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【2008年4月1日街頭演説から】
皆さん
1. 揮発油税、経由引取税、自動車譲与税などの道路特定財源の暫定税率が今日から廃止されました。
■本来、直ちにガソリンなどの価格が安くならなければなリませんが、暫定税率の廃止に反対する政府・与党の怠慢によって、実際の価格引下げは、暫らく待たねばなりません。揮発油税は製油所から貯油所に出荷される時に課税される、いわゆる蔵出し税になっていることから、これまで仕入れを行ったガソリンスタンドの在庫分については、暫定税率が負荷されていることになっているからという理屈であります。
■しかし、かつて、酒税が減税になったとき、これも同じ蔵出し税になっているわけでありますが、既に店頭に並んでいる酒類について、政府は、これを一旦メーカーに戻したとみなす便宜的な措置を講じることで一斉に価格を引き下げたのであります。やれば出来ることを、敢えて混乱を招くために、手をこまねいている、誠に国民無視の姿勢であると言わざるを得ません。
■しかし、少し時間がかかりますが、数日後には確実に価格が下がります。
これは昨年の参院選で民主党が議席を伸ばしたことにより緊張感ある政治環境が生まれたことによる一つの成果であります。
2.この暫定税率をめぐる議論は、従来の制度や枠組みのもとに道路特定財源を確保していこうとするのか、そうではなくて、道路特定財源という聖域を設けたこれまでの制度を廃止して一般財源化する。そして、その考え方の帰結として暫定税率を廃止するのか、といった両極において行われてきました。
■そして、従来の制度を守ろうとする政府・与党からは、暫定税率を廃止すれば、わが国の道路整備が出来なくなる。代替案をどうするのかと言ったことが声高になされてきました。
しかし、皆さん果たしてそうでしょうか。
■道路特定財源として聖域化することで、ご案内のように、職員の娯楽費や使われてもいない公舎の建設や官僚の天下り先の特殊法人の運営費といった道路建設以外の目的に多額の経費が流用されてきました。
■又、今後10年間新たに14,000Kmの幹線道路を建設する。そのために59兆円の事業費をかけていくと言った中期道路整備計画は本当に国民の目線から十分に検証されたものでしょうか。
■公共事業も道路以外の河川事業や都市計画事業や港湾整備の事業などは全部一般財源でやっている。ましてや、社会保障費や教育の経費や産業振興の予算はそもそも一般財源で賄われている。何故、道路予算だけが特別扱いされ、しかも、さらに過重な税負担を強いられるのでしょうか。
3.暫定税率が廃止されれば、全体で2兆6千億円の財源がなくなると政府・与党は言っております。本県では約290億円が縮減するといわれております。
しかし、その中身を見ますと、県や市町が事業主体となる分については、85億円、残りの200億円以上は国の予算でかかるものであります。
■つまり、国が地方の道路整備のあり方をコントロールしていく、国土交通省が長崎県の道路整備について主体性を持つ、即ち、権益を確保せんがために殊更に言っているのであります。
■本来、地方のとって必要な道路は、それを使う住民の総意として地方の自治体がその裁量と権限によって決定し、計画的に整備を行っていくことによって、より効率的に進められるのであります。
■政府は、これまで地方の自立を促す地方分権型社会づくりを進めることが、わが国の基本である言ってきましたが、地方の裁量を奪うこの道路特定財源の制度は、これに明らかに矛盾するものであります。
4.国が地方を締め付ける道路特定財源の制度を廃止して、一般財源化する。そして、必要な財源をヒモのつかない交付金として地方にきちんと配布する。
そして、地方の自治体においては、その財源をもって、必要な道路整備費に充てたり、医療・福祉・介護などの社会保障費に充てたり、子ども達の教育費に充てたり、産業振興の予算に充てたり、政策課題の優先度に応じた選択が可能なようなシステムにすることが、まさに、地方自治体の主体性、自律性を高めていくことに資するのであります。
■そして、そうした新たな予算編成の仕組みを創っていく中で、これまでの一般会計の中身を国民の目線でしっかり検証し、例えば、特殊法人や独立行政法人への予算の垂れ流しを廃止したり、内部管理経費を削減する、更には、特別会計の剰余金の使い道を精査することによって、暫定税率の減収分をカバーする見合い財源を確保することが十分に可能となるのであります。
5.皆さん 政府・与党は、これまでの制度や枠組みによって構造改革を進め、地方自治体に対し三位一体の改革を進めてきました。
地方の自主的発展を促すという建前で行われてきました。しかし結果は同でしょう。この3年間で国から地方への予算の配分が全体で6兆8千億円も削減されてしまいました。本県においては3年間で400億円、10年間で約1,000億円もの減収であります。これでは地方の活性化は図れません。そればかりかこうしたことが続けばもはやひとり地方自治体の自主的努力のみによっては、自治体運営が成り立たないと言ったところまで追い込まれてしまっているのであります。
■併せて、社会的・経済的な弱者への公的負担は増えるばかりであり、格差社会も益々拡大をしています。
■大切なことは、こうした多様な問題を抱え、いわば制度疲労に陥っている現行の予算編成や財政制度を根っこから変えることであります。
■この道路特定財源の一般財源化や暫定税率の廃止に対する取り組みは、そうした地方の自主的発展に不可欠な新たな財政制度をつくることに、大きなねらい、目的があることに、どうか皆様方のご理解を賜りますようお願い申し上げる次第であります。
6.政府・与党は憲法の3分の2条項により、衆議院で再議決し、暫定税率を復活させる方針のようでありますが、新たな増税となるそのような暴挙を決して許してはなりません。
■国民の立場に立った新たな改革を進めていこうとする流れを、旧態依然とした政治勢力や自ら権益を守ろうとする霞ヶ関の官僚機構によって止められてはなりません。
これまで政府・与党は、企業の国際競争力の回復を優先させるがあまり、わが国の資源を企業部門に集中して投資してきました。その結果、市場のメカニズムによって勝ち組と負け組みが生まれました。そして、その負の部分に対する手当てをないがしろにしてきた政治姿勢が、この国の富を大企業やより豊なものが集まる東京や大阪、名古屋など大都市に集中させたが故に、都市と地方の格差、働く者の間での所得の格差をはじめ多くの格差が生じてしまったのであります。
■皆さん、自民・公明党政府のこうした失政を二度と許してはなりません。
一緒に、声を上げていこうではありませんか。
国民生活を第一に政策を考える民主党の取り組みに、どうかご理解とご支援を賜りますよう心からお願い申し上げ、私の訴えとさせていただきます。
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