経営の戦略づくりや都市整備のグランドデザインの策定を推進されたい。
理由
九州新幹線西九州ルートの建設が着工されたことから、その完成を見越して新幹線を道具としての本県の活性化策を講じる必要がある。特に新幹線駅が建設される予定の大村市・諌早市・長崎市等においては交流人口の拡大や第三次産業の振興等都市経営の戦略づくりや市街地の都市整備についてのグランドデザインの早急な策定が必要である。
7. 県庁舎建設問題及び地方機関の再編統合問題への慎重な対応について
要旨
県庁舎建設問題及び地方機関の再編統合問題については、県民世論が分かれ、かつ、今後の県政運営に重大な影響を与えることから、多角的な論議を通じた十分慎重な対応を図られたい。
理由
県庁舎建設問題については、民間の県庁舎整備懇話会の他に県議会においても特別委員会が設置され基本的な方針について協議がなされている。また、地方機関の再編統合の問題については職員組合をはじめ関係市町からの原案に対する異論が提示されている状況にある。こうした実情や、両問題については多額の経費を支出することはもとより、今後の県政運営に重大な影響を与えることから、十分慎重な対応が必要である。
8. 道州制の導入に対する取り組みの促進について
要旨
地方の再生とわが国の発展のためには、道州制による地方分権型の国家統治制度を構築していく必要があることから、制度設計についての十分な論議と導入に向けた取り組みを促進されたい。
理由
今後、県政推進のあり方に道州制の動向が大きく関わっているばかりか、国・地方の合意形成により、その制度設計の方向性が可能な限り早期に明示され、わが国の将来展望と地方の再生に向けた取り組み方がオーソライズされることを県民の多くが期待をしている。このため、あらゆる機会において、地方レベルでの論議を加速させるとともに、国の道州制導入に向けた取り組みをより積極的に促進する必要がある。
9. 公平・公正な県政運営の確保について
要旨
政治的中立を旨とし、全ての県民のために公平・公正な県政を推進するとともに、施策立案や論議の過程を含めたより開かれた県政の一層の推進に努められたい。
理由
国においては政党間の政策論争が活発に行われているが、地方公共体たる本県の県政運営にあたっては、一党一派に組みすることなく政治的中立を基本とし、知事を先頭とする理事者と議会とが両輪となって公平・公正な立場で県民福利の向上と県政発展に努めていかなければならない。また、県民に対しては積極的な情報提供と説明責任を果たしていくことが県政運営にあたっては不可欠である。
基本的な政策及び政治姿勢
1. 長崎県長期総合計画後期5カ年計画の推進と見直しについて
要旨
本県振興の基本計画である長崎県長期総合計画後期5カ年計画について進捗状況を十分検証するとともに、計画の達成に寄与する施策のあり方を十分検討されたい。
理由
後期5カ年計画に掲げる指標のうち、その達成状況において、現在40%以下というものが半数以上を占めることは、計画期間からみて施策や事業の一層の推進が求められる。このため、特に重点プロジェクトの中核をなす事業の見直しをはじめ、追加事業の実施や相乗効果を生み出すための事業の総合化等、スクラップアンドビルドを徹底して行い、計画の達成に向けた全庁的な取り組みを加速する必要がある。併せて、社会情勢の変化に対応した迅速な課題整理と新たな方策等を同時に実施していく必要がある。
2. 国際交流の拡充等による国際平和の推進について
要旨
被爆県長崎として国際交流の拡充等による国際平和の推進をより積極的に展開されたい。
理由
先のNSG臨時総会において、米国のインドに対する核関連技術等の提供を求める例外措置が承諾されたことは、核兵器不拡散条約(NPT)や包括的核実験禁止条約(CTBT)の形骸化が一層懸念される状況にあり被爆県長崎として極めて遺憾である。かかる情勢において、核兵器廃絶・恒久平和の実現を強く求める被爆県長崎としてはそのための情報発信を様々な手法を通じてこれまでにも増して行うとともに、国際交流の拡充を通じて国際平和の推進に積極的に取り組む必要がある。
3. 米国艦船の長崎港入港回避等について
要旨
米国艦船の長崎港入港を回避する措置を講じるとともに、原子力艦船の佐世保入港に係る監視態勢・防災体制を確立されたい。
理由
被爆地長崎の県民感情を踏まえ、米国艦船の長崎港入港については外務省及び米国政府に対して回避するよう常に要請しておくとともに、非核神戸方式、即ち外国軍の艦船に核兵器を搭載していないことを証明する「非核証明書」の提出を義務づける条例の整備についても積極的に検討する必要がある。また、原子力艦船ヒューストンの放射性物質を含む冷却水の漏洩が発覚したことから、監視態勢・防災体制を早期に確立する必要がある。
4. 世界遺産登録に向けた積極的な取り組みついて
要旨
「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」の他に、「九州・山口の近代化産業遺産群」についても世界遺産登録に向けた取り組みを推進されたい。
理由
世界遺産への登録は、県民に誇りと自信を与え、本県の歴史・文化に対する県民の理解がさらに深まるとともに、そのすばらしさを国内外に発信する絶好の機会であり、観光をはじめ地域の活性につながることから積極的な取り組みが望まれる。このため、長崎の教会群とキリスト教関連遺産はもとより、端島(軍艦島)や小菅の修船場など本県の構成遺産4件を含む九州・山口の近代化産業遺産群についても世界遺産登録に向けた取り組みを促進すべきである。
