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既にご案内のとおり、福田改造内閣が発足しました。これについて与野党から色々な評価がなされておりますが、しかし、皆さん、大臣を誰にすり替えようと、現在の自公政権のように官僚の下部となって、官僚が言うがままの官僚内閣である以上、国民生活は政治のカヤの外に置き去りにされ、政治と国民生活が大きくかい離している状況は何ら変わりないことを、先ずは、申し上げねばなりません。
国民の信頼を得て、国民生活が第一の政治を、国民の代表者たる議員が遂行し、官僚をその補助者として使う真の意味での議員内閣制を確立させる。現在の官僚内閣制から、国民のためを代弁する真の意味での議員内閣制に、いわば大政奉還する。そうしたパラダイム転換を可能にする政権交代を行うことこそが、国民の利益を守るためには必要不可欠であります。
皆さん、自公政権はこれまでに、郵政民営化をはじめ、国民生活の多くの分野において構造改革を断行しました。そうすることが、わが国の発展には必要であり、国民生活を豊かにすることに繋がるといった錦の御旗を掲げて思うがままにやってきました。
しかし、その背景には、アメリカの経済政策に追随するだけのものであり、一部大資本の国際競争力を高めるための市場原理を拡張するといった目的でありました。
その結果どうでしょう。都市と地方の経済格差、働く人の間での所得の格差、どこに住んでいようと同じように享受されるべき公共サービスの格差、そうした格差社会が生まれ、挙句に、国全体の力を弱めてしまいました。
さらに、多額の無駄を省くための歳出削減の取り組みもしなまいままに、社会保障制度などのシステムの維持のために、国民に一方的に負担を押し付けてきました。
社会的・経済的に弱い立場にある人の窮状は見向かれもせず、所得の少ない多くの国民には次々に負担がのしかかっております。
地方自治体においても、現在の地方財政制度のままでは、ひとり自治体の努力のみによっては、最早、財政運営が立ち行かないといった状況まで追い込まれてしまっているのであります。
皆さん、郵政民営化によって、全国の特定郵便局の状況が従来と何ら変わらないとお考えでしょうか。お預けになった郵便預金や簡易保険の保険料は今後も間違いなく守られるとお考えでしょうか。
5000万人分の年金記録の不備を作り出しながら、これを解消すると公約した名寄せ作業が一向に進まない状況を仕方ないとお思いでしょうか。
中央集権・官僚支配も典型である道路特定財源も制度を永々と続け、物価高の中で、暫定税率も維持したままに、その財源を国民の解らない所で官僚や一部族議員が自分たちの都合のいいように使ってしまうやり方をこのまま放置していいのでありましょうか。
また、年齢や健康や医療内容で差別する世界に例のない後期高齢者医療制度や、病院から入院患者を強制的に追い出し、その結果、医療難民や介護難民が多く出てくることが目に見えている政府の療養病床転換計画も、このまま進めさせていいのでありましょうか。
いずれも、国民生活を顧みない政治の結果であり、また、国民への一方的な負担の押し付けとして到底容認することが出来ないものばかりであります。
さらには、いちいちは申し上げませんが、政府与党は政管癒着の構図の中で、おごりやたるみが政策運営の随所に表れていると言って過言ではありません。
官僚の不祥事にも、何ら具体的な対策を打たないから、次から次に起こっても、これを見逃してしまっています。
健全な政治のためには、緊張感ある政治環境を創り出すことこそ不可欠なのであります。
ご案内のように、昨年の参議院議員選挙の結果、参議院では与野党の勢力が逆転し、いわゆるねじれ国会といわれる中で、それまで国民が知り得なかった官僚政治の不祥事がや不都合が次々と明るみに出、政策論争も活発になり、道路特定財源の暫定税率については、一時的ではありますが、制度が改善されるという状況も生まれました。
しかしながら、その一方で、衆議院での自民党の圧倒的多数の前に、結局は、既に制度疲労に陥った施策の見直しや、無駄な経費の削減が図れないといった現実が残念ながら続いております。
どうか皆さん、こうした状況を冷静に分析し、そして国民生活を守るために、あるべき施策を展望するとき、今度の総選挙では何としても政権交代を実現することが、より緊張感ある政治環境を創り出すことに他ならないことを、何卒、ご理解賜りますよう心からお訴え申し上げる次第であります。
そのことによって、初めて官僚主導でない国民主導の真の意味での議院内閣制が生まれ、特別会計を含む歳出予算の精査によって、多くの無駄が省かれ、国民の立場に立った政策運営がなされるのであります。
そしてまた、地方自治体においても、自らの責任と権限において、政策の優先度に応じた財政投資が可能になり、真の地方自治の確立に向けた取り組みが可能になるのであります。
どうか、国民生活第一を基本に政策を創り出す民主党の取り組みに対しまして、これまでにも増して、皆様方のご支援、ご支持を賜りますよう、重ねてお願い申し上げます。
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