明けましておめでとうございます。
比良元でございます。
皆様におかれましては、明るく希望に満ちた新年をお迎えのことと先ずもって心からお喜びを申し上げます。
さて昨年は、統一地方選挙に続く参議員選挙におきまして、多くの国民の皆様のご支援を得、民主党が参議院第1党なることができました。
これまでの官僚主導の国家優先の政治体制、数に任せた国民不在の政治体制から、国民の立場に立った政策の優越性を競い合う緊張感のある政治環境が実現したことは、わが国の議会制民主主義のまさに大いなる前進であると存じます。
国民の皆様のご期待に応えるため、民主党は「国民の生活が第一」の政策を次々に法案として国会に提出し、衆参両議院において、精力的な議論を重ねているところであります。しかしながら、参議院で可決しても衆議院において、与党の3分の2の議席の前に否決を余儀なくされ、結果、国民の利益となる法制化が図れない現実を何としても打破していかなければなりません。
「長い権力は必ず腐敗する」という格言のとおり、消えた年金問題や薬害肝炎、防衛省トップの汚職や組織的な裏金問題等々、自民党長期政権の下で政治も行政も腐敗しきっております。
ご案内のように、年金記録の不備は今年度内に解明すると公約しながら、結局は整理できないと逃げてしまう始末であります。
国民の手に政治を取り戻し、国民の生活を守っていくためには、もはや政権を変える以外に方法はないのであります。
いま、政権交代を実現しないでいつやるのか。いま政権を変える「日本の大掃除」をしなければ国民は救われません。
何としても総選挙に勝利することが民主党の歴史的使命であります。
どうか、皆様自身の生活を守るために、国民の生活を守るために、これまでにも増したご理解とご支持を民主党に賜りますよう、心からお願い申し上げる次第であります。
ご案内のように自民党はこれまで小泉前総理の聖域なき構造改革を旗印に、地方財政改革、社会保障制度改革、郵政民営化を始めとする規制緩和の大幅な推進等を大胆に進めてきました。
その結果、都市と地方の格差、勤労者間での所得の格差等、格差社会が生まれ、社会的弱者への公的負担の拡大等、国民生活には数々の打撃が押し寄せました。
中でも、三位一体の改革と称して国から地方への地方交付税や国庫支出金を一方的に削減する地方財政改革は、ひとり地方公共団体の自主的努力のみでは財政運営が成り立たないような状況にまで追い込まれております。
本県においてはこの10年で約700億円の国庫支出金が削減され、この4年間で約400億円の地方交付税が削減されました。その一方で新たな社会保障費の負担が強いられるといった状況の中で、まちづくりのための建設投資や県民への行政サービスのための必要経費が大幅にカットせざるを得ないといった状況に追い込まれております。
このままでは、担税力が弱く自主財源に乏しい本県にあっては、益々、他県に遅れをとってしまういます。
そればかりか、どこに住んでいても、同水準の行政サービスが受けられなければならないものが受けられないといった、県民にとって非常につらい現実に陥ってしまうのであります。
何としても、今の国の財政事情のつけを、ひとり地方に押し付ける思想無き地方財政改悪を早急に改めなければなりません。
地方交付税制度の復元をはじめとする地方税財源の充実強化を図ることが県民の暮らしを守るための緊要の課題であります。
国政の流れを変える、そのことなくして地方の発展と自立はありえないことを強く訴えるものであります。
交付税が削減される中、本県財政はこのままでは5年後には財政調整基金など貯金が底をつき、赤字財政になってしまうという危機的状況の中で、新たに159億円の財政構造改革を実施することになりました。
人件費や内部管理経費を削減することと併せて、県単独補助金の一律10%カットや国の補助事業なども見直すといった内容であります。しかしながら単独補助金を機械的に一律削減することはおかしい。
必要な福祉サービスなどは何としても確保していかなければならない。
私どもは議会でもそう主張し、改革内容の改善を求めていますが、いずれにせよ国の地方に対する負担の押し付けや一方的に財源をカットする現行のあり方を早急に見直していかなければなりません。そうした取り組みにどうか皆様方のご理解、ご支援をお願い申し上げる次第であります。
さて皆さん、昨年本県では銃による残忍で衝撃的な事件が二度も発生しました。
一般国民が銃を持たない我が国において、こうした銃による犯罪が立て続けに起こったことに強い憤りを禁じ得ません。
今年は本県の安全・安心なまちづくり元年として徹底して銃器による犯罪の根絶に取り組まなければなりません。
それには、銃器の不法所持の徹底した取り締りとともに、許可銃については実弾と銃の同一所持を制限することや、通常は物理的に銃が使用できない措置を講じることが不可欠であります。
現行の銃刀法や火薬類取締法を改正し、抜本的な銃規制の強化を国に対し強く訴えてまいる所存であります。
さらに本県に関する大きな問題の一つとして、今年早急に改善が図られなければならないものが原爆被爆者の援護対策であります。
原爆症認定基準の見直しに関する厚生労働省の成案は現行基準の原因確立を維持するものであり、これまでの裁判例から到底容認することはできませんし、与党プロジェクトチームの成案も爆心地からの距離や原爆落下後の滞在時間で振り分けてしまうもので合理的な根拠を欠いたものと言わざるを得ません。
距離や時間で制限することなく、被爆者が癌などの典型症例になれば無審査で認定し、典型症例以外でも放射線起因性を否定できなければ個別審査で判断するといった基本原則が確立をされなければなりません。
併せて、爆心地から同じ半径12キロメートル以内で被爆したにもかかわらず、被爆者と比べ希薄な援護対策しか受けられない被爆体験者に関する不合理な現況を一日も早く改め、等しく被爆者として同様の取り扱いを受け得る制度を構築しなければなりません。
被爆県長崎として、恒久平和と核兵器廃絶の更なる訴えと併せて、被爆者の立場に立った被爆者援護対策の拡充を図っていかなければなりません。
またさらには、九州新幹線・長崎ルートの建設着工がいよいよ間近に迫っております。
新幹線については県民の皆さんの間でいろいろな受け止め方があることは十分承知を致しております。
しかし数年後には、新幹線の無い都道府県は全国47の中でわずか17になってしまいますし、アジアでも新幹線は身近にある時代になるのであります。
また、新幹線の建設財源は予算の仕組み上、これを医療や福祉などの他の分野に充てることはできないんです。
即ち、長崎ルートが整備されなければ、その分の財源を他の地域の新幹線整備に充てられるだけなのであります。
そうしたことを考えれば、新しい交流のネットワークをつくる新幹線を、長崎のまちがそれを活かして成功する大きなチャンスとして、その可能性を広げるために、いまこそ長崎の特色あるまちづくりを大胆に進めて「歴史に学び人を呼んで栄えるまち・長崎」の再構築に積極果敢に取り組んでいくことこそが肝要であると思います。
まだまだお訴えをしなければならないことがありますが、別な機会に譲りたいと存じます。
しかしながら数々の課題を抱える中で、冒頭申し上げましたように、国民の生活を守り、国民生活が第一の政策を実現していくためには、政権交代の他にはありません。
そして地域格差を公然と認め、さらに進めるような現在の政治が変わることによって、地方の主体的な努力が報われ、自主的な発展の道が開かれていくのであります。
どうかこの一点について特にご理解を賜りますよう衷心からお願いを申し上げ、また何より私も皆様の先頭に立って、県民・市民の生活に応える取り組みに全力で邁進してまいりますことを固くお誓い申し上げまして、私の年頭の訴えに代えさせていただきます。
本年が皆様にとりまして充実した年になりますことを心から祈念申し上げます。
平成平成20年1月4日