1. ベンチャー創出関連事業の見直しを通じた実効ある事業の推進について
要旨
ベンチャー企業の創出・育成支援のあり方を十分検討するとともに、関係機関・団体等とのネットワークのもとにベンチャー創出関連事業について実効ある取り組みを図られたい。
理由
リーディング事業となることを期待したものの大学等発ベンチャー創出事業1億円枠でのバイオラボ社の取り組みは結果として経営破たんに陥り県民の多額の投資を毀損した。かかる反省に立って、ベンチャーキャピタルやベンチャー事業に実績を持つ専門家の指導助言や情報提供を得つつ事業推進の人的資源をより確保するなど実施体制を拡充するとともに、中小企業基盤整備機構との連携を強化するなどベンチャー創出関連事業の実効性を高める必要がある。
2. 外国人観光客の誘致促進について
要旨
本県観光の振興にかかせない近隣諸国からの観光客の誘致を行政・民間一体となってさらに促進するとともに、訪問地としてあるべき諸条件の整備に努められたい。
理由
本県観光の振興にとって韓国・中国・台湾からの観光客の増加を図ることは不可欠である。このため、観光振興推進本部を中心にセールスプロモーションに努めているものの、観光事業者、観光の第一次受益者、市町等とのより広範な推進体制の中でツアー商品の販売や本県の観光資源の宣伝普及を拡充する必要がある。また、来訪者のための便益性向上やニーズに応えるための方策を官民の役割分担のもと更に整える必要がある。
3. 雲仙をはじめとする島原半島地域の観光振興への総合的な取り組みの促進について
要旨
歴史的にも本県の代表的な観光地である雲仙をはじめ、島原半島地域の観光振興のための、総合的な取り組みを促進されたい。
理由
雲仙はかつてわが国を代表する観光地・保養地として栄えたものの、観光形態が変化する中で観光客が減少し、旅館・ホテルの淘汰と経営悪化が続いている。これと併せて島原・小浜等の観光地も入込客数が減少し、地域の活力低下を招いている。このような現状にあって今般国内発のジオパークの指定に向けた取り組みが進められているとともに、雲仙市においては振興対策協議会を設置するなど観光の振興に力点を置いている。こうしたことから県としても主体的な役割をもった総合的な取り組みが必要である。
1. 長崎県地震等防災対策アクションプランの充実・強化について
要旨
長崎県地震等防災対策アクションプランに定める各種項目を着実に推進し、本県における地震等防災対策の充実・強化を図られたい。
理由
いつでもどこでも起こりうる地震等災害に備え、自助・共助・公助の連携により安全・安心な地域社会を実現することは行政の第一義的な使命である。特に本県においては、地形・地質の特性による課題はもとより人口及び建物の特性による課題も多いことから他県にも増した防災対策が求められる。このため、具体的な数値目標を含む10カ年計画である長崎県地震等防災対策アクションプランの着実な推進が必要である。
1. 長崎県子育て条例の制定に伴う、子育て支援の実施に関する事業の拡充について
要旨
少子社会が進展する中、子育てに関する県の施策の基本となる事項を定めた「長崎県子育て条例」の制定を契機として、少子化対策や子どもの健全育成、児童虐待や、いじめの防止等の推進に資する事業の拡充を図られたい。
理由
長崎県子育て条例の制定に伴う条例の普及、啓発及び県民総ぐるみの子育て支援の実施に要する事業として、平成20年度の9月補正で長崎県子育て条例実践プロジェクト事業が予算化されたが、全体事業費が440万円であり、事業の実施効果が期待できない。これまでの事業内容を検証し、スクラップ アンドビルドを行うとともに、事業の拡充が必要である。
2. 放課後児童クラブの円滑な推進のための県の支援策の充実について
要旨
新たに策定した「長崎県放課後児童クラブ設置運営基準」に基づき、放課後児童クラブの各民間運営主体の主体的な内容改善についての取り組みに対する財政支援の拡充を図られたい。
理由
県内放課後児童クラブにおいては、施設、設備面や運営指導員の雇用・資質の向上等において、まだまだ不十分な実態であり、加えて、71人以上のクラブ分割に係る大規模クラブの問題で、県内約50クラブが該当し、来年度末迄の早急な対応が求められていることなどから、これまでにも増した県の財政支援の拡充が必要である。
1. 収支構造改革の一層の推進について
要旨
歳入面では遊休資産の売却や県税等の収納率の向上、歳出面では内部管理経費の一層の削減及び事業の見直し等により、収支構造改革への取り組みを一層推進されたい。
理由
地方交付税や国庫支出金の大幅な削減に伴い、自主財源に乏しい本県においては厳しい財政運営を強いられる一方、県勢浮揚のための課題が山積している。このため今年度から新たに取り組んでいる収支構造改革においては着実な実施により歳入の増加対策と併せて徹底した経費の削減と効率的な事業執行により一層取り組む必要がある。
2. 「県と市町の連携・役割分担に係る検討会議(仮称)」の設置について
要旨
地方分権型社会づくりを進めていくうえで、「県と市町の連携・役割分担に係る検討会議(仮称)」を設置し、今後のあり方を整理する中で県の組織や地方機関の見直しを図られたい。
理由
地方分権型社会づくりが時代の潮流となり、かつ、基礎的自治体である市町の役割強化が求められる中において、これまで県と市町の連携・役割分担に係る各般の検討の場が設けられておらず、両自治体間の今後のあり方が明確にされていない。こうした反面、県は地方機関の再編整備を強力に進めようとしているが、それは理念なき改革であると言わざるを得ない。このため「県と市町の連携・役割分担に係る検討会議(仮称)」を設置し、今後のあり方を整理する中で県の組織や地方機関の見直しを検討することが必要である。
3. 政策評価制度の改善について
要旨
事業評価・施策評価を行っている政策評価制度についてその意義を十分発揮するため実施内容及び評価手法について改善を図られたい。
理由
毎年数多くの事業について実施されている事業評価については、膨大な評価作業の労に反して予算面での反映や事業の一層の適正化・効率化が十分に発揮されてない。加えて、各所管課における一次評価が必ずしも適正になされていると言えないものもある。また、施策評価についても政策課題への施策の有用度についての評価が十分ではない。このため政策評価制度の本来の意義に立ち返り現行の実施内容や評価手法の改善を行う必要である。
4. 私学助成の充実強化について
要旨
教育条件の維持向上と保護者の経済的負担の軽減、並びに私立学校の経営の健全化の確保の観点から、私学助成の充実強化を図られたい。
理由
本県においては、高校生の約3割が私立学校に通うなど私立学校は本県教育の中で重要な役割を担っているものの、私立学校の経営の状況は従来に例をみない厳しい状況に直面しており、少子化による生徒数の大幅な減少等は私立学校の存続をも大きく揺るがしている。このため、私立学校振興法第1条の規定を遵守し、現行の私学助成を充実強化するため国に制度改善を強く求めるとともに、県としても継ぎ足し補助や独自の助成制度を措置する必要がある。
1. 市町村合併後の検証について
要旨
市町村合併という行政枠組みの広域化が真に各地域の振興に寄与しているか住民の意識調査を含め十分な検証をし、必要な施策の推進を図られたい。
理由
財政基盤とスケールメリットによる行政体制の強化を主眼とする市町村合併が本県ではとりわけ進められてきたが合併市町の多くの住民からは公共サービスの受益が減る一方、負担は増え、行政コストの削減も見られない中で地域振興の事業も減少してしまったという声が多く寄せられている。このため合併後の市町の実態を十分検証するとともに県としても必要な地域振興施策を積極的に推進する必要がある。
2. 離島・半島地域等における交流人口等の拡大について
要旨
離島・半島や過疎地域の活性化のためU・Iターンの促進、都市と農山漁村の共生・対流促進など交流人口等の拡大についての積極的な施策を展開されたい。
理由
離島・半島や過疎地域においては若年層の流出とともに高齢化率が高く、地域の活力が失われつつあり、地域のコミュニティが崩壊する寸前の限界集落という捉え方さえ行われる地域も存在するに至っている。しかしその一方で、優れた自然環境や新鮮な食材、観光資源等、都会にはない価値や新たなライフスタイルを求める都市住民に魅力となる資源を有している。このため、これまでの地域振興の手法にとどまらず、移入人口や交流人口に力点を置いた取り組みが必要である。
3. 新たな過疎法の成立に向けた率先した取り組みについて
要旨
現行の「過疎地域自立促進特別措置法」が平成21年度で期限切れとなるにあたり、多くの離島・半島過疎地域を抱える本県が率先して、新法制定に向けた取り組みを行われたい。
理由
現行過疎法が平成22年3月で期限切れになるとともに、法の施行に伴う各種施策や事業が実施されてきたものの未だ過疎地域は過疎がより進行している地域が多い。このため、過疎地域を多く抱える本県にとっては、ハンディキャップ地域の振興に欠かせない過疎法をこれまでの施策のあり方の検証のうえに立った新たな視点からの振興策等を盛り込んだ内容として充実を図り、新たに制定されるよう全国に率先した取り組みを行う必要がある
4. ORCの経営再建に係る多角的な検討と実効ある取り組みについて
要旨
ORCの経営再建については、将来にわたる離島航空路が確保されるよう会社の経営安定化について多角的な検討を行い実効ある方策を講じられたい。
理由
ORCの経営再建については、離島航空路再生協議会を設置し、収支改善策や財務基盤の強化策なども盛り込んだ再生スキームを検討中であるが、現段階における案は持続的に安定した会社経営が確保されるか懸念されるとともに、一部関係市町の反発も招いている。このため、県が関与する他の関係会社との合併や事業運行体制の抜本的な見通し等も含め、多角的な検討を行い実効ある方策を講じることが必要である。
5. 離島航路の維持存続と運賃負担の軽減について
要旨
離島航路補助制度の抜本的拡充を国に対して強く求めるとともに、離島住民の基幹的な交通インフラであることから、運賃負担の軽減に県としても積極的な取り組みを行われたい。
理由
燃油費高騰の影響等を理由として現在、11月1日から九州郵船株式会社は博多〜壱岐〜対馬航路のジェットフォイルとフェリーを減便しているが、従来の離島航路の維持に関する対策のみでは離島住民に対するしわ寄せが益々拡大するおそれがある。このため、離島航路の補助制度の改善に向けた具体的な制度設計が早急に行われるよう国に強く求めるとともに、利用者の運賃負担の軽減に県としても積極的な取り組みを行う必要がある。
6. 地方公共交通の維持拡充について
要旨
県内各地域における乗合バスの路線確保をはじめ、島原鉄道・松浦鉄道の将来にわたる存続及びタクシーの利用促進のため、地方公共交通の維持拡充の対策を講じられたい。
理由
乗合バスは利用者数の減少を理由として運行事業者において不採算路線を廃止していくことが懸念される。また、島原鉄道・松浦鉄道は経営基盤が弱いため長期的に自立した経営が行えるよう行政による財政支援が必要である。さらに、公共交通であるタクシーについてもタクシーベイの設置などにより安全性と円滑な運行の確保が求められている。こうしたことから、必要な補助事業費の増額や施設整備の促進による地方公共交通の維持拡充が必要である。
1. 国体開催に係る経費の効率化について
要旨
平成26年開催予定の本県における国体の開催経費は必要最小限にとどめるとの基本方針のもとに効率的な事業計画を編成するとともに、関連事業の実施についても慎重な取り扱いをされたい。
理由
国体開催経費に充当するため毎年度10億円の積み立てを実施するとともに、関連事業として県立運動公園の競技場改修費に50億円以上もの多額の経費を投じることで計画が進められている。しかしながら、国体開催についての費用対効果の検証がないまま現在のひっ迫した財政状況の中で多額の経費を支出する計画は県民の理解を得ることが難しい。このため、既存施設の有効活用や運営経費を縮減する事業計画とするよう努めることが求められる。
1. 消費者行政の推進のための組織機構等の見直しについて
要旨
来年度当初の、国の消費庁の設置に合わせ、本県においても、消費者行政の一層の推進を図るため、所要の組織改正や、所管事務の拡充、及び必要な事業の実施等を図られたい。
理由
消費者庁の設置に伴い、国においては、消費者問題への相談事業の拡充、消費者行政の企画・立案機能の強化、並びに都道府県との連携強化等が図られる予定であることから、本県としても、これに呼応した体制の整備を行うとともに、所要の課題への一層の取り組みを推進する必要がある。
2. 原油高騰対策本部の機能強化について
要旨
本県として特に、原油高騰対策本部を設置した意義を具現化するため、事務局機能の拡充など、庁内の総合調整の在り方として、より効果的な仕組みを構築されたい。
理由
庁内に原油高騰対策本部が設置されたものの、それまで各部局が独自に取り組んできた状況と比べ、実体として何ら変わるべきものがない。このため、県の総合力をあげて原油高騰対策に取り組むという目的・ねらいに資する本部とするため、事務局機能の拡充や所掌業務の見直し等を行う必要がある。
3. 食の安全・安心の確保のための取り組みの拡充について
要旨
食品の偽装表示や、食の安全を脅かす農薬等の原材料への混入事件等が相次いでいることから、食品衛生の監視体制の強化をはじめ、食の安全・安心の確保のための取り組みを拡充されたい。
理由
食の安全・安心の確保は、県民のくらしを守るための最重要課題のひとつであることから、昨今の各種事件の多発性に鑑み、JAS法や景品表示法の運用にとどまらず、HACCP制度の普及とそれに伴う食品流通過程の明確化など、より安全を確保するための制度や方策を積極的に講じていく必要がある。
1. 地球温暖化防止対策の推進について
要旨
京都議定書に基づく本県の二酸化炭素排出削減目標を達成するために、これまでの事業や対策を拡充するとともに、新たに、より効果的な施策の実施を図られたい。
理由
本県の二酸化炭素排出削減目標は平成2年の排出量835万トンを平成21年度末で785万トンにすることであるが、直近測定値である平成17年は890万トンと基準年より逆に増加している。このため、削減にむけた効果的な取り組みを促進する必要があり、従来の事業に加えて、新たな規制的手法や経済政策・産業政策と結びついた環境政策の推進を図る必要がある。
2. 産業廃棄物の適正処理の確保について
要旨
県外産業廃棄物の搬入及び処理施設の設置の適正確保、並びに民間最終処分場管理者の各種法定規準の遵守の徹底を図るとともに、漂流・漂着ごみ対策の市町負担の軽減等、適切な対策を講じられたい。
理由
長崎県産業廃棄物適正指導要網の改正に伴い、県外産業廃棄物の搬入等に対する監視機能を強化するとともに、民間最終処分場において水質汚濁防止法に定める基準値を超える有害物質の排出事件の発生がみられることから、同じく監視の強化や改善指示等の徹底等を図る必要がある。また、漂流・漂着ごみに対する市町の負担を軽減する必要がある。
3. 閉鎖性内湾等の環境保全対策の推進について
要旨
諫早湾干拓調整池・大村湾・有明海の環境保全対策を従来に増して強力に推進し、水産資源をはじめとする地域資源と良好な自然環境の再生を図られたい。
理由
「第2期諫早湾干拓調整池水辺環境の保全と創造のための行動計画」「大村湾環境保全・活性化行動計画」「有明海の再生に関する長崎県計画」等が策定されているが、水質環境基準の未達成や水産資源の減少・枯渇等計画の進捗が十分でないことから社会的問題まで発生している状況にある。このため、各種計画について実効ある取り組みを加速させる必要がある。
1. 医師をはじめとする医療資源の確保対策について
要旨
医師確保緊急対策資金貸与制度、自治医科大学修学資金貸与制度、ナースセンター事業費、看護師等育成対策費等の拡充により、医療資源の確保対策を増進されたい。
理由
新臨床医研修制度の定着等に起因し、本県においては病院勤務医や離島・へき地の医師不足が顕著であるとともに、看護師についても病院の7対1看護の導入により、病院・診療所間での偏在が生じており、各地域の必要な医療水準の低下が懸念されている。
このため、県単独措置としての医療資源の確保対策の拡充が不可欠である。
2. 休日・夜間等の第2次救急医療体制の充実について
要旨
地域の実情に応じた病院群輪番制方式等による休日・夜間等の第2次救急医療体制の整備の充実に、県としても積極的な取り組みを行うとともに、救急相談窓口の拡充を図られたい。
理由
病院群輪番制病院等においては、病院毎の患者の受け入れ体制が異なるために、病院運営に支障をきたしている病院が見受けられること、また、診療科目によっては夜間の受け入れ体制がないために患者の大きな負担となっていること等から、体制の充実に県としても積極的に取り組むとともに、現行の小児救急に限らず相談窓口の拡充を図る必要がある。
3. 療養病床転換計画への柔軟な対応について
要旨
療養病床転換計画については、医療費圧縮のための削減ありきではなく、転換対象となる患者への適正医療の確保を基本として見直しを含めた柔軟な対応を図られたい。
理由
県の療養病床転換計画は、医療病床を5648床から4581床に削減し、療養病床の2175床を全廃する計画であるが、平成20年8月1日現在老健施設等の介護事業所への転換は18床のみである。これはそもそも医療報酬と介護報酬の差異や医師の配置数の違いなど、制度上の不備に基因していることから、同計画については、今後見直しを含め柔軟な対応が求められる。
4. つくも苑の施設建て替え問題への慎重な対応について
要旨
つくも苑の施設建て替えについては、その建設場所を巡り県民の間で議論が分かれているとともに、仮に、現在地から別地に移転する場合は、適切な跡地対策も講じるなど慎重な対応を図られたい。
理由
つくも苑の施設建て替えについて、現在地での実施を求める陳情と市街地への移転新築を求める陳情が議会に提出され、入所者を含め地元関係者において意見が分かれていることから、方針決定にあたっては慎重な対応を行うとともに、仮に移転する場合は現在地周辺の地域振興に与える影響が大きいことなどから適切な跡地対策を講じる必要がある。
5. 原爆被爆者援護対策の拡充及び迅速な取り組みについて
要旨
国の新たな基準に基づく原爆症認定作業の迅速化、原爆被爆体験者への援護対策の適正化等、被爆県民を抱える本県として国の援護対策の拡充について、より積極的な働きかけをされたい。
理由
原爆症の認定基準の改正に伴い、認定件数は増加したものの、申請件数の大幅な増加に対する認定作業の対応が不十分なため大多数が積み残しになっていることや、原爆被爆体験者への不合理な援護対策の早急な改善を求める当事者の強い要望がなされていること等から、国の原爆被爆者援護対策の拡充を早期に確保する必要がある。
6. 障がい者の雇用対策及び差別禁止のための取り組みの促進について
要旨
障害者自立支援法に基づく障がい者の就労支援対策を拡充するとともに、障害者差別禁止法の実効性を確保するための条例の制定など施策の推進を図られたい。
理由
ハローワークへの障がい者の有効求職者は大半が就職できず、地域での 生活に大きな障壁となっており、また、自宅就労を希望する障がい者への支援対策が現状においては極めて手薄であることから、関係機関との連携のもとに障がい者の雇用対策を促進するとともに、社会的に弱い立場にある障がい者の権利確保を求める障がい者団体等からの要望が強い。
7. 介護サービス事業所における介護職員の確保について
要旨
介護職員確保のため、給与の引き上げ等労働条件を改善する必要があることから、介護サービス事業所の経費負担に対する財政支援等、介護制度の改善を図られたい。
理由
現在の介護サービス事業所の介護職員に対する給与の支払い額の多くは、本県の最低賃金レベルにあることから、介護職員の生活の安定に大きな支障をきたしている。さらに、パート職員の賃金はこれをより下回る状況にある。こうした状況を放置すれば、介護の担い手を失う危険さえあることから、早急に介護職員の労働条件の向上のための介護制度の改善を図る必要がある。
1. 新卒者や若年層の県内雇用の拡大及び雇用格差の解消について
要旨
本県の長年の懸案である新卒者や若年層の雇用問題について、より有効な方策を講じるとともに、近年の雇用格差の問題に県としても積極的な方策を実施されたい。
理由
新卒者や若年層の県内定着を図るため、これまで新規学卒者県内就職推進事業等を実施しているところであるが、近年の厳しい経済情勢のもとでは、従来にも増した産業振興施策と併せて、徹底した県内就職支援策を行う必要がある。また、事業主に対して正規雇用を求めるとともに、非正規従業員の労働条件の改善のための取り組みを促進する方策を行政としても講じる必要がある。
2. 地場中小企業の育成支援対策の拡充強化について
要旨
厳しい経営環境にある地場中小企業の経営安定化策を更に拡充するとともに、新事業展開や企業合併、企業間の事業のマッチング等、経営体質を強化するための支援策を拡充強化されたい。
理由
本県の地場中小企業の多くは長引く景気低迷の中で受注機会が少なく、かつ、市場競争力がぜい弱なため厳しい経営状況にあり、さらなる経済環境の後退が進めば倒産の危険さえ懸念される。このため、地場企業支援ファンド等の拡充、制度資金の貸付条件の緩和をはじめ、一定条件のもとでの新事業展開等の取り組みに対する補助制度等の支援策を講じる必要がある。併せて、中小企業における雇用の安定と適正な労働条件の確保のための支援策が求められている。
3. 障がい者雇用対策の実効ある取り組みについて
要旨
障がい者の雇用対策を促進するため、県をはじめとする関係機関・団体の連携による総合的な推進体制を構築するとともに、既存メニューの実効性を検証し、より成果を生む対策を講じられたい。
理由
障がい者の雇用については、雇用政策・福祉政策の両面から国・県・ハローワーク等の各種機関において取り組まれているものの、障がいの内容や個々の障がいの程度に応じた障がい者のニーズに十分応えられていないとともに、更には、就業と生活の両面からのサポート体制が十分でないために就労の継続が難しいといった状況にある。このため、現行の支援メニューを障がい者の実態に即したものとして運用が図られるよう種々改善を行う必要がある。
4. まちなか活性化の促進について
要旨
コンパクトシティの構築に向けて、市町が取り組むまちなか活性化事業に対する支援を拡充するとともに、まちなか活性化基本計画の進捗について県としても主体的な役割をもって取り組まれたい。
理由
まちなか商業の振興、まちなか居住の推進、公共施設の整備・改善、公共交通の利便向上等、まちなか活性化は都市政策上極めて重要である。このため、現行のまちなか活性化推進事業の拡充と補助率の嵩上げを行うとともに、まちなか活性化のために県としても主体的な役割を担い、各種事業を積極的に展開することが重要である。
5. 新エネルギー産業等の振興について
要旨
21世紀の産業をリードするもののひとつである新エネルギー産業をはじめ、市場が拡大する環境関連産業の育成・集積に思いきった施策を講じられたい。
理由
新エネルギー・環境関連産業の世界市場は拡大し、エネルギー使用の合理化と新エネルギー開発の事業は急成長しつつある。地球温暖化防止対策について重要な役割を担うこうした環境産業の潮流を把え、この分野への県内企業の進出を促進し、新たな産業集積を形成するためのインフラ整備や県内の未利用資源を活かした積極的な施策の展開を図る必要がある。
6. 新たな工業団地の開発と既存工業団地の活用の促進について
要旨
本県産業の振興について不可欠な企業誘致や県内企業の新事業展開・新分野進出等を推進するため、県が事業主体となった新たな工業団地の開発に取り組むとともに、既存の未利用地が残る工業団地の活用を促進されたい。
理由
県は、波佐見町での工業団地の造成を区切りとして、今後の工業団地の整備は市町が主体となって行うべきであるとしているが、市町の財政規模と体制の実態からは、本県の産業振興に有効な団地造成は不可能である。このため、県が主体となって工業団地の計画的な造成を引き続き実施するとともに、未利用地が残る既存工業団地の活用に積極的な取り組みを行う必要がある。
1. 食料自給率の向上と地産地消の推進について
要旨
わが国の喫緊の課題である食料自給率の向上について、本県としても率先してこれまでの手法や枠組みにとどまらない生産方式の導入も含めた生産体制の強化を図るとともに、地産地消の一層の取り組みの促進を図られたい。
理由
わが国の食料自給率は先進諸国の中で最も低く、食料安全保障上極めて憂慮すべき事態にあるとともに、食の安全・安心を確保するうえからも、自給率の向上が喫緊の課題となっている。このため地域営農の牽引役となる中核機関や集団の設置、並びに資源管理型漁業の拡大・共同操業の推進等新たな生産方式の導入等を図りつつ食料生産の拡大を図るとともに、生業としての耕作の付加価値化や新たな流通チャンネルの開設等による地産地消を促進する必要がある。
2. 食の安全・安心に資する食材の生産・加工について
要旨
食品の最終消費に至るまでの各工程におけるチェック体制の不備等により食の安全・安心が揺らいでいることから、農産品・水産品の生産〜加工段階における適正処理の確保に努められたい。
理由
産地偽装表示、食品への有害物質の混入、汚染米の不正転売等、食の安全・安心が脅かされる現状にあることから、生産段階における農薬他化学薬品の適正使用の管理強化及び、有機農業の普及によるエコファーマーの拡充並びに漁村加工等加工段階における処理工程の品質管理の徹底等、農林・水産分野におけるチェック体制を充実強化する必要がある。
3. 県産品のブランド化の促進について
要旨
本県の農水産物の中から高い付加価値をもった全国に通じるブランド産品の品目拡大と安定出荷を確保するため、高品質・安定生産及び新品種育成のための技術開発や体制整備等総合的な取り組みを拡充されたい。
理由
農水産物の産地間競争において多様な消費者ニーズに応える農水産物の安定供給が求められる中、高い付加価値をもつブランド産品の生産拡大は不可欠である。このため本県においてもブランドの戦略商品づくりに取り組んでいるところであるが、他県の多様なブランド振興の取り組みや輸入品目の拡大など市場においては厳しい競争環境にあることから、物産流通推進本部の販売戦略を含め県産品のブランド化のための総合的な対策を加速させる必要がある。
4. 農林水産業におけるバイオマス等新エネルギーの生産による付加価値化の.促進について
要旨
本県には、広範な海域や森林・畜産業に起因するバイオマス等新エネルギー供給地としての潜在資源に恵まれていることから、農林水産業の付加価値化並びに二酸化炭素の排出量削減による地球環境の保全を図るうえから積極的な取り組みを図られたい。
理由
対馬地区などでの木質バイオマスエタノールの生産、島原半島地域などでの養豚場の廃棄物処理によるメタンガス等の収集・備蓄化並びに国や民間研究機関等で開発が進む広大な海洋での水産資源を活かしたバイオマスエタノールの生産等、産地のエネルギー源の利活用を促進することにより環境と結びついた産業の振興と地球環境保全についての取り組みを促進求められる。
5. 鳥獣被害防止対策について
要旨
イノシシ、シカ、カラスなどの鳥獣による農作物への被害防止のため、各市町における防護施設、捕獲機器の整備、捕獲報奨金制度、狩猟免許取得経費への助成等を支援強化されたい。
理由
イノシシの農作物への被害は年間2億円以上にも上り、シカによるビワ等への被害も後を絶たない状況である。現在、鳥獣被害防止総合対策事業を実施しているものの、事業規模が小さく、かつ、そもそも狩猟等による有害鳥獣駆除の計画が進歩しない状況にある。イノシシやシカは里山から畑に下り民家の庭先にも出没している。こうしたことから、鳥獣被害防止対策の拡充が必要である。
6. 離島地域における養殖業の展開に係る隘路の改善について
要旨
離島地域における養殖業の振興のため、餌代のコスト削減と安定供給など 隘路の改善について各種事業の活用による総合的な取り組みを促進されたい。
理由
沿岸漁業の生産高が伸び悩む中で、本県離島においてはマグロ等高級魚の養殖が拡大しつつある。しかしながら離島においては餌確保のための流通形態が悪く、かつ、大型冷凍冷蔵庫の未整備による貯蔵ができないことからコスト高と不安定な事業展開を余儀なくされている。このため、流通経路の改善や、ながさき型新水産業創出事業による共同事業の拡充、国の補助事業の積極的な導入等により、養殖業の振興に総合的に取り組む必要がある。
7. 有明海沿岸漁業の再生に向けた各種対策の拡充について
要旨
有明海におけるノリ養殖やタイラギをはじめとする貝類の生産回復など、国及び有明3県と連携した沿岸漁業の総合的な対策を拡充されたい。
理由
国営諫早湾干拓事業が竣工する中、有明海沿岸漁業の不振は継続し、関係漁民は厳しい経営状況のもとで干拓事業への不信をつのらせている。農業・漁業ともに振興するには有明海の漁場環境と漁業資源を再生し、漁業の安定的な操業を確保する必要がある。このため国や有明海の周辺県とも連携し、海域の水質保全対策及び貝類の持続的生産やノリ養殖の安定化対策など所要の対策を拡充する必要がある。
1. 公共建設工事の発注方式の改善について
要旨
本県経済が低迷する中、企業経営と雇用の継続及び経済波及効果の観点から、より多くの県内企業が工事受注できる発注方式を導入されたい。
理由
本県においては、公共事業の絶対量が大幅に減少する一方、大規模工事は県外の大手ゼネコンが請け負い、財政支出をするのみで県内への経済波及効果は殆ど期待できない状況にある。このため、一事業に対し複数の地場企業が直接元請けとしての参加を可能とするためコンストラクションマネージメント方式等、新たな発注方式を導入する必要がある。
2. 公契約条例の制定について
要旨
公共工事の健全な執行と地場産業の振興を図るうえから、低価格受注の防止及び従業員等の標準賃金と雇用条件の確保を主眼とする公契約条例を制定されたい。
理由
公共事業の入札において、低価格落札が多数にのぼる現状においては、従業員等の賃金が最低賃金水準に抑えられるとともに不利な雇用条件が課されるなど、労働者の福利に支障が生じている。こうした状況を改善し、かつ、請負費が適正に使われ高い品質が確保されるよう指導・監督する発注者責任を果たす意味からも公契約条例の制定が必要である。
3. アスベスト対策の推進について
要旨
民間建築物のアスベストについての成分調査や除去等対策工事に対する助成事業を立ち上げていない市町への助言・情報提供を強化するとともに、関係予算を増額されたい。
理由
民間建築物のアスベスト対策は、2009年までに実態把握をしている建築物を対象にアスベストの除去工事等、市町と連携して助成制度を運用しているところであるが、その進渉状況を把握し、対応が遅れている市町に対しては助言や対象施設の情報提供等を強化するとともに必要な関係予算の増額を図る必要がある。
4. 公共工事の実施における環境保全対策の推進について
要旨
公共工事の実施における環境保全対策として、現状の省資源・省エネルギーの取り組みの強化と併せて、二酸化炭素の排出量の削減対策も推進されたい。
理由
地球環境へ負荷をかけない持続的に発展する循環型社会づくりは喫緊の課題である。公共工事は環境に与える影響が大きことから工事資材や工事仕様について省資源・省エネルギーに資する各種取り組みを拡充するとともに、現在行われている道路舗装改修時の廃材の焼却処分など、二酸化炭素排出量の削減対策を積極的に講じる必要がある。
5. 緊急不況対策小規模改修事業の拡充について
要旨
県内中小建設業の受注機会の拡大と幅広い需要を喚起するため、道路維持補修や県営住宅改修など小規模改修事業を拡充されたい。
理由
公共事業の大幅な減少と入札条件の規制要件のために受注機会に乏しく経営を圧迫している本県の中小建設業は倒産の危機に直面している事業所が多い。このため、構造的な不況業種となっている中小建設業の新事業展開や経営体質強化のための指導・支援対策を強化するとともに、緊急不況対策として道路・河川・県営住宅等県営施設の小規模な改修事業予算を拡充と早期発注を推進する必要がある。
6. 建設不況打開のための緊急対策の実施について
要旨
中小建設業者の不況打開のため、住宅リフォーム助成制度の創設や資材高騰への支援など緊急対策を講じられたい。
理由
建設産業の従事者は、建築確認の混乱による着工戸数の激減、ダンピング受注の激化、仕事不足と就労日数の減少等により急激な収入減にみまわれるという異常な状況に置かれている。加えて、燃料や建設資材の高騰が仕事不足に追い打ちをかけるなど、生活困窮の状況にある。かかる事態を打開するために、必要な制度の創設等による緊急対策を早急に行う必要がある。
7. 生活圏内の国道・県道の整備の推進について
要旨
日常生活の利便性や交通拠点へのアクセス向上に資する生活圏内の国道・県道の整備について、特に国庫補助事業選択区間や未改良区間の早急な整備を推進されたい。
理由
県民は日常生活のインフラとして、身近な国道・県道の整備を強く望んでおり、実際、高速道路や規格の高い道路以上にその利用頻度は高い。また、県は合併市町に対し合併支援のための道路整備計画も策定している。このため、くらしの道緊急改良事業の拡充をはじめ国庫補助事業や臨時道路整備事業債の活用等により国庫補助事業の採択区間はもとより未改良区間の早急な整備を拡充する必要がある。
1. 県立高校の教育改革について
要旨
県立高等学校教育改革の一環として進めている県立高等学校の再編整備については慎重に対応するとともに、各学校の特色に応じた学科等の充実を図ること。
理由
小規模の県立高等学校の再編整備については一定理解をするものの、廃校となる高校が存置する地域の生徒・保護者はもとより地域住民にとっては大問題であり、通学のための公共交通機関や保護者の経済的負担増の実態はもとより、学校が地域社会で果たしている役割等を十分検証するとともに、跡地対策も含め十分慎重な対応が必要である。また、生徒にとって、社会にとって、より魅力ある学校とするため、各学校の特色に応じた学科等の充実を図る必要がある。
2 学校の耐震化事業の拡充について
要旨
平成20年4月1日現在、耐震性が確保されていない259棟の県立学校施設について平成24年度末迄に耐震化工事を全て完了するとともに、小中学校の耐震化工事を促進するため、市町に対し県としても計画的な支援を図られたい。
理由
県教育委員会は県立学校の耐震化計画について平成27年度完了予定を前倒しして、平成24年度迄としたことから、その確実かつ計画的な実施を求める。また、小中学校の耐震化は第一義的には市町の責務であるが、国の補助制度が拡充されたものの適用期間が限定されていることや、市町の財政負担が大きいことから県民である子供たちの命を守るため、県としても計画的な財政支援措置を講じる必要がある。
3. 障がい者特別支援教育の拡充について
要旨
障がい者教育の地域間格差をなくすため、北松地域及び離島地域に養護学校を施設するとともに、分教室・分校を含む県内すべての養護学校に計画的に高等部を配置されたい。
理由
北松地域や離島地域の障がいのある子どもたちは、住んでいる地域から遠く離れた都市部や本土での教育を受けなければならない為、通学の負担が大きく、中には就学をあきらめざるを得ない子どももいる。このため、障がい者が等しく教育を受けられる機会をつくるため、空白地域に養護学校を新設するとともに、養護学校間でばらつきのある高等部についても全養護学校に配置することが必要である。
4. 教員の採用及び昇任について
要旨
教員の採用及び昇任にあたって、試験結果を公表するなど透明性・客観性をより確保するとともに、県立高校の教員の管理職登用においても現行制度の見直しを検討されたい。
理由
大分県教育委員会による教員の採用及び昇任に係る不祥事件は教育への信頼を大きく失墜する事態となった。本県においてはこうした不正は断じてなく公平・公正な取扱いがなされているとのことであるが、そうであれば試験結果の公表など透明性・客観性の疎明に努めるべきである。また、県立高校と小中校での教育の昇任制度について差異があることは合理的理由に乏しく、県立高校の管理職登用のあり方も見直しを検討すべきである。
5. 図書等の拡充による学校教育の推進について
要旨
読書活動は児童・生徒の知識吸収はもとより人間形成に重要な意義を有していることから、学校図書の充実と図書館司書の配置を推進されたい。
理由
学校司書配置事業は図書貸出数の増加など一定の成果をあげているものの今年度末迄の事業となっていることから事業の継続、または代替事業の実施が強く望まれているところである。また、反面、市町においては学校図書費を他に流用するなど読書活動の重要性に対する認識が薄いところがある。こうしたことから読書を通じた学校教育の重要性に鑑み、学校における図書の拡充と司書の配置のための対策を積極的に講じる必要がある。
1. 長崎県病院企業団を構成する病院の今後の再編整備について
要旨
新たな長崎県病院企業団を構成する従来の、離島医療圏組合病院の地域病院の再編整備については、各地域の必要な医療水準を確保することを基本とし、開かれた議論を通じて慎重な対応を図られたい。
理由
富江病院、奈留病院、奈良尾病院、有川病院、中対馬病院、上対馬病院等の地域病院については、従来の病院機能を見直し再編整備する方向で、今後県及び関係市町で協議される予定であるが、地域住民の関心が高いことはもとより、住民の生命を守る地域医療の中核拠点であることから、多角的な見地からの十分な検討と住民への周知が必要である